転生モブは分岐点に立つ〜悪役令嬢かヒロインか、それが問題だ!〜

みおな

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モブ、逃げる。

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「アイル様。こちらに、お早く」

 エリーゼに促されて、無人の教材室に隠れた。

「ちょっと!どこ行ったのよ?」

 廊下から、ヒロイン・・・もうヒドインでもいいかな、ティアラ・プルメリア男爵令嬢の声が聞こえる。

 名前も見た目も可愛いのに、言動が可愛くないヒロイン。
 私は、噴水に突き落とされた日から毎日、ティアラに追いかけ回されていた。

 私は、イレーヌたちの助けを得ながら、ティアラから逃げていた。

 私をどうしたいのかは知らないが、イレーヌたちの不興を買うことは、ティアラ的にはOKらしい。
 多分、悪役令嬢だからとでも思っているのだろう。

 悪役令嬢のイジメにより、攻略対象との親近感は上がるんだけど、今の状態をイジメだとは誰も言ってくれないと思う。

 思うけど、やっぱりどこかに不安が残る。
 今は婚約者と仲睦まじいけど、もしかしたら攻略されてしまうかもしれない。

 本当ならヒロインは聖なる魔力、聖魔法を使えて、聖女に認定されるんだよね。
 だからこそ、聖女を虐げたって婚約者の悪役令嬢は断罪されるんだけど。

 あのヒロイン、聖魔法使えるのかな。
まさか、魅了魔法とか使ったりしないよね。

「本当に、プルメリア様には手を焼いてしまいますわ」

「エリーゼ様。ご迷惑をおかけして申し訳ございません」

「あら?アイル様が悪いわけではありませんわ。あの方が、貴族令嬢としては問題があり過ぎるのです」

 エリーゼの言葉に、苦笑してしまう。
確かに、あの言動は問題がある。

 しかし、転生者だというのに、ヒロインがザマァされるという、ラノベを読んだことがないのだろうか。

 その類には、転生者だからと貴族らしくない言動をしたヒロインがザマァされたり、魅了魔法を使って断罪されたりしてるんだけど。

 私の、大切な『月に恋した太陽』のヒロイン。あんなに愛情込めて作ったヒロインなのに・・・
 まさかの転生者で、ああも酷いとは。
神様、私なにか悪いことしましたか?

「教室が別だったのは救いですが、よくもまぁ、休み時間の度に襲撃してきますわね」

「エリーゼ様たちにご迷惑をおかけして・・・」

「私たちがしたくてしていることですわ。それに、プルメリア様のなさっていることは、到底許し難いことですわ。キンバレー様も王太子殿下もご迷惑そうにされていますし、そろそろ先生方から注意されるのではないかしら」

 ティアラは、私を追いかける一方で、エドワードやヴェルハルト、カイルにもアタックを始めていた。

 今のところ、彼らがオリバーのように攻略される様子はないけど、婚約者のいる彼らにベタベタするものだから、周囲のご令嬢たちの視線がとても冷たい。

 ヒロイン・・・
愛されキャラのはずなのに。





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