転生モブは分岐点に立つ〜悪役令嬢かヒロインか、それが問題だ!〜

みおな

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モブ、立ち向かう。

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 ティアラが、戸惑ったようにエドワードやヴェルハルトを見つめたあと、会場を見渡した。

 視線が私に留まり、そのピンク色の瞳が見開かれる。

 私は、あの時の恐怖を思い出して、ティアラから視線を外した。

 大丈夫。
カイルが、呪法に効く魔道具を付けてくれたんだから。

 だけど、あの時の怖さはどうしても消えてくれない。
 ううん。怖さというより、大切なみんなを悲しませてしまった後悔かもしれない。

 それでも。
私は見届けると決めたんだから、と顔を上げた。

 同じ転生者として。

 乙女ゲーム『月に恋した太陽』のラノベの原作者として。

 ヒロイン、ティアラ・プルメリアの行く末を見届けるって決めたんだから。

 ティアラは、オリバーに縋りつきながら、エドワードやヴェルハルトを見つめている。

 イレーヌやカレリア、エリーゼも無事だし、何とかこのまま終わりを迎えそう。

 ホッと息を吐く。

 確かに王族や高位貴族に、禁呪の魅了魔法を使ったことは大罪だ。

 運良くカイルが気づいたから良かったものの、もしかしたらヴェルハルトたちはティアラに魅了されて、イレーヌたちを冤罪で断罪してたかもしれない。

 だけど、何とか大事にならずに済んだのだから・・・
 魔封じを付けての国外追放、とかで済むといいけど。

 やったことは間違ったことだけど、乙女ゲームを知ってる前世持ちなら、陥りがちな失敗なのかもしれないし。

 オリバーも、エリーゼとの婚約は解消されてて、ラトビア侯爵家からは勘当されるみたいだけど、脳筋の、体力馬鹿のオリバーなら、平民になってもやっていけると思う。

 それに、オリバーは魔法ではなく本当にティアラを好きなみたいだし。

 このまま、大人しく罪を認めて欲しい。
好きにはなれなかったけど、嫌いな相手だからといって不幸になれば良いとは思えない。

「殿下。そろそろ幕引きにしよう。陛下たちをお呼びしようか」

「ああ。そうだな。エドワード、すまないが隣室の父上たちを・・・」

 ヴェルハルトやカイルたちの意識が、ティアラたちから逸れた。

 イレーヌたちも、話すヴェルハルトたちを見ていた。

 だから。

 誰も気付かなかった。

 ティアラが、エドワードの色だと喜んでいたドレスの裾を捲り上げ、そこが出したをオリバーに手渡すのを。

 オリバーがその細身のの鞘を捨て、カレリアに斬りかかろうとするのを。

 離れた位置から、ずっとティアラを見ていた私は、そのあり得ない光景に、思わず駆け出していた。

 オリバーの剣が、カレリアに覆いかぶさった私の背中を切り裂くときに聞こえたのはー

「来ると思ったわ。アンタを排除したらリセットされるわよね」

 というティアラの言葉だった。







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