転生モブは分岐点に立つ〜悪役令嬢かヒロインか、それが問題だ!〜

みおな

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攻略対象、断罪する②

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「え?ちょっ、ちょっと待ってよ!みんな一体なにを言ってるの?」

 この期に及んで阿婆擦れは、僕や殿下に手を伸ばしてくる。
 汚らわしい。
この女が前回を覚えていないことは理解している。
 だけど、オリバーの制止を聞かなかったのは、今この時間軸を生きているこの女だ。

「何故、オリバーの制止に従わなかった?買っただけなら、睡眠薬も媚薬も犯罪にはならない。それを公爵家の僕に使おうとしたことが犯罪なんだ。それにオリバーも言っていただろう?君はオリバーと王命で婚約している。婚約者以外と行為に及ぼうとすること自体が不貞とされる。この国で不貞は犯罪だということくらい知っているだろう?」

「し、知らないわっ!それに、エドワードとは実際なにもしてないじゃない!不貞なんかじゃないでしょ!!」

「なら何故、僕の飲む紅茶に睡眠薬だけでなく媚薬まで入れた?何故、僕の服を脱がす必要があった?僕が眠ってるうちにことに及べば僕にもどうにもできないはずだと言ってたな」

「で、でもっ!脱がせてもないし、何もしてないわっ!!罪になんか問えないはずよっ!!」

 確かに、僕は触れられるのが嫌で、脱がされる前に起きてしまった。

 本当なら、いくらか脱がされてからのはずだったんだが。
 このままだと、不貞では裁けないかもしれない。

 僕の不安を感じ取ったのか、殿下が背中を叩いてくれる。
 殿下もレジスタ嬢にゾッコンだから、あの女に触れられたくなかった僕の気持ちを理解してくれてるのだろう。

 だが、それとこれとは別だ。
せっかく準備したのに、僕が先走ったせいで台無しになってしまった。

 もう阿婆擦れも警戒してるから、次がうまくいくとは限らない。

 あと少し我慢すれば良かったんだ。
それなのに・・・

「ほぉら、ね。買っただけじゃ、罪にならないんでしょ?私は不貞なんかしてないし、薬だって、本当はが飲むはずだったのよ。婚約者なんだから問題ないわよね?」

 あからさまに挑発するように言ってくる女に腹が立つが、言い返せない。

 クソッ。
僕が先走ったせいだ。

「じゃあ、私は帰らせてもらうわよ。オリバー、行きましょ」

「・・・ティアラは、エドワード先輩、いやエドワード・キンバレー公爵令息と一緒になるために、媚薬と睡眠薬を紅茶に入れるように俺に指示した。お互い裸でいるところを第3者に見せるからって。何度やめようって言っても聞いてくれなかった。ことを終えてしまえば、反論できないはずだからと。彼女は・・・エドワード先輩が目覚めなければ、事に及んでいたと思う」

 自分の勝利を確信して、部屋を出ようとした阿婆擦れの足を止めたのは、苦しそうに紡がれたオリバーの言葉だった。
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