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絶対死んでも許さないんだから
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「ローズリッテ・フェルゼン!貴様の罪状は明らかだ!この国の宝であり、俺の最愛の聖女であるレイニーを貶め殺そうとしたことは明白!この場で処刑してくれる!」
華やかな学園の卒業パーティー。
煌びやかな照明の下、私は二人の男に床に押さえつけられていた。
私の目の前で、ありもしない罪を声高らかに叫んでいるのは、セドリック・アークライン。
ここアークライン王国の王太子殿下で、私ローズリッテ・フェルゼン公爵令嬢の婚約者。
私たちが生まれた時から決められていた婚約は、このアークライン王国のため。
つまりは政略結婚。
それでも、王太子であり次期国王となられるセドリック様を支えようと、私なりに努力してきたつもりだった。
実際、三年前に学園に入学するまでは私たちはそれなりに仲良くしていたし、卒業したら婚姻することもセドリック様も楽しみだねと言ってくれていた。
それがおかしくなったのは、入学後にセドリック様が聖女と呼ばれるレイニー様と知り合ってから。
肩までの黒髪に愛らしい容姿。
小柄で守ってあげたくなるようなレイニー様に、殿下はいつも寄り添うようになった。
レイニー様は、大聖堂の前で倒れられていたのを教会が保護した。
過去の記憶を失っておられるようで、それでも聖魔法が使えることで聖女として国が保護することが決まっていた。
だから。
学園内でお二人が仲睦まじく寄り添われていても、そのことを周囲が苦々しく見ていても、私は「セドリック様は気遣われているのよ」と言うしかなかった。
聖女であるレイニー様は、アークライン王国にとって大切な存在。
それに記憶を失くして、家族も友達も思い出せないレイニー様のことを、不憫だと思っていたこともある。
私と殿下は卒業後に婚姻することが決まっているのだから、未来の王太子妃として聖女様に心穏やかに過ごしてもらうことも大事だと考えたのよ。
実際、お父様や国王陛下にも、そう言われたわ。
だから、みんなの憐れむような視線にも耐えて、ずっと我慢していたのに。
「フェルゼン公爵も、貴様のような愚かな者は娘だとは思わないと言っていた!レイニーを養女に迎え、公爵令嬢となったレイニーは俺の婚約者、王太子妃となる!未来の王太子妃、公爵令嬢であり聖女に対する不敬だ。死して償え!」
「・・・!」
反論したいのに、押さえつけられていて苦しくて息が漏れるだけ。
誰ひとり、私を助けようとしてくれない。
私が何をしたというの?
レイニー様を、セドリック様を、諌めなかったのがいけなかったの?
どうしてお父様は私を信じてくれなかったの?
許さない。
絶対に許さないわ。
死んでも呪ってやるんだから!
私が心の中でそう叫んだ後、意識がプツリと途絶えた。
ローズリッテ・フェルゼン。
十五歳の春だった。
華やかな学園の卒業パーティー。
煌びやかな照明の下、私は二人の男に床に押さえつけられていた。
私の目の前で、ありもしない罪を声高らかに叫んでいるのは、セドリック・アークライン。
ここアークライン王国の王太子殿下で、私ローズリッテ・フェルゼン公爵令嬢の婚約者。
私たちが生まれた時から決められていた婚約は、このアークライン王国のため。
つまりは政略結婚。
それでも、王太子であり次期国王となられるセドリック様を支えようと、私なりに努力してきたつもりだった。
実際、三年前に学園に入学するまでは私たちはそれなりに仲良くしていたし、卒業したら婚姻することもセドリック様も楽しみだねと言ってくれていた。
それがおかしくなったのは、入学後にセドリック様が聖女と呼ばれるレイニー様と知り合ってから。
肩までの黒髪に愛らしい容姿。
小柄で守ってあげたくなるようなレイニー様に、殿下はいつも寄り添うようになった。
レイニー様は、大聖堂の前で倒れられていたのを教会が保護した。
過去の記憶を失っておられるようで、それでも聖魔法が使えることで聖女として国が保護することが決まっていた。
だから。
学園内でお二人が仲睦まじく寄り添われていても、そのことを周囲が苦々しく見ていても、私は「セドリック様は気遣われているのよ」と言うしかなかった。
聖女であるレイニー様は、アークライン王国にとって大切な存在。
それに記憶を失くして、家族も友達も思い出せないレイニー様のことを、不憫だと思っていたこともある。
私と殿下は卒業後に婚姻することが決まっているのだから、未来の王太子妃として聖女様に心穏やかに過ごしてもらうことも大事だと考えたのよ。
実際、お父様や国王陛下にも、そう言われたわ。
だから、みんなの憐れむような視線にも耐えて、ずっと我慢していたのに。
「フェルゼン公爵も、貴様のような愚かな者は娘だとは思わないと言っていた!レイニーを養女に迎え、公爵令嬢となったレイニーは俺の婚約者、王太子妃となる!未来の王太子妃、公爵令嬢であり聖女に対する不敬だ。死して償え!」
「・・・!」
反論したいのに、押さえつけられていて苦しくて息が漏れるだけ。
誰ひとり、私を助けようとしてくれない。
私が何をしたというの?
レイニー様を、セドリック様を、諌めなかったのがいけなかったの?
どうしてお父様は私を信じてくれなかったの?
許さない。
絶対に許さないわ。
死んでも呪ってやるんだから!
私が心の中でそう叫んだ後、意識がプツリと途絶えた。
ローズリッテ・フェルゼン。
十五歳の春だった。
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