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聖女を探して

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 許したくない、じゃなくて、許せないだわ。

 そう決意を込めてパパを見上げると、パパは優しく頷いてくれた。

「ロゼが自分でやっつけたいなら、魔法の使い方を学ばないとな。すぐに教師の段取りをしよう。それともパパがやって良いならパパがやろうか?」

「やだ。ロゼがする」

「なら、ノイン。魔法の教師の準備をしろ」

 自分で出来るなら自分でやりたいわ。
魔王の娘に生まれたんだから、どちらにしろ魔法は学ばなければならないし。

 それとも魔法を覚えるのに時間がかかるかしら?

 なら、セドリック様に子供が生まれたら困るし、パパに頼んだ方が良い?

「魔法覚えるの、時間かかる?王太子に子供できると困るから、時間かかるならパパにお願いする」

「子供か。ロゼは子供には罪はないと思ってるんだね?」

「だってローズリッテが殺された時、その子供は生まれてもないもの。だから、その子供には罪はない。生まれた後に親が殺されたら・・・ちょっとかわいそう」

「ノイン、聞いたか?うちのロゼはなんて可愛くて賢くて優しい子なんだ」

「ええ。本当に」

 パパの親バカ発言にノインが頷く。
ちょっと恥ずかしいけど、ローズリッテの時はこんな風に親に溺愛された記憶はないから・・・なんだか嬉しい。

「なら、子ができないように薬を飲ませておきましょう。いっそ、出来ないように・・・いえ、淑女の前で失礼しました」

「ノイン、気をつけろ。ロゼは穢れなき乙女なのだ」

「はい。ロゼ様、申し訳ございません」

 確かにロゼは五歳だけど・・・
中身のローズリッテは十六歳。

 しかも王太子妃教育も受けていて、卒業後に結婚する予定だったから、一応、その、閨教育も受けているのよね。

 だから、意味はわかる。
そんな風に気を使われると逆に恥ずかしいわ。

「パパ、ノイン。お任せするから、子供は出来ないようにして。最終的に私に復讐させてくれたら、あとはお仕置きしててもかまわないから」

 私が魔法を習得するまでにどのくらいかかるのか分からないけど、それまで幸せに暮らしてるなんて許せないもの。

「かしこまりました。陛下と相談の上、対処いたします」

「ロゼ。他に何か希望はあるか?」

 パパに尋ねられ、一瞬答えに詰まる。

 殺されたすぐ後は・・・そんなこと考えもしなかった。

 のことも恨んでいたし、セドリック様と同罪だと思ってた。

 でも・・・
もしかしたら、セドリック様が先走っただけかもしれない。

 だから。

「あのね。聖女を探して欲しい。どうして聖女の力を失うと分かってて、私を助けたのか聞きたいの」
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