冤罪で断罪されたら、魔王の娘に生まれ変わりました〜今度はやりたい放題します

みおな

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過ちに気付いて

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 カフェを出てすぐに、パパの転移魔法で魔王城に帰って来た。

 多分、セドリック様はあの後にレイニー様と私の姿を探して外に出たと思うけど、入口を出た瞬間に転移魔法が発動したから、私たちが消えたのを目撃した人もいないはず。

 レイが小声でどこでもドアとか何とか言ってたけど、何のこと?
 また、前世の記憶にあるものなのかしら?

 レイの前世の話は、パパもノインもすごくお気に入りだから、今度ゆっくり聞いてみよう。

「ロゼ様。何かお飲み物をお入れしますね。何がよろしいですか?」

「ん。じゃあ、ココア」

 ロゼに生まれ変わってから、味覚もだけど嗜好も子供っぽくなったのよね。

 まぁ、実際子供だけど。
あくまでもローズリッテは記憶だけだもの。

 パパのお膝の上で、入れてもらったココアを味わう。

「とりあえずは満足した」

 これからセドリック様は、例えばテーブルの角に足をぶつけたら、十倍の痛みを感じるのよね?

 もちろん首を刎ねられたローズリッテの痛みや悔しさに比べたら、些細なものだけど。

 でも許せないとは思っているけど、死ねば良いとは思っていないわ。

 死んでしまえば、ローズリッテにしたことを悔やむこともないでしょう?

 私は反省して欲しいの。
痛いからとか死にそうだからとかじゃなく、自分のしたことがどれだけ酷いことだったのか気付いて欲しいの。

 心の中でいいから、ローズリッテに謝罪して欲しいの。

「ロゼは本当に謙虚で優しいな」

 パパの言葉に私は首を傾げる。

 謙虚?
あんなに執着しているレイニー様を手の届くところまで連れて行っておいて、また連れ去る私のどこが?

 しかも私、ざまあみろと思ったのに?

 セドリック様がレイニー様を好きになったことは、仕方ないと思う。

 レイニー様は可愛いし、聖女だし、優しいし。

 だから好きになるのは仕方ないけど、十五年間も共にいて、厳しい王太子妃教育を受けながらセドリック様を支えてきた私のことは?

 少しくらい気遣ってくれても良かったんじゃないの?

 パパやノインが言うには、アークライン王国の王太子妃教育って厳し過ぎるんだって。

 王太子妃や王妃になる者の教育が厳しいのは、夫となる王子に足りない部分を補うためで、でもそれ自体がおかしな話だって。

 本来なら、王子の教育をもっともっと厳しくするべきなんだって。

 あの頃は疑問にも思わなかったけど、今なら分かる。

 セドリック様の部分を補うための、王太子妃教育だったんだって。

 私の教育が特に厳しくなり出したのは、学園に入学してから。

 レイニー様に夢中になり、セドリック様の学業が疎かになり出した頃から。

 それでも。

 それでも、私に対して誠実な対応をしてくれてたのなら。

 許したのに。






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