聖女だと呼び出しておいて無能ですか?〜捨てられた私は魔王様に溺愛される〜

みおな

文字の大きさ
3 / 28

魔王城に連れて来られました

「陛下、お帰りなさいませ。また何を拾われて・・・おや?聖女を拾われたのですか?」

 頭を下げていた白髪の青年が、私を見て目を丸くされている。
 魔族・・・よね?というか、私聖女なの?一目見て分かるものなの?あの王子、全然分かんなかったわよ?

 というか、拾うって。私、犬や猫じゃないんだけど。

「ああ。あの馬鹿が捨てたのだ」

「ほう?聖女を召喚しておいて捨てるとは、面白いことをなさいますね」

「ちんちくりんだと言われて捨てられたそうだ」

 魔王!楽しそうに言わないで!ちっとも楽しくなんかないわよ。

「どこがちんちくりんなのです?」

「髪を束ねて、分厚い眼鏡をかけていた。その偽りの姿に騙されたのだろう」

「なるほど。相変わらず、愚かな方ですね」

 妙に納得したように、白髪の魔族の人は笑いました。愚か。確かに、あの王子お馬鹿っぽかったわ。

「それで、聖女様のお名前は?」

「ああ。そういえば聞いてないな」

「陛下・・・もしや名乗ってもいないのですか?」

「うん?いや、魔王とは言ったぞ?」

 ええ。確かに魔王とは聞いたわ。それより、なんだか魔王がタジタジなんだけど?なに?あの魔族さん、魔王より強いの?

「全く。連れ帰るなら、名乗るくらいして下さい。聖女様、こちらは魔王陛下のハルト・アクアツィード様です。私は、魔王陛下の側近のリアンと申します」

「ご丁寧にどうも。私は、星野桜です」

「ホシノサクラ様ですか。どうも召喚される聖女様は変わったお名前の方が多いですね」

 それは仕方ないと思う。ヨーロッパあたりの人なら違和感ないかもだけど。

「サクラでいいです。星野は家名なんで。それであの、魔王様にも言ったんですけど、返還の指輪を貸して欲しいんです。私、元の世界に戻りたいんですけど」

「元の世界ですか。ですが、召喚の儀をされると、またこちらに来ることになりますよ」

「僕もそう言っただろう?」

「聞きましたけど。他の人とかが召喚されたりしないんですか?」

「無理ですね。サクラ様がお亡くなりになれば新しい聖女が誕生しますが」

 何それ?私が死なない限り、召喚の儀をされたらこっちに来ることになるってこと?

 大体、聖女ってなんなの?なんで、私がそんなのにならなきゃならないの?
 私、関係ないんだけど!魔王も聖女も王子も勝手にやっててよ!私を巻き込まないで!

「まぁ、説明してやるが、今日は疲れただろう?リアン。風呂に案内してやれ」

「そうですね。お着替えも用意しましょう。メイドを呼びますので、少々お待ちください」

 その後ー
メイドさんにお風呂へ連れて行かれ、3人かがりで髪やら背中やら、磨かれた。
 銭湯とか行ってたから、知らない人に裸見られてもアレだけど、洗われるのは恥ずかしかったわ。

 用意されていた着替えは、くるぶし丈のオレンジ色のワンピースだった。良かった。ドレスとか出されても着こなせない。

 私はメイドさんに連れられて、再び魔王様のところへ戻ることとなったー




感想 3

あなたにおすすめの小説

聖女解任ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はマリア、職業は大聖女。ダグラス王国の聖女のトップだ。そんな私にある日災難(婚約者)が災難(難癖を付け)を呼び、聖女を解任された。やった〜っ!悩み事が全て無くなったから、2度と聖女の職には戻らないわよっ!? 元聖女がやっと手に入れた自由を満喫するお話しです。

国外追放ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私は、セイラ・アズナブル。聖女候補として全寮制の聖女学園に通っています。1番成績が優秀なので、第1王子の婚約者です。けれど、突然婚約を破棄され学園を追い出され国外追放になりました。やった〜っ!!これで好きな事が出来るわ〜っ!! 隣国で夢だったオムライス屋はじめますっ!!そしたら何故か騎士達が常連になって!?精霊も現れ!? 何故かとっても幸せな日々になっちゃいます。

妹に裏切られた聖女は娼館で競りにかけられてハーレムに迎えられる~あれ? ハーレムの主人って妹が執心してた相手じゃね?~

サイコちゃん
恋愛
妹に裏切られたアナベルは聖女として娼館で競りにかけられていた。聖女に恨みがある男達は殺気立った様子で競り続ける。そんな中、謎の美青年が驚くべき値段でアナベルを身請けした。彼はアナベルをハーレムへ迎えると言い、船に乗せて隣国へと運んだ。そこで出会ったのは妹が執心してた隣国の王子――彼がこのハーレムの主人だったのだ。外交と称して、隣国の王子を落とそうとやってきた妹は彼の寵姫となった姉を見て、気も狂わんばかりに怒り散らす……それを見詰める王子の目に軽蔑の色が浮かんでいることに気付かぬまま――

そんなに聖女になりたいなら、譲ってあげますよ。私は疲れたので、やめさせてもらいます。

木山楽斗
恋愛
聖女であるシャルリナ・ラーファンは、その激務に嫌気が差していた。 朝早く起きて、日中必死に働いして、夜遅くに眠る。そんな大変な生活に、彼女は耐えられくなっていたのだ。 そんな彼女の元に、フェルムーナ・エルキアードという令嬢が訪ねて来た。彼女は、聖女になりたくて仕方ないらしい。 「そんなに聖女になりたいなら、譲ってあげると言っているんです」 「なっ……正気ですか?」 「正気ですよ」 最初は懐疑的だったフェルムーナを何とか説得して、シャルリナは無事に聖女をやめることができた。 こうして、自由の身になったシャルリナは、穏やかな生活を謳歌するのだった。 ※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。 ※下記の関連作品を読むと、より楽しめると思います。

婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。

三葉 空
恋愛
 ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……

元・聖女ですが、旦那様の言動が謎すぎて毎日が試練です

おてんば松尾
恋愛
かつて“奇跡の聖女”と呼ばれたステファニー・シュタインは、光の魔力で人々を癒す使命を背負い、王命によって公爵レイモンドと政略結婚を果たす。だが、奉仕の日々に心はすり減り、愛なき結婚生活はすれ違いの連続だった。 彼女は忘れられた灯台で不思議な灯台守と出会う。彼の魔法によって、ステファニーは聖女としての力と記憶を失うことを選ぶ。過去も夫も忘れた彼女は、まるで別人のように新しい人生を歩み始めるが―― 他サイトで完結している作品を上げます。 よろしければお読みください。

聖女の任期終了後、婚活を始めてみたら六歳の可愛い男児が立候補してきた!

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
23歳のメルリラは、聖女の任期を終えたばかり。結婚適齢期を少し過ぎた彼女は、幸せな結婚を夢見て婚活に励むが、なかなか相手が見つからない。原因は「元聖女」という肩書にあった。聖女を務めた女性は慣例として専属聖騎士と結婚することが多く、メルリラもまた、かつての専属聖騎士フェイビアンと結ばれるものと世間から思われているのだ。しかし、メルリラとフェイビアンは口げんかが絶えない関係で、恋愛感情など皆無。彼を結婚相手として考えたことなどなかった。それでも世間の誤解は解けず、婚活は難航する。そんなある日、聖女を辞めて半年が経った頃、メルリラの婚活を知った公爵子息ハリソン(6歳)がやって来て――。

現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。

和泉鷹央
恋愛
 聖女は十年しか生きられない。  この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。  それは期間満了後に始まる約束だったけど――  一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。  二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。  ライラはこの契約を承諾する。  十年後。  あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。  そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。  こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。  そう思い、ライラは聖女をやめることにした。  他の投稿サイトでも掲載しています。