7 / 57
攻略対象者その2
しおりを挟む
「リアナ、まだ病み上がりなのだから気をつけるんだよ」
私の頬に手を添えながら、シオンが微笑む。
女子生徒の声にならない黄色い悲鳴が教室に響いた。
分かるよ、うん。
分かるんだけど、相手が違うと言いたい。その微笑みはヒロインであるフローラに向けるものだから!
「お兄様、大丈夫ですわ」
「ソル、リアナから離れるなよ」
「承知しました」
過保護過ぎない?というか、ソルって1歳年上よね?どうして同じ教室にいるの?
シオンが自分の教室に戻ったあと、当然のように隣の席に座るソルに、疑問をぶつけてみる。
「ソルって年上よね?どうして同じ教室にいるの?」
「護衛が別の教室にいたのでは意味がないでしょう」
いや、そんな当たり前のことのように言われても。
うーん、本来ソルが出てくるのって来年だから、ソルと一緒に授業受ける設定とか作ってなかったはずなんだけど。
花乙ってフローラ目線だからなぁ。
リアナって嫌がらせする時しか出てこないし。
シオンってフローラと友達って言ってたけど、来年、卒業したら婚約するんだよね?
そういや、どうして倒れた時にフローラが医務室に来たんだろ。フローラに関わるのって、婚約してからだったはずじゃなかったっけ。
ゲーム設定との相違に頭を悩ませていた私は、ソルがジッと私を見ていたことなど、全く気づかなかった。
「リアナ様!」
学園での昼食は、全生徒がカフェテリアで取るというので、ソルと早めに向かうと、入口を入った途端にフローラから抱きつかれた。
フローラ、相変わらず凶器な胸をお持ちで。胸に圧迫されて、息が・・・
「ダイアンサス伯爵令嬢、リアナ様が窒息します。離れて下さい」
ソルの冷ややかな声が聞こえて、グイッと引き寄せられた。そのままソルの胸にもたれかかってしまう。
「ひゃっ・・・」
「リアナ様?」
「な、なんでもない」
思ってたよりしっかりした胸板に、男の人なんだなぁなんて思ったなんて。
いやいやいやいや、彼、暗殺者だから!私、彼に瞬殺されちゃうから!
「リアナ様、ごめんなさい。お会いできて嬉しくて」
「入口で何をしてるんだい?僕の可愛いリアナ」
謝ってくれるフローラの後ろから、シオンの声が聞こえる。
ソルの胸から急いで離れて入口を見ると、シオンと、少し長めの髪を一纏めにした背の高い青年が立っていた。
攻略対象者ハロルド・サンセット。宰相であるサンセット公爵の嫡男で、シオンの側近になる青年。
「へぇ。君がシオンのお気に入りのお姫様か。確かに可愛いね」
ハロルドの言葉に、私は目を丸くした。ハロルド、何言ってるの?シオンのお気に入りはフローラでしょう?
「リアナ、一緒に食事をしよう」
シオンが私をエスコートするべく手を差し出してくるけど、私はその手を取ったりはしない。
「お兄様、この場合は私ではなくフローラ様をエスコートなさるべきでは?」
「リアナ様、私は構いませんわ」
「では、僕が姫君をエスコートさせていただこう」
ハロルドが手を差し出してくる。
えーと、どうなってるの?ハロルドもフローラ推しのはずでしょう?
だけど、ここで手を取らないわけにはいかない。恥をかかせてしまうものね。
私はおずおずとハロルドの手を取った。シオンが何故か不本意そうにフローラをエスコートしているけど、意味がわからないわ。何でそんなに不満そうなの?
大体、私は攻略対象者と距離を置きたいのに!異母兄であるシオンと護衛になったソルは諦めるとして、その他の方々、私に近づいてこないで!
私の頬に手を添えながら、シオンが微笑む。
女子生徒の声にならない黄色い悲鳴が教室に響いた。
分かるよ、うん。
分かるんだけど、相手が違うと言いたい。その微笑みはヒロインであるフローラに向けるものだから!
「お兄様、大丈夫ですわ」
「ソル、リアナから離れるなよ」
「承知しました」
過保護過ぎない?というか、ソルって1歳年上よね?どうして同じ教室にいるの?
シオンが自分の教室に戻ったあと、当然のように隣の席に座るソルに、疑問をぶつけてみる。
「ソルって年上よね?どうして同じ教室にいるの?」
「護衛が別の教室にいたのでは意味がないでしょう」
いや、そんな当たり前のことのように言われても。
うーん、本来ソルが出てくるのって来年だから、ソルと一緒に授業受ける設定とか作ってなかったはずなんだけど。
花乙ってフローラ目線だからなぁ。
リアナって嫌がらせする時しか出てこないし。
シオンってフローラと友達って言ってたけど、来年、卒業したら婚約するんだよね?
そういや、どうして倒れた時にフローラが医務室に来たんだろ。フローラに関わるのって、婚約してからだったはずじゃなかったっけ。
ゲーム設定との相違に頭を悩ませていた私は、ソルがジッと私を見ていたことなど、全く気づかなかった。
「リアナ様!」
学園での昼食は、全生徒がカフェテリアで取るというので、ソルと早めに向かうと、入口を入った途端にフローラから抱きつかれた。
フローラ、相変わらず凶器な胸をお持ちで。胸に圧迫されて、息が・・・
「ダイアンサス伯爵令嬢、リアナ様が窒息します。離れて下さい」
ソルの冷ややかな声が聞こえて、グイッと引き寄せられた。そのままソルの胸にもたれかかってしまう。
「ひゃっ・・・」
「リアナ様?」
「な、なんでもない」
思ってたよりしっかりした胸板に、男の人なんだなぁなんて思ったなんて。
いやいやいやいや、彼、暗殺者だから!私、彼に瞬殺されちゃうから!
「リアナ様、ごめんなさい。お会いできて嬉しくて」
「入口で何をしてるんだい?僕の可愛いリアナ」
謝ってくれるフローラの後ろから、シオンの声が聞こえる。
ソルの胸から急いで離れて入口を見ると、シオンと、少し長めの髪を一纏めにした背の高い青年が立っていた。
攻略対象者ハロルド・サンセット。宰相であるサンセット公爵の嫡男で、シオンの側近になる青年。
「へぇ。君がシオンのお気に入りのお姫様か。確かに可愛いね」
ハロルドの言葉に、私は目を丸くした。ハロルド、何言ってるの?シオンのお気に入りはフローラでしょう?
「リアナ、一緒に食事をしよう」
シオンが私をエスコートするべく手を差し出してくるけど、私はその手を取ったりはしない。
「お兄様、この場合は私ではなくフローラ様をエスコートなさるべきでは?」
「リアナ様、私は構いませんわ」
「では、僕が姫君をエスコートさせていただこう」
ハロルドが手を差し出してくる。
えーと、どうなってるの?ハロルドもフローラ推しのはずでしょう?
だけど、ここで手を取らないわけにはいかない。恥をかかせてしまうものね。
私はおずおずとハロルドの手を取った。シオンが何故か不本意そうにフローラをエスコートしているけど、意味がわからないわ。何でそんなに不満そうなの?
大体、私は攻略対象者と距離を置きたいのに!異母兄であるシオンと護衛になったソルは諦めるとして、その他の方々、私に近づいてこないで!
126
あなたにおすすめの小説
転生した元悪役令嬢は地味な人生を望んでいる
花見 有
恋愛
前世、悪役令嬢だったカーラはその罪を償う為、処刑され人生を終えた。転生して中流貴族家の令嬢として生まれ変わったカーラは、今度は地味で穏やかな人生を過ごそうと思っているのに、そんなカーラの元に自国の王子、アーロンのお妃候補の話が来てしまった。
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
最愛の婚約者に婚約破棄されたある侯爵令嬢はその想いを大切にするために自主的に修道院へ入ります。
ひよこ麺
恋愛
ある国で、あるひとりの侯爵令嬢ヨハンナが婚約破棄された。
ヨハンナは他の誰よりも婚約者のパーシヴァルを愛していた。だから彼女はその想いを抱えたまま修道院へ入ってしまうが、元婚約者を誑かした女は悲惨な末路を辿り、元婚約者も……
※この作品には残酷な表現とホラーっぽい遠回しなヤンデレが多分に含まれます。苦手な方はご注意ください。
また、一応転生者も出ます。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
どうしてあなたが後悔するのですか?~私はあなたを覚えていませんから~
クロユキ
恋愛
公爵家の家系に生まれたジェシカは一人娘でもあり我が儘に育ちなんでも思い通りに成らないと気がすまない性格だがそんな彼女をイヤだと言う者は居なかった。彼氏を作るにも慎重に選び一人の男性に目を向けた。
同じ公爵家の男性グレスには婚約を約束をした伯爵家の娘シャーロットがいた。
ジェシカはグレスに強制にシャーロットと婚約破棄を言うがしっこいと追い返されてしまう毎日、それでも諦めないジェシカは貴族で集まった披露宴でもグレスに迫りベランダに出ていたグレスとシャーロットを見つけ寄り添う二人を引き離そうとグレスの手を握った時グレスは手を払い退けジェシカは体ごと手摺をすり抜け落下した…
誤字脱字がありますが気にしないと言っていただけたら幸いです…更新は不定期ですがよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる