26 / 57
好きだということ《フローラ視点》
しおりを挟む
「フローラは誰かと婚約する予定あるのか?」
リアナ様のお見舞いに訪れた私を捕まえたシオン様が、訳の分からないことを言い出した。
いくら友人といえど、失礼な物言いではないだろうか。
「いきなりなんですか?」
「いや、フローラに相手がいないなら、卒業と同時に僕と婚約しないか?」
乙女ゲーム『花乙』では、聖女となったヒロインは王太子と婚約する。だけど、私が聖女になってるのはまだ秘密だし、私は全然王太子である彼を攻略もしてないんだけど。
大体、彼は私に全く興味がない。私もないけど。
なのにいきなりなんでそんな話になったのだろう?
「あと・・・フローラはリアナがソルのことを好きだと思うか?」
「私はリアナ様ではありませんから、絶対そうだとは言えませんが」
「フローラの観点でいい」
「リアナ様はシオン様のことをお好きなのと同じように、ソル様のこともお好きなように見えます。特別かどうかは分かりませんが。それで、それがどうしたのです?」
私がそう言うと、シオン様は少し考え込んだ。うーん、乙女ゲームの中ではリアナ様がソル様とくっつくなんて展開はないけど。でも、リアナ様は乙女ゲームの中の悪役令嬢じゃない。
それに、ヒロインのフローラ・ダイアンサスもヒロインとして生きてないし。
リリー嬢はこの世界を乙女ゲームの中だと言ってたけど、私はこの世界は『花乙』によく似た世界でしかないと思っている。
だって、シオンもリアナもソルも、そしてフローラも、自分の意思で動いているもの。
「リアナがソルを好きなら、婚約させようと思ってる」
「・・・なんとなくわかりました。ソル様と結婚するなら、このまま王宮で暮らすことが出来るから、手放さなくていいと思っていますね?」
シオン様はリアナ様のことをとてもとてもお好きだから。
図星だったようで、シオン様はそっぽを向かれた。
私を婚約者にと言うのは、王宮にリアナ様を残した場合、シオン様の婚約者と揉めたりしないようにと考えたのね。
私なら、リアナ様のことを大好きだから、いじめたりしないだろうと。
私は伯爵家の娘だから、ぎりぎり王太子の婚約者にはなれる。まぁ、聖女だとバラしたら確定するけど。
シオン様は他のご令嬢には全然興味がないらしく、釣書はたくさんきているらしいけどお見合いすらしてないと聞いた。
王太子妃かぁ。シオン様にも王太子妃にも興味ないけど、シオン様と結婚したらリアナ様と姉妹になれるのよね。
しかも、ソル様と結婚して王宮に残ってくれたら、ずっと一緒にいられる。
それは、ものすごくいいわね。
「リアナ様がソル様をお好きで婚約されるなら、シオン様と婚約してもいいですよ」
「フローラは僕のことを好きってわけじゃないよな」
「ええ。私はリアナ様の側にいたいんです。でも、シオン様のこと嫌いではないですよ?友人としてなら好きです」
「僕もリアナを手放したくない。それに、フローラのそのはっきりしたところは好感を持っているよ」
なら、これは契約だ。
一番大好きな、大切なものは手に入れることはできないけど、側でずっと見守っていくことは出来る。
そのためなら、聖女だろうが王太子妃だろうが、何にだってなってみせる!
リアナ様のお見舞いに訪れた私を捕まえたシオン様が、訳の分からないことを言い出した。
いくら友人といえど、失礼な物言いではないだろうか。
「いきなりなんですか?」
「いや、フローラに相手がいないなら、卒業と同時に僕と婚約しないか?」
乙女ゲーム『花乙』では、聖女となったヒロインは王太子と婚約する。だけど、私が聖女になってるのはまだ秘密だし、私は全然王太子である彼を攻略もしてないんだけど。
大体、彼は私に全く興味がない。私もないけど。
なのにいきなりなんでそんな話になったのだろう?
「あと・・・フローラはリアナがソルのことを好きだと思うか?」
「私はリアナ様ではありませんから、絶対そうだとは言えませんが」
「フローラの観点でいい」
「リアナ様はシオン様のことをお好きなのと同じように、ソル様のこともお好きなように見えます。特別かどうかは分かりませんが。それで、それがどうしたのです?」
私がそう言うと、シオン様は少し考え込んだ。うーん、乙女ゲームの中ではリアナ様がソル様とくっつくなんて展開はないけど。でも、リアナ様は乙女ゲームの中の悪役令嬢じゃない。
それに、ヒロインのフローラ・ダイアンサスもヒロインとして生きてないし。
リリー嬢はこの世界を乙女ゲームの中だと言ってたけど、私はこの世界は『花乙』によく似た世界でしかないと思っている。
だって、シオンもリアナもソルも、そしてフローラも、自分の意思で動いているもの。
「リアナがソルを好きなら、婚約させようと思ってる」
「・・・なんとなくわかりました。ソル様と結婚するなら、このまま王宮で暮らすことが出来るから、手放さなくていいと思っていますね?」
シオン様はリアナ様のことをとてもとてもお好きだから。
図星だったようで、シオン様はそっぽを向かれた。
私を婚約者にと言うのは、王宮にリアナ様を残した場合、シオン様の婚約者と揉めたりしないようにと考えたのね。
私なら、リアナ様のことを大好きだから、いじめたりしないだろうと。
私は伯爵家の娘だから、ぎりぎり王太子の婚約者にはなれる。まぁ、聖女だとバラしたら確定するけど。
シオン様は他のご令嬢には全然興味がないらしく、釣書はたくさんきているらしいけどお見合いすらしてないと聞いた。
王太子妃かぁ。シオン様にも王太子妃にも興味ないけど、シオン様と結婚したらリアナ様と姉妹になれるのよね。
しかも、ソル様と結婚して王宮に残ってくれたら、ずっと一緒にいられる。
それは、ものすごくいいわね。
「リアナ様がソル様をお好きで婚約されるなら、シオン様と婚約してもいいですよ」
「フローラは僕のことを好きってわけじゃないよな」
「ええ。私はリアナ様の側にいたいんです。でも、シオン様のこと嫌いではないですよ?友人としてなら好きです」
「僕もリアナを手放したくない。それに、フローラのそのはっきりしたところは好感を持っているよ」
なら、これは契約だ。
一番大好きな、大切なものは手に入れることはできないけど、側でずっと見守っていくことは出来る。
そのためなら、聖女だろうが王太子妃だろうが、何にだってなってみせる!
114
あなたにおすすめの小説
転生した元悪役令嬢は地味な人生を望んでいる
花見 有
恋愛
前世、悪役令嬢だったカーラはその罪を償う為、処刑され人生を終えた。転生して中流貴族家の令嬢として生まれ変わったカーラは、今度は地味で穏やかな人生を過ごそうと思っているのに、そんなカーラの元に自国の王子、アーロンのお妃候補の話が来てしまった。
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
最愛の婚約者に婚約破棄されたある侯爵令嬢はその想いを大切にするために自主的に修道院へ入ります。
ひよこ麺
恋愛
ある国で、あるひとりの侯爵令嬢ヨハンナが婚約破棄された。
ヨハンナは他の誰よりも婚約者のパーシヴァルを愛していた。だから彼女はその想いを抱えたまま修道院へ入ってしまうが、元婚約者を誑かした女は悲惨な末路を辿り、元婚約者も……
※この作品には残酷な表現とホラーっぽい遠回しなヤンデレが多分に含まれます。苦手な方はご注意ください。
また、一応転生者も出ます。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
どうしてあなたが後悔するのですか?~私はあなたを覚えていませんから~
クロユキ
恋愛
公爵家の家系に生まれたジェシカは一人娘でもあり我が儘に育ちなんでも思い通りに成らないと気がすまない性格だがそんな彼女をイヤだと言う者は居なかった。彼氏を作るにも慎重に選び一人の男性に目を向けた。
同じ公爵家の男性グレスには婚約を約束をした伯爵家の娘シャーロットがいた。
ジェシカはグレスに強制にシャーロットと婚約破棄を言うがしっこいと追い返されてしまう毎日、それでも諦めないジェシカは貴族で集まった披露宴でもグレスに迫りベランダに出ていたグレスとシャーロットを見つけ寄り添う二人を引き離そうとグレスの手を握った時グレスは手を払い退けジェシカは体ごと手摺をすり抜け落下した…
誤字脱字がありますが気にしないと言っていただけたら幸いです…更新は不定期ですがよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる