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上から目線なヤツは嫌い

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「・・・聞く、から、準備してくれ」

 パパ魔王様が苦渋の決断をしたって表情してるけど、そんな顔するなら聞かなきゃ良いのに。

 別に、あの国に行かなきゃ二度と会うこともないと思うんだけどな。

「あのね、あの国に行かなきゃ二度と会わないと思うよ?無理に聞かなくてもいいんじゃないの?」

「いや、国交はないが、相手は王族だったんだろう?もしどこかで会って、シアンに何かあったら困る。敵は知っておかなければな」

 え?敵なの?
うーん。まぁ私も、上から目線の人は嫌いだけど。

 というわけで、ザギの発明品のとうちょうきとやらであの子供の声を聞くことになった。

「ちょっと遠いから・・・僕の魔力を多めに流して・・・と」

『・・・ボソボソボソ・・・』

「音量が小さいな。もうちょっと大きめに・・・」

『ぅるさい!うるさい!うるさーいっ!』

 突然、大きな声が聞こえて来て、私はびっくりしてパパ魔王様に抱きついた。

「ごめん、姫様。音量調整が・・・」

「大丈夫、びっくりしただけだから。この声、あの時の男の子の声だね」

 大音量で聞こえて来たのは、あの時私に文句を言って来た子供の声だ。

 この子、癇癪持ちなのかな?

『しかし、セント様・・・』

『うるさいと言ってるだろっ!出てけっ!』

 バタン!ガチャガチャ!

『・・・はぁ』

「これ、あの時の護衛さんだ。飴くれたんだよ」

 護衛さんの片方が、殿下がすいませんって、お店で飴を買ってくれた。

「アザレア王国・・・王子でセント・・・」

メフィストがブツブツ言っているので、抱き上げようとするパパ魔王様の腕をペシペシ叩いて下ろしてもらうと、前に立ってメフィストを見上げる。

「メフィスト、知ってるの?」

「シアン様、お勉強したことを覚えていらっしゃいますか?人間のサザンウィンド王国の話です」

「うん。滅んだんだよね?百二十年前」

 アゼリアが王太子に言われてドラゴンを倒しちゃったことが発端で、滅んだんだよね。

 でもあれって、王太子が悪いと思う。
 アゼリアは権力者に言われた通りにしただけだもん。

 しかもあの男、ドラゴンを利用してアゼリアを殺そうとしてたんだよね。

 でも、滅んだ国がどう関わってくるの?

「アザレア王国の王族は、サザンウィンド王国の血を引いていると言われています」

「え?でも、滅んだって」

「サザンウィンド王国が滅んだ時代の王太子の子供が生きていて、アザレア王国の先代国王という噂です。事実かどうかは分かりませんが」

 滅んだ時代の王太子の子供?
それってあの王太子の子供ってこと?
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