虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

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二度目の人生

生かされる理由

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 レティーナを生かし続けている理由。
それは、レティーナが十六歳になるまでは支援金が送られてくるからだ。

 遠く離れた皇国の祖父母が、レティーナと会うことはない。
 だから、生きてさえすれば支援金が断ち切られることはない。

 そのお金は、あの父と父の再婚相手、そしてその娘が使っている。
 レティーナに使われるのは、使用人たちよりも劣る食事とわずかな衣装にだけだ。

 今日も私は、いつもと変わらぬ固いパンを食べながら、日記を読んでいた。

 日記から読み解くに、レティーナの現在の年齢は十歳。
 見た目がそれよりも幼く見えるのは、体の成長ができていないからだろう。

 レティーナの日記にも、それが書かれていた。

 このまま十六歳を迎えたら、今度はどこかの貴族に売り飛ばされるのだろうか、と。

 そして売り飛ばすにしても、もう少し女性らしい体にしておかないと売れないのではないか、と。

 大体、レティーナは教育を受けていない。

 この世界で学園に通うことが義務なのかどうかはわからないが、今のままでは貴族の令嬢としてどこかに嫁がせるのは無理だろう。

「娼婦として売るつもり?」

 思わず声に出た。
娼婦なら教養など必要ない。しかもレティーナは純潔だ。

 レティーナは、もう全てを諦めている。

 最初の頃こそ、あの父親に、遠い地にいる祖父母に助けを求めていた。

「お父様、どうか目を覚まして」と。

「お爺さま、お婆さま、助けて」と。

 それが一年たち、二年経ち、その言葉は消え失せ、今では助けを求める言葉は全くなくなった。

 今あるのは「お母様に会いたい」「お母様のところへ行きたい」そればかりだ。

 レティーナは生きることを諦めたみたいだけど、私は違う。

 たとえ娼館に売られたとしても、生きて生きて生き抜いてやる。

 前回の私は、夫にお金目当てで殺された。
 実行犯は侍女のラナだったけど、彼女を脅し、私を殺させたのは夫だ。

 あの時は、不意をつかれ刺されたことで死を受け入れるしかなかったけど、刺されていなかったら、火傷を負ったとしても脱出しようとしたわ。

 生きていなければ、何も成すことはできない。

 どんなに地獄だと思っても、生きていれば何か変わるかもしれない。

 私だって、苦しいのも辛いのも嫌だ。
どうして実の親に・・・こんなに愛されないのかって、辛くて仕方ない。

 脳裏に、礼奈の首を絞めたお母さんの姿が浮かぶ。

 ずっと愛してくれていて、それでも愛しているからこそ疲れてしまったお母さんとは違う。

 あの男は、ただ髪色と瞳の色が違うという、そんなつまらないことで、私もそれからお母様も愛そうとしなかったんだ。

 そんな男、父親でもなんでもない。


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