虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

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二度目の人生

できること、したいこと

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 刺繍は、なかなかに手強いデザインだった。

 これ、完成して王子にあげるのはいいけど、うまくいった後にまた作ってと言われたらどうするの?

 婚約者時代はいいだろう。私にやらせれば良い。
 だけど、見染められて王子妃になったら?
 他人に作らせていたのがバレたら、まずくない?

 まぁ、いいか。私がそんなことまで気にしてやらなくても。

 蒼色の宝玉を護る金と銀の龍。
これって、国章よね。

 最近は、新聞を読めているから分かる。

 王子の紋章を刺繍するのかと思ったんだけど。

 真っ白なハンカチは、念の為に三枚用意されている。

 上手くできたら、ついでに王子の紋章のも刺してみようかな。

 あとは・・・妹のイニシャルを入れるのもいいかも。

 私は別に、妹が王子とうまくいこうがどうなろうが、どうでもいい。

 私には関係ない話だ。
まぁ、あの王子のおかげで新聞や本も読めるようになったし、こうやって刺繍も出来る。

 料理もこの刺繍がちゃんと出来て、また次に頼まれることがあったら、交換条件にしようと思ってる。

 なら、少なくとも婚約者になるくらいまでは上手くいってくれた方がいいかもしれない。

 あの妹が、王子妃になれるほどなのかは知らない。

 確か、王太子はすでに婚約者がいるって新聞に載っていたから、妹の相手は第二王子なんだと思う。

 元々が男爵家で、結婚により伯爵家になったこの家の娘が、王族に嫁ぐって可能なのかしら?

 ああ、でも臣籍降下することは決まっているらしいから、ギリギリいけるのかな。

 どっちでもいいか。
しばらく考えていたけど、私は思考をやめて刺繍に集中することにした。

 礼奈の時から刺繍とか裁縫とか、大好きだった。

 病気になるまでは、自分の小物に刺繍したり、パッチワークで作ったりしていた。
 いつかそんな仕事に就けたらと思いながら。

 レティーナになって、夫に愛されていない侯爵夫人となった時、それならと自分の好きな刺繍を楽しむことにした。

 今回は、何も楽しみがない。
そう思っていたのに、一番の趣味と向き合える。

 期間は一週間と言われていたけど、元々がやり慣れていたことだ。

 最初は手袋を履いていることや、今回のレティーナの手が小さいことで、手間取ったけど、それもすぐに慣れた。

 手休めには、二枚目のデザインを考えたりしながら、期日の一週間後には、国章の刺繍をしたハンカチと、剣と鷲の王子の紋章入りのハンカチが完成した。

 このまま・・・
刺繍を、続けさせてくれないかな。
 交換条件、料理じゃなくて刺繍にしようかな。
 
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