虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

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三度目の人生

幸せな目覚め

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「・・・んっ」

 ゆっくりと意識が浮上する。
ああ。今度はどうなってるのかしら?

「お嬢様?ああッ!お嬢様がお目覚めに!誰かッ!旦那様と奥様をお呼びしてッ!」

 私の手を握っていてくれた誰かが、声を上げる。

 手・・・
今回は、手を握ってくれる人がいるのね。

 目を開けると、ベッドの天蓋と、心配そうに私を覗き込む侍女の顔が見えた。

「お嬢様!お目覚めになられて安心しました。どこか、痛いところなどはございませんか?」

「シャロン!レティーナが目覚めたというのは本当・・・レティーナっ!」

 バタバタと足音がしたと思ったら、三十代半ばと思える男女が部屋に入って来た。

「レティーナ!レティーナ!目覚めて良かった!」

「わたくしたちの可愛いレティーナちゃん。貴女に何かあったら、わたくしたちは生きていけないわ」

 そう言いながら、侍女から私の手を取って、涙してくれるこの人たちは・・・

「お、父様?お母・・・様?」

「どうした?レティーナ。どこか痛いのか?苦しいのか?」

「大変!お医者様をすぐにお呼びして!」

 私、こんなに愛されてるの?
どうしてベッドで眠っていたのか、目覚めをこんなに喜ばれているのかわからないけど、前回みたいに虐げられたりしていない。

 家族も侍女も、私のことをとても愛してくれている。

 お嬢様って呼ばれてるし、両親と住んでるということは、結婚しているわけでもなさそう。

 今度こそ、幸せになれるんじゃないかしら。

「うーん、一過性の記憶喪失ではないでしょうか」

 あの後、お医者様が呼ばれ診察を受けた。

 どうやら、出先で体調を崩して、家に戻って来た途端に倒れたらしい。
 そして三日間、目覚めなかった、ということだ。

 体調を聞かれた私は、ここがどこなのか、自分が誰なのか分からない、と答えた。

 記憶喪失のフリである。
両親や使用人との関係も良好っぽいから、早々に伝えたほうが無難だと判断したのだ。

 結果。

「ああ!可愛いうちのレティーナが、我々のことを忘れてしまうなんて!」

「先生ッ!娘の記憶は、戻りませんの?」

「突然戻ることもありますし、このまま戻らないこともあります。ですが、あまり記憶記憶と戻すことをお嬢様に押し付けてはなりません。人の脳とはとても複雑なのです。自然に思い出すのを待つようになさって下さい」

 両親がしっかりと頷き、私の記憶喪失は受け入れられたのだった。
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