虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

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三度目の人生

婚約者?

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「レティーナ!三日も王太子妃教育を休むとは何事だ!」

 王妃殿下に話をするために、お母様と王宮を訪れていた私は、廊下でいきなり後ろから怒鳴りつけられた。

 なに、コイツ。

 淑女らしからぬ言葉が、喉元まで出て来たのは、やむ得ないと思う。

「聞いているのか!レティーナ」

「アズリルさまぁ。そんな風に言ったらかわいそうですよぉ。きっとレティーナ様はお勉強のしすぎで、ぼーっとしちゃってるんですよぉ」

 勉強を全くしてなくても、貴女の頭はぼーっとしてそうだけどね。

 私は、目の前にいる男女が誰なのかは、知らない。

 だけど、言ってる内容と名前から考えるに、彼はレティーナの婚約者の王太子。

 そして、その婚約者の腕にべったりくっついているのは・・・愛人と言うべきか、恋人と言うべきか。

 乙女ゲーム風に言うのなら、真実の愛の相手?

 先ほどの、王妃殿下との話が頭に浮かぶ。

 お母様は、私が記憶を失っていることを王妃殿下に告げた。
 そして、そのことを全面に押し出して、婚約の解消を求めた。

「全てを忘れてしまったことは、きっとそうするべきだという神のお導きです。娘は忘れたいほど傷ついていたのかもしれない」

 私はお母様の言っている意味が、今理解できた。

 婚約者を怒鳴りつけ、傍らに他の女を侍らすクズのことを言っていたのね。

 だけど、王妃殿下は婚約解消を認めて下さらなかった。

 王家には、もうひとり王子殿下がいる。
側妃殿下の産まれた第二王子殿下。

 実は王妃殿下は子爵家のご令嬢で、本当なら王家に嫁ぐことすら叶わない方だった。

 だけど国王陛下は、王妃殿下にとてもご執心で、無理を押し通してしまったのだ。

 その、無理の余波を受けたのが側妃殿下。
 国王陛下の本当の婚約者の公爵令嬢が側妃となり、ろくに公務も出来ない王妃殿下をサポートされているのだ。

 そして、一応正妃の子供ということで、王太子となったアズリルよりも優秀だと噂の、第二王子。

 息子の地位を堅固にするためには、私という人身御供を逃すわけにはいかない、ということだろう。

 もしかしたら、自分と側妃殿下のように、愛する者同士の結ばれた後始末を私にさせるつもりなのかもしれない。

 私は目の前の婚約者だという男の顔を見た。

 まぁ、顔は整っている方だろう。
王妃殿下も身分と教養はともかく、容姿は優れた方で、国王陛下も身分と容姿は優れた方だから。

 だけど私に言わせたら、バカ丸出しの話し方をする女を腕にぶら下げている時点で、容姿のプラス分は大きく振り切ってマイナスだ。

 だから、にっこりと笑ってカーテシーをした。

「どなたが存じませんが、私にご用ですか?」

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