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三度目の人生
変わること、変わらないこと
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「キャス。本当に素敵だ」
感極まった殿下の言葉に、私とお母様は顔を見合わせて、ふふっと微笑った。
明日はついに夜会を迎える。
仕上がってきたドレスをキャス様に合わせていた時、殿下が訪れたのだ。
金髪碧眼のアズリル殿下に合わせて、キャス様のドレスは澄んだ青空のような青。
金糸の刺繍を裾に施してある。
キャス様は、平民に多い栗色の髪と瞳。
本当なら、お互いがお互いの色を纏うのが普通なんだけど、表面上は私の婚約者の殿下の衣装を栗色にするわけにはいかない。
そこで、今回は青色にしてもらった。
装飾を銀色や紅玉色にする、ということで。
もちろん夜会入場時には、それを外して、金の花飾りに変える。
キャス様とお揃いの。
対にするのではなく、お揃いという形にしたのは、殿下の衣装を前もってキャス様のお色に出来ないためだ。
入場だって、ロッテンマイヤー公爵家に与えられた休憩室で待っていてもらい、殿下に、私ではなくキャス様をエスコートして入場してもらうのだ。
殿下は、この夜会でのことを誰にも話していないと言った。
信頼している側近でも、正妃様や国王陛下から尋ねられれば、嘘をつくわけにはいかない。
だから、今回のことは、ロッテンマイヤー公爵家の人間と殿下、そしてキャス様だけが知っていることだ。
誰もが、婚約者である私と上手くいっていると思っている。
私は現在、記憶喪失を理由に王太子妃教育は休んで療養中だ。
そんな婚約者を気遣って、毎日訪れる王太子殿下。
そこを一気に夜会でひっくり返す。
「アズリル様。嬉しいです」
頬を染め、嬉しそうに微笑むキャス様は、語尾を伸ばしていただらしない話し方も、少し猫背気味の姿勢も、足音を立てて走るような歩き方も、この一週間で随分と改善された。
もちろん、筆頭公爵家の娘として育ったレティーナと比べれば差があるのは仕方ない。
それでも、平民の彼女が着飾り立つ姿は、貴族の令嬢に見える。
背筋を伸ばし、顔を上げ、常に笑顔で。その愛らしさと相まって、多くの人間がキャス様に目を奪われるだろう。
「ありがとう、レティーナ。元々キャスは愛らしかったが、こんなにも僕の隣に立つに相応しい人になった」
「キャス様が頑張られた結果ですわ。あとは殿下が、頑張って下されば。キャス様は、アズリル殿下のお妃様になれますわ」
「ああ!」
王太子妃ではないけれど。
それでも、アズリル殿下は国王陛下の寵愛する正妃様の子供。王籍剥奪まではいかないはず。
王子、王子妃として生きていけるわ。
ロッテンマイヤー公爵家も、そして王太子に立太子される第二王子殿下も、それを後押しする。
感極まった殿下の言葉に、私とお母様は顔を見合わせて、ふふっと微笑った。
明日はついに夜会を迎える。
仕上がってきたドレスをキャス様に合わせていた時、殿下が訪れたのだ。
金髪碧眼のアズリル殿下に合わせて、キャス様のドレスは澄んだ青空のような青。
金糸の刺繍を裾に施してある。
キャス様は、平民に多い栗色の髪と瞳。
本当なら、お互いがお互いの色を纏うのが普通なんだけど、表面上は私の婚約者の殿下の衣装を栗色にするわけにはいかない。
そこで、今回は青色にしてもらった。
装飾を銀色や紅玉色にする、ということで。
もちろん夜会入場時には、それを外して、金の花飾りに変える。
キャス様とお揃いの。
対にするのではなく、お揃いという形にしたのは、殿下の衣装を前もってキャス様のお色に出来ないためだ。
入場だって、ロッテンマイヤー公爵家に与えられた休憩室で待っていてもらい、殿下に、私ではなくキャス様をエスコートして入場してもらうのだ。
殿下は、この夜会でのことを誰にも話していないと言った。
信頼している側近でも、正妃様や国王陛下から尋ねられれば、嘘をつくわけにはいかない。
だから、今回のことは、ロッテンマイヤー公爵家の人間と殿下、そしてキャス様だけが知っていることだ。
誰もが、婚約者である私と上手くいっていると思っている。
私は現在、記憶喪失を理由に王太子妃教育は休んで療養中だ。
そんな婚約者を気遣って、毎日訪れる王太子殿下。
そこを一気に夜会でひっくり返す。
「アズリル様。嬉しいです」
頬を染め、嬉しそうに微笑むキャス様は、語尾を伸ばしていただらしない話し方も、少し猫背気味の姿勢も、足音を立てて走るような歩き方も、この一週間で随分と改善された。
もちろん、筆頭公爵家の娘として育ったレティーナと比べれば差があるのは仕方ない。
それでも、平民の彼女が着飾り立つ姿は、貴族の令嬢に見える。
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「キャス様が頑張られた結果ですわ。あとは殿下が、頑張って下されば。キャス様は、アズリル殿下のお妃様になれますわ」
「ああ!」
王太子妃ではないけれど。
それでも、アズリル殿下は国王陛下の寵愛する正妃様の子供。王籍剥奪まではいかないはず。
王子、王子妃として生きていけるわ。
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