虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

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やり直しの人生

出会いの理由

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「懐かしいな。あの頃と変わらない」

 東屋で発せられたアルフレッド国王陛下の言葉に、私は首を傾げた。

 私の反応に、陛下は少し残念そうな表情を浮かべる。

「覚えては、ないか。そうだな、まだ姫君は幼かったし、無理もないか」

「・・・申し訳ございません」

 レティーナは、この人と会ったことがあるんだ。
 
 私が頭を下げると、ラウルお兄様が慌てて私と陛下の間に立ち塞がった。

「陛下、レティーナは悪くありません。妹は、先日高熱を出して倒れ、五日ほど意識が戻らなかったのです。そして、目覚めた妹は・・・記憶を失っておりました」

「記憶を・・・」

「はい。父のことも母のことも、僕のことも・・・自分のことさえ何ひとつ・・・」

 苦痛そうな表情を浮かべて、それでも私を庇うように立つお兄様に、申し訳なさが募る。

 私は・・・
ラウルお兄様たちの知っているレティーナではないの。

 ごめんなさい。
私が転生しなければ、記憶喪失だなんて嘘をつかなければ、そんな表情をさせることはなかったのに。

「いや、怒ってなどいない。大体、姫君と出会ったのはまだ姫君が幼い頃だ。覚えていなくても当たり前だからな」

「私は陛下とお会いしたのは、いつ頃なのでしょうか」

「あれは五年ほど前だっただろうか?」

「そうですね。僕が十歳、レティーナが五歳の誕生日を迎える前だったと思います」

 陛下がお兄様に尋ねると、お兄様も頷きながら、私に向き直った。

「当時、王太子殿下だったアルフレッド様は静養のためにこの国を訪れておられたんだよ」

「いや、取り繕わなくてかまわない。当時のサウスクラウド王国には、王太子である俺を排除しようとする者たちがいた。いわゆるお家争いというやつだ。父とファンブルク国王陛下は学生時代の旧友というやつでね。卒業後は交友がなかったが、俺の避難先にファンブルク王国を選んだんだ」

 ああ。
むしろ交友がなかったからこそ、避難しているとバレないというわけね。

「王族派と、父の弟である公爵派の争いは五年続いた。証拠が掴めなかったというのもあるが、父は王弟である叔父に改心してもらいたかったらしい。それに、どちらも幸いにも国が荒れることを望まなかった。だから、決着に少々時間がかかったということだ」

「お父上様と、王弟殿下は」

「叔父一家は、王家の監獄に入っている。叔父には毒杯を賜ってもらったが、家族は生涯幽閉だ。他に被害が出なかったから、ギリギリそれで手を打つことが出来た。父が怪我を負ったが、命があったから出来た処罰でもある」

 当時の国王陛下を手にかけようとしたのだから、処刑は免れないだろう。
 それでも毒杯という形だったのは、大きな被害が出なかった証拠なのかもしれない。

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