虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

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やり直しの人生

それはテンプレな

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「レティーナ?どうした?体調が悪くなったり・・・」

 私が黙り込んで考え事を始めたせいか、ラウルお兄様が慌てて駆け寄って来た。
 アルフレッド陛下も、心配そうに見ている。

「あ、いえ、ごめんなさい。体調は大丈夫」

「だが」

「本当に平気です。ラウルお兄様、お兄様に婚約者の方っているのですか?」

「え?あ、ああ。レティーナは記憶がないから覚えていないんだったな。僕の婚約者は、クレスト公爵家の令嬢のリリアナだ。僕と同い年で、学園のクラスも同じだ」

 あ、やっぱり婚約者はいたのね。
王太子が十五歳で婚約者がいないわけはないと思ったけど。

 王太子の婚約者になれるのは、公爵家か侯爵家の令嬢だけだから、婚約者が公爵家の令嬢というのは納得だけど、何故お兄様は顔をしかめられているのかしら。

「どうして、そんなお顔をされていますの?」

「いや、リリアナとは十歳の時に婚約したんだが、最近学園でリリアナが下位貴族の令嬢をいじめているという噂があって・・・」

 は?なにそれ。
まるで乙女ゲームのテンプレじゃない。

 イジメられてるのはヒロインで、王太子の婚約者の高位貴族のご令嬢が悪役令嬢って?

 ばっかじゃないの?
何をもってしてイジメだと言ってるのか知らないけど、ちゃんと調べたのかしら?

「それで?お兄様は噂を信じていますの?」

「いや、そういうわけではないんだけど、実際リリアナがその男爵令嬢に何か言っていて令嬢が泣いていたのを見たことがあって」

 だからなんだというのかしら。
高位貴族の人間が下位貴族の言動を注意するのは、当たり前のことだわ。

 ええと、お兄様ってもしかしてダメンズなの?
 王太子よね?お兄様がこのまま国王になって、大丈夫なの?

 私は、よほどジト目になっていたのだろう。
 お兄様は慌てたように首を振った。

「リリアナのことは信じている。彼女は少々キツい物言いをすることがあるけど、清廉潔白な人間だ。だけど問題は、公爵令嬢である彼女を排除しようとしている者たちがいるということだ。ここ数日は忙しくて学園に通えてないから、心配なだけだよ」

 ああ。
疑ってて顔をしかめていたのじゃなくて、自分が側にいられないから心配で、ということなのね。

 良かったわ。お兄様が乙女ゲームのテンプレに引っかかるようなお馬鹿じゃなくて。

「なんだかその男爵令嬢とやらは、胡散臭いな。俺が訪問したせいで、婚約者のことは心配だろう。手を貸せることは何でも言ってくれ」

 私はレティーナと違って、アルフレッド陛下のことは何ひとつ知らないけれど、お兄様を気遣って手を貸そうと言ってくれるこの人に、好意を抱いた。

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