92 / 144
新たな舞台へ
魔法・・・教師?
しおりを挟む
「失礼します」
扉に軽いノックの後、王族付きの侍女が入室して来た。
「レティーナ様。魔法学教師のイヴァン様がいらっしゃいました」
「ありがとう。お通しして」
「かしこまりました」
王族付きの方々は、決して私を蔑んだりしない。
心の中まで見えるわけではないけれど、それでも表面上だけでも私をファンブルクの王女として、そしてアルフレッド陛下の婚約者として扱ってくれる。
身分の高い者が、低い者相手に低姿勢なのは正しくない。
傲慢に振る舞うのと、高潔であるのは別なの。
だからありがとうは伝えるけど、謙ったりしない。
私は王族だけど、相手の方には教えを請う身。
立ち上がって待つ。
身分が下の者だと頭を下げて待つし、女性ならカーテシーをするのだけど、王族の場合は相手が他国の王族の時くらいね。
入って来たのは・・・
白金に近い銀髪に、銀の瞳をした・・・子供?
私とほとんど変わらない年齢に見える少年は、とても整った容姿をしていた。
子供の見た目だから、ドレスとカツラを着けたら、ご令嬢と言っても分からないわ。
アルフレッド陛下もとても容姿の優れた方で美青年だけど、目の前の少年は精巧に作られた人形のよう。
あまりに綺麗すぎて、血が通ってる気がしないほど。
レティーナも綺麗な部類だと思ってたし、ラウルお兄様もリリアナ様もお綺麗だった。
でも、目の前の少年の美しさには敵わないわ。
神が造ったというのが正しいと思えるほどだもの。
ハッ!
こんなことを考えている場合ではないわ!
侍女は魔法学教師の方が見えたと言った。
つまりは、この少年が教師?
慌てて、でも慌てたのご分からないように、軽く頭を下げる。
王族である私が深々と頭を下げるのは、何かを謝罪する時か、アルフレッド陛下のように強者に対してだけ。
でも、教えを請う側だもの。
礼儀として、礼は尽くすべきだわ。
「ファンブルク王国第一王女、レティーナと申します」
「・・・僕はイヴァン。イヴァン・アストニア。ふーん。なるほど、ね」
「何か?ご教授」
含みを持したように、私を見るアストニア様に、薄く微笑って尋ねる。
小首を傾げて可愛いフリなんてしないわ。
それに、勝手に名前を呼んだりしない。
このサウスクラウド王国から見れば小国でも、私はファンブルク王国の王女だもの。
お父様やお母様、それにラウルお兄様とリリアナ様に恥をかかせるような真似はしないわ。
背を伸ばし、気高くあるように。
それでいて、アストニア様への敬意を示すの。
年が若いからって見下したりしないわ。
そんなの愚者のすることよ。
扉に軽いノックの後、王族付きの侍女が入室して来た。
「レティーナ様。魔法学教師のイヴァン様がいらっしゃいました」
「ありがとう。お通しして」
「かしこまりました」
王族付きの方々は、決して私を蔑んだりしない。
心の中まで見えるわけではないけれど、それでも表面上だけでも私をファンブルクの王女として、そしてアルフレッド陛下の婚約者として扱ってくれる。
身分の高い者が、低い者相手に低姿勢なのは正しくない。
傲慢に振る舞うのと、高潔であるのは別なの。
だからありがとうは伝えるけど、謙ったりしない。
私は王族だけど、相手の方には教えを請う身。
立ち上がって待つ。
身分が下の者だと頭を下げて待つし、女性ならカーテシーをするのだけど、王族の場合は相手が他国の王族の時くらいね。
入って来たのは・・・
白金に近い銀髪に、銀の瞳をした・・・子供?
私とほとんど変わらない年齢に見える少年は、とても整った容姿をしていた。
子供の見た目だから、ドレスとカツラを着けたら、ご令嬢と言っても分からないわ。
アルフレッド陛下もとても容姿の優れた方で美青年だけど、目の前の少年は精巧に作られた人形のよう。
あまりに綺麗すぎて、血が通ってる気がしないほど。
レティーナも綺麗な部類だと思ってたし、ラウルお兄様もリリアナ様もお綺麗だった。
でも、目の前の少年の美しさには敵わないわ。
神が造ったというのが正しいと思えるほどだもの。
ハッ!
こんなことを考えている場合ではないわ!
侍女は魔法学教師の方が見えたと言った。
つまりは、この少年が教師?
慌てて、でも慌てたのご分からないように、軽く頭を下げる。
王族である私が深々と頭を下げるのは、何かを謝罪する時か、アルフレッド陛下のように強者に対してだけ。
でも、教えを請う側だもの。
礼儀として、礼は尽くすべきだわ。
「ファンブルク王国第一王女、レティーナと申します」
「・・・僕はイヴァン。イヴァン・アストニア。ふーん。なるほど、ね」
「何か?ご教授」
含みを持したように、私を見るアストニア様に、薄く微笑って尋ねる。
小首を傾げて可愛いフリなんてしないわ。
それに、勝手に名前を呼んだりしない。
このサウスクラウド王国から見れば小国でも、私はファンブルク王国の王女だもの。
お父様やお母様、それにラウルお兄様とリリアナ様に恥をかかせるような真似はしないわ。
背を伸ばし、気高くあるように。
それでいて、アストニア様への敬意を示すの。
年が若いからって見下したりしないわ。
そんなの愚者のすることよ。
27
あなたにおすすめの小説
私の容姿は中の下だと、婚約者が話していたのを小耳に挟んでしまいました
山田ランチ
恋愛
想い合う二人のすれ違いラブストーリー。
※以前掲載しておりましたものを、加筆の為再投稿致しました。お読み下さっていた方は重複しますので、ご注意下さいませ。
コレット・ロシニョール 侯爵家令嬢。ジャンの双子の姉。
ジャン・ロシニョール 侯爵家嫡男。コレットの双子の弟。
トリスタン・デュボワ 公爵家嫡男。コレットの婚約者。
クレマン・ルゥセーブル・ジハァーウ、王太子。
シモン・グレンツェ 辺境伯家嫡男。コレットの従兄。
ルネ ロシニョール家の侍女でコレット付き。
シルヴィー・ペレス 子爵令嬢。
〈あらすじ〉
コレットは愛しの婚約者が自分の容姿について話しているのを聞いてしまう。このまま大好きな婚約者のそばにいれば疎まれてしまうと思ったコレットは、親類の領地へ向かう事に。そこで新しい商売を始めたコレットは、知らない間に国の重要人物になってしまう。そしてトリスタンにも女性の影が見え隠れして……。
ジレジレ、すれ違いラブストーリー
【完結】一番腹黒いのはだあれ?
やまぐちこはる
恋愛
■□■
貧しいコイント子爵家のソンドールは、貴族学院には進学せず、騎士学校に通って若くして正騎士となった有望株である。
三歳でコイント家に養子に来たソンドールの生家はパートルム公爵家。
しかし、関わりを持たずに生きてきたため、自分が公爵家生まれだったことなどすっかり忘れていた。
ある日、実の父がソンドールに会いに来て、自分の出自を改めて知り、勝手なことを言う実父に憤りながらも、生家の騒動に巻き込まれていく。
【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目の人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
【完結】身代わり皇妃は処刑を逃れたい
マロン株式
恋愛
「おまえは前提条件が悪すぎる。皇妃になる前に、離縁してくれ。」
新婚初夜に皇太子に告げられた言葉。
1度目の人生で聖女を害した罪により皇妃となった妹が処刑された。
2度目の人生は妹の代わりに私が皇妃候補として王宮へ行く事になった。
そんな中での離縁の申し出に喜ぶテリアだったがー…
別サイトにて、コミックアラカルト漫画原作大賞最終候補28作品ノミネート
絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので
ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。
しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。
異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。
異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。
公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。
『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。
更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。
だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。
ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。
モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて――
奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。
異世界、魔法のある世界です。
色々ゆるゆるです。
【完結】二度目の恋はもう諦めたくない。
たろ
恋愛
セレンは15歳の時に16歳のスティーブ・ロセスと結婚した。いわゆる政略的な結婚で、幼馴染でいつも喧嘩ばかりの二人は歩み寄りもなく一年で離縁した。
その一年間をなかったものにするため、お互い全く別のところへ移り住んだ。
スティーブはアルク国に留学してしまった。
セレンは国の文官の試験を受けて働くことになった。配属は何故か騎士団の事務員。
本人は全く気がついていないが騎士団員の間では
『可愛い子兎』と呼ばれ、何かと理由をつけては事務室にみんな足を運ぶこととなる。
そんな騎士団に入隊してきたのが、スティーブ。
お互い結婚していたことはなかったことにしようと、話すこともなく目も合わせないで過ごした。
本当はお互い好き合っているのに素直になれない二人。
そして、少しずつお互いの誤解が解けてもう一度……
始めの数話は幼い頃の出会い。
そして結婚1年間の話。
再会と続きます。
アンジェリーヌは一人じゃない
れもんぴーる
恋愛
義母からひどい扱いされても我慢をしているアンジェリーヌ。
メイドにも冷遇され、昔は仲が良かった婚約者にも冷たい態度をとられ居場所も逃げ場所もなくしていた。
そんな時、アルコール入りのチョコレートを口にしたアンジェリーヌの性格が激変した。
まるで別人になったように、言いたいことを言い、これまで自分に冷たかった家族や婚約者をこぎみよく切り捨てていく。
実は、アンジェリーヌの中にずっといた魂と入れ替わったのだ。
それはアンジェリーヌと一緒に生まれたが、この世に誕生できなかったアンジェリーヌの双子の魂だった。
新生アンジェリーヌはアンジェリーヌのため自由を求め、家を出る。
アンジェリーヌは満ち足りた生活を送り、愛する人にも出会うが、この身体は自分の物ではない。出来る事なら消えてしまった可哀そうな自分の半身に幸せになってもらいたい。でもそれは自分が消え、愛する人との別れの時。
果たしてアンジェリーヌの魂は戻ってくるのか。そしてその時もう一人の魂は・・・。
*タグに「平成の歌もあります」を追加しました。思っていたより歌に注目していただいたので(*´▽`*)
(なろうさま、カクヨムさまにも投稿予定です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる