虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

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最終章

パーティー開始

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「何であの女があんな素敵な人にエスコートされてるの!お父様ぁ、何か言ってやって!」

 入場する扉の向こうで聞こえてきた声に、黒い笑みを浮かべるのは、お父様にお母様、ラウルお兄様にリリアナお義姉様。

 すごく楽しそうね。
私が小さくため息を吐くと、隣のイヴァン様が顔を覗き込んできた。

「あの煩いの、消す?」

「ちょっと意味がわからないというか、怖いです」

 イヴァン様まで黒いわ。
ああ、でもこの人は以前から黒かったっけ。

 学園を休んでいる間に片付けるとおっしゃったお義姉様だけど、フロランス様は自分の目の前で家族が断罪されることを望んだ。

 それは多分、決別するための儀式のようなもの。

 だから、わかりやすく他の貴族にピスタス侯爵や夫人、チェリー様の罪を示すためにパーティーを開くことにしたのだ。

 王族主催のパーティーで問題行動をとれば、それだけで貴族としては終わる。

 そしてしばらく家に戻らず、学園も休んでいたフロランス様が、エスコートされてパーティーに入場したら、絶対にチェリー様は喚くだろうと確信があった。

 別に学園に通っても、侯爵家に戻っても良かったのだけど、とにかくパーティーの準備が忙しくて、王宮にいてくれる方が便利だったのよ。

 ドレスの採寸からオーダーメイドでの作成。
 パーティーに向けて、侍女たちによるエステに髪の手入れ。

 フロランス様は基礎としてダンスを学ばれてはいたけど、王宮でのパーティーで踊れるほどではなかったのと、との息を合わせるための練習。

 フロランス様のパートナーを誰にするのか悩んだ。

 イヴァン様にお願いしようと思ったら、ものすごい笑顔で「僕は君をエスコートしなきゃでしょ?婚約者なんだし」と言われた。

 確かにチェリー様対策で学園では婚約者としているけど、王宮のパーティーでまでその必要があるのかしら?

 あ。でも、チェリー様も来るわけだし、徹底しておくべきよね。

「大体、僕が他のご令嬢をエスコートしても良いわけ?」

 イヴァン様にそう言われて、フロランス様をエスコートするイヴァン様を想像してみた。

 何だか胸の奥がモヤっとした気がするけど、イヴァン様なら事情をご存知だから変な誤解を招かないと思ったのよ。

 でも、フロランス様からもご丁寧なご辞退をいただいた。

「そんなこと、恐ろしくて無理です」

 何が怖いのかしら?
イヴァン様は確かに優秀な魔法使いだけど、見境なく魔法を使ったりしないのに。

「・・・レティーナ様は、変わらずにいてくださいね」

 何だか生温かい目でみんなに見られている気がしたけど、とりあえず頷いておいた。
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