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最終章
ピスタス侯爵家
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「貴族院の派遣した影は、王家だからといって悪事を見逃したりしない。つまりは、いくら王女殿下がやったと嘘をついてもそれが虚言であることは明白」
お父様が手を上げると、衛兵たちがピスタス侯爵夫妻、いえもう爵位剥奪しましたから平民ですわね。
そしてチェリー様を引きずって行った。
チェリー様は最後まで「こんなのおかしい」とか「私は未来の侯爵夫人なのに」とか喚いていたけど、侯爵令嬢なのは「仮」でしたのよ。
正当な血筋でないチェリー様が侯爵夫人になれるとしたら、侯爵家に嫁ぐ以外に方法はなかったと結局理解しませんでしたのね。
ピスタス侯爵たちが退出したところで、フロランス様と顔を見合わす。
結局、侯爵たちがフロランス様に謝罪することはなく、最後は見ようとすらしなかった。
あんな勝手な親のせいで、フロランス様はずっと苦しい思いをしていた。
「フロランス様はこれからどうされるのですか?」
「はい。お祖父様が所持していらっしゃる伯爵位を継げるように、お祖父様のところへ参ります。学園からは遠いので、卒業までは寮に入りたいと思います」
ピスタス前侯爵様は、伯爵位もお持ちだったのね。
学園には、王都に屋敷を持たない貴族のために寮がある。
フロランス様と一緒に王宮で過ごすのは楽しかったけど、諸々が解決した今、フロランス様だけを特別扱いするわけにはいかない。
「そうですか。でもこれからフロランス様がお心を痛めることなく学園生活を送れるのなら、良かったです」
「はい。レティーナ様・・・ありがとうございます」
自身の父親を、ずっと暮らして来た侯爵家を、それらを失ってもフロランス様はとても優しく微笑まれた。
私は・・・
過去こんなふうに笑えていただろうか。
「クレスト公爵令息様も、アストニア様も、ありがとうございました」
「僕は別に何もしてない」
「僕もだね。むしろ素敵なご令嬢をエスコート出来て、こちらがお礼を言うべきかな」
イヴァン様とロイド様の声に、自分の思考に沈みそうだった意識が戻る。
お二人らしいお答えに、クスリと笑みがもれた。
ロイド様って、本当に紳士だわ。
「さ。フロランス様。着替えに向かいましょう」
ピスタス侯爵家の処遇が決まるまで、退出するわけにはいかなかったもの。
フロランス様のドレスの裾は、チェリー様にかけられたジュースで色が変わっている。
本当に、予想通りの行動をしてくれたわ。
わざわざ葡萄ジュースの色が映える白に近いピンク色のドレスにして正解ね。
お父様が手を上げると、衛兵たちがピスタス侯爵夫妻、いえもう爵位剥奪しましたから平民ですわね。
そしてチェリー様を引きずって行った。
チェリー様は最後まで「こんなのおかしい」とか「私は未来の侯爵夫人なのに」とか喚いていたけど、侯爵令嬢なのは「仮」でしたのよ。
正当な血筋でないチェリー様が侯爵夫人になれるとしたら、侯爵家に嫁ぐ以外に方法はなかったと結局理解しませんでしたのね。
ピスタス侯爵たちが退出したところで、フロランス様と顔を見合わす。
結局、侯爵たちがフロランス様に謝罪することはなく、最後は見ようとすらしなかった。
あんな勝手な親のせいで、フロランス様はずっと苦しい思いをしていた。
「フロランス様はこれからどうされるのですか?」
「はい。お祖父様が所持していらっしゃる伯爵位を継げるように、お祖父様のところへ参ります。学園からは遠いので、卒業までは寮に入りたいと思います」
ピスタス前侯爵様は、伯爵位もお持ちだったのね。
学園には、王都に屋敷を持たない貴族のために寮がある。
フロランス様と一緒に王宮で過ごすのは楽しかったけど、諸々が解決した今、フロランス様だけを特別扱いするわけにはいかない。
「そうですか。でもこれからフロランス様がお心を痛めることなく学園生活を送れるのなら、良かったです」
「はい。レティーナ様・・・ありがとうございます」
自身の父親を、ずっと暮らして来た侯爵家を、それらを失ってもフロランス様はとても優しく微笑まれた。
私は・・・
過去こんなふうに笑えていただろうか。
「クレスト公爵令息様も、アストニア様も、ありがとうございました」
「僕は別に何もしてない」
「僕もだね。むしろ素敵なご令嬢をエスコート出来て、こちらがお礼を言うべきかな」
イヴァン様とロイド様の声に、自分の思考に沈みそうだった意識が戻る。
お二人らしいお答えに、クスリと笑みがもれた。
ロイド様って、本当に紳士だわ。
「さ。フロランス様。着替えに向かいましょう」
ピスタス侯爵家の処遇が決まるまで、退出するわけにはいかなかったもの。
フロランス様のドレスの裾は、チェリー様にかけられたジュースで色が変わっている。
本当に、予想通りの行動をしてくれたわ。
わざわざ葡萄ジュースの色が映える白に近いピンク色のドレスにして正解ね。
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