138 / 144
最終章
悪意
しおりを挟む
「酷い!酷い!酷い!私はヒロインなのよ?どうして私の幸せの邪魔をするのっ?あんたなんか、あんたなんか、死ねばいいのに!」
廊下に蹲った自称ヒロインのレイナ・メルモン男爵令嬢は、泣き喚いていた顔を、私へと向けた。
憎しみに染まった、ピンク色の瞳。
彼女から黒いオーラが立ち上がっている。
「レティ。下がって」
「イヴァン様!アレは?」
「呪詛だ、と思う。僕も呪いの類にはあまり詳しくない」
「皆様!下がって下さいませ。メルモン様から距離を取って!」
私の声に、私を守るように立ち塞がっていたご令嬢や子息が不思議そうな顔をする。
みんな、アレが見えていない?
私と・・・イヴァン様だけ?
戸惑う彼らの前で、メルモン様から出る黒いオーラは彼女を覆い尽くし始めている。
『れてぃーナ・・・あンなに、アいしテいたのニ』
「・・・え?」
『聖ジョだがラじゃナク、おまエを愛しテイタのに』
メルモン様の口から出る、濁った声に戸惑う。
彼女の、可愛らしい声じゃない。
聞き覚えがあるような、ないような、でもその内容に目を見開く。
聖女?愛してた?
もしかして、四回目の時の・・・王太子殿下?
別の女性を常に連れておいて、私が婚約者からおりると私を愛していたのだと殺した人。
私はその詳細までは、誰にも話していない。
事実を知っているのは、殺した王太子殿下本人と、私、それから神様くらいかしら。
『おマエが、婚ヤクをカイ消などスルから・・・ミラいの国王のチチ親になルはずだったノニ』
「な、に?」
『あんタなんかのセイで!私ハ、王妃ニなるヨ定だっタのに』
『大人シク、夫人ノシゴとをシテイればよかっタのに!おマえなど、政リャク結こんデシかない』
濁った声で聞き取りにくいけど、国王の父親って、公爵令嬢の時の、正妃様の父親?
王妃になる予定って、伯爵令嬢のときの義妹のサロメ?
夫人の仕事?もしかして侯爵夫人だった時の夫なの?
どういうこと?
何なの、これは・・・
私を殺してきた相手の感情?
私が悪いみたいに言わないで!私はただ生きたかっただけだわ。
生きるために、幸せになるために、その時その時の自分にできることをしただけだもの。
もちろん、そのせいで国王の父親になれなかったことは申し訳ないけど、アズリル殿下はキャス様と幸せになるための選択をされたのよ?
サロメだって、ちゃんと王子に自分でした刺繍を渡してたら、王太子妃になれたかもなのよ?
愛する人が他にいるのなら、その人に侯爵夫人になって貰えば良かったじゃない。
私にさせるのなら、雇ってくれれば良かったのよ。
『あンたのせイで、モウ疲タの。なんデ、わたシの子が、こンな病キに・・・』
お母さん!
廊下に蹲った自称ヒロインのレイナ・メルモン男爵令嬢は、泣き喚いていた顔を、私へと向けた。
憎しみに染まった、ピンク色の瞳。
彼女から黒いオーラが立ち上がっている。
「レティ。下がって」
「イヴァン様!アレは?」
「呪詛だ、と思う。僕も呪いの類にはあまり詳しくない」
「皆様!下がって下さいませ。メルモン様から距離を取って!」
私の声に、私を守るように立ち塞がっていたご令嬢や子息が不思議そうな顔をする。
みんな、アレが見えていない?
私と・・・イヴァン様だけ?
戸惑う彼らの前で、メルモン様から出る黒いオーラは彼女を覆い尽くし始めている。
『れてぃーナ・・・あンなに、アいしテいたのニ』
「・・・え?」
『聖ジョだがラじゃナク、おまエを愛しテイタのに』
メルモン様の口から出る、濁った声に戸惑う。
彼女の、可愛らしい声じゃない。
聞き覚えがあるような、ないような、でもその内容に目を見開く。
聖女?愛してた?
もしかして、四回目の時の・・・王太子殿下?
別の女性を常に連れておいて、私が婚約者からおりると私を愛していたのだと殺した人。
私はその詳細までは、誰にも話していない。
事実を知っているのは、殺した王太子殿下本人と、私、それから神様くらいかしら。
『おマエが、婚ヤクをカイ消などスルから・・・ミラいの国王のチチ親になルはずだったノニ』
「な、に?」
『あんタなんかのセイで!私ハ、王妃ニなるヨ定だっタのに』
『大人シク、夫人ノシゴとをシテイればよかっタのに!おマえなど、政リャク結こんデシかない』
濁った声で聞き取りにくいけど、国王の父親って、公爵令嬢の時の、正妃様の父親?
王妃になる予定って、伯爵令嬢のときの義妹のサロメ?
夫人の仕事?もしかして侯爵夫人だった時の夫なの?
どういうこと?
何なの、これは・・・
私を殺してきた相手の感情?
私が悪いみたいに言わないで!私はただ生きたかっただけだわ。
生きるために、幸せになるために、その時その時の自分にできることをしただけだもの。
もちろん、そのせいで国王の父親になれなかったことは申し訳ないけど、アズリル殿下はキャス様と幸せになるための選択をされたのよ?
サロメだって、ちゃんと王子に自分でした刺繍を渡してたら、王太子妃になれたかもなのよ?
愛する人が他にいるのなら、その人に侯爵夫人になって貰えば良かったじゃない。
私にさせるのなら、雇ってくれれば良かったのよ。
『あンたのせイで、モウ疲タの。なんデ、わたシの子が、こンな病キに・・・』
お母さん!
26
あなたにおすすめの小説
【完結】死に戻り伯爵の妻への懺悔
日比木 陽
恋愛
「セレスティア、今度こそ君を幸せに…―――」
自身の執着により、妻を不遇の死に追いやった後悔を抱える伯爵・ウィリアム。
妻の死を嘆き悲しんだその翌日、目覚めた先に若い頃――名実ともに夫婦だった頃――の妻がいて…――。
本編完結。
完結後、妻視点投稿中。
第15回恋愛小説大賞にエントリーしております。
ご投票頂けたら励みになります。
ムーンライトさんにも投稿しています。
(表紙:@roukoworks)
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)
果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
職業『お飾りの妻』は自由に過ごしたい
LinK.
恋愛
勝手に決められた婚約者との初めての顔合わせ。
相手に契約だと言われ、もう後がないサマンサは愛のない形だけの契約結婚に同意した。
何事にも従順に従って生きてきたサマンサ。
相手の求める通りに動く彼女は、都合のいいお飾りの妻だった。
契約中は立派な妻を演じましょう。必要ない時は自由に過ごしても良いですよね?
悪役令嬢はゲームのシナリオに貢献できない
みつき怜
恋愛
気がつくと見知らぬ男たちに囲まれていた。
王子様と婚約解消...?はい、是非。
記憶を失くした悪役令嬢と攻略対象のお話です。
2022/9/18 HOT女性向けランキング1位に載せていただきました。ありがとうございます。
あなたは私を愛さない、でも愛されたら溺愛されました。
桔梗
恋愛
結婚式当日に逃げた妹の代わりに
花嫁になった姉
新郎は冷たい男だったが
姉は心ひかれてしまった。
まわりに翻弄されながらも
幸せを掴む
ジレジレ恋物語
真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください
LIN
恋愛
「私には真実に愛する人がいる。私から愛されるなんて事は期待しないでほしい」冷たい声で男は言った。
伯爵家の嫡男ジェラルドと同格の伯爵家の長女マーガレットが、互いの家の共同事業のために結ばれた婚約期間を経て、晴れて行われた結婚式の夜の出来事だった。
真実の愛が尊ばれる国で、マーガレットが周囲の人を巻き込んで起こす色んな出来事。
(他サイトで載せていたものです。今はここでしか載せていません。今まで読んでくれた方で、見つけてくれた方がいましたら…ありがとうございます…)
(1月14日完結です。設定変えてなかったらすみません…)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる