142 / 144
最終章
最終話:幸せになるために(前編)
しおりを挟む
目が覚めると、王宮にある客室だった。
王宮に運ばれたなら何故私室じゃないのかと思ったら、私の手がイヴァン様の手を離さなかったのですって。
いくら婚約しているからって、未婚の男女が、私室のベッドで一緒というわけにはいかないわよね。
メルモン男爵令嬢は、周囲にいた子息令嬢が呼んだ教師と警備の騎士によって取り押さえられたのだとか。
それはそうよね。
彼女が叫び、私がみんなに離れるように言った後に、私とイヴァン様が倒れたんだもの。
メルモン様が何かしたのだと、周囲は思うのは当たり前だわ。
実際は、私が神様に呼ばれただけなのだけど、メルモン様から出たあの黒い靄はなんだったのかしら。
「・・・ッ!レティーナ!良かった。目が覚めたのね」
私の右手は、イヴァン様と繋がったまま。
そして、左手を握ってくれていたのはお母様。
「お母様」
「学園で倒れたと聞いて・・・心配したわ。レティーナもアストニア様も目覚めなくて」
「ご心配をおかけして、申し訳ございません」
「ふふっ。親が娘の心配をするのは当たり前よ。権利を奪わないでちょうだい。でも、本当に良かったわ」
お母様の優しい言葉に、胸がギュッと締め付けられる気がした。
お母さんも、最初の頃はこんなふうに心配して、手を握ってくれていたわ。
それなのに、最後は首を絞めなきゃならないほど、苦しめてしまった。
「お母様・・・お母様!」
「あらあら、レティーナ、どうしたの?ふふっ。なんだか懐かしいわ。貴女がこんなふうに甘えてくれるなんて。記憶を失う前以来ね」
お母様は笑いながら、抱きつく私の髪を撫でてくれる。
「・・・ぅん」
私が起き上がったせいか、イヴァン様も目覚めたようだ。
「イヴァン様」
「ん。レティ?あれ?なんでベッドに・・・」
手を離さないのだからどうしようもなく、客室のベッドの二人並んで横たわっていた。
ただし、私とイヴァン様の間には多くのクッションが、まるで壁のように並べられていたが。
それが私が起き上がったことで崩れて、イヴァン様の顔に当たったようだ。
これ、絶対にお父様とラウル兄様よね?
だって、侍女や護衛が部屋の中で待機しているのよ?
ずっとじゃないだろうけど、お母様だっていてくださったのに、このクッション壁。
でも、それでも私たちの手は、無理矢理離さないでいてくれたのね。
良かったわ。
もし変なタイミングで離されて、あの空間から離れ離れとかになったらと思うと。
神様相手だから大丈夫だと思うけど、イヴァン様に何かあったら、生きていく気力がなくなってしまうわ。
王宮に運ばれたなら何故私室じゃないのかと思ったら、私の手がイヴァン様の手を離さなかったのですって。
いくら婚約しているからって、未婚の男女が、私室のベッドで一緒というわけにはいかないわよね。
メルモン男爵令嬢は、周囲にいた子息令嬢が呼んだ教師と警備の騎士によって取り押さえられたのだとか。
それはそうよね。
彼女が叫び、私がみんなに離れるように言った後に、私とイヴァン様が倒れたんだもの。
メルモン様が何かしたのだと、周囲は思うのは当たり前だわ。
実際は、私が神様に呼ばれただけなのだけど、メルモン様から出たあの黒い靄はなんだったのかしら。
「・・・ッ!レティーナ!良かった。目が覚めたのね」
私の右手は、イヴァン様と繋がったまま。
そして、左手を握ってくれていたのはお母様。
「お母様」
「学園で倒れたと聞いて・・・心配したわ。レティーナもアストニア様も目覚めなくて」
「ご心配をおかけして、申し訳ございません」
「ふふっ。親が娘の心配をするのは当たり前よ。権利を奪わないでちょうだい。でも、本当に良かったわ」
お母様の優しい言葉に、胸がギュッと締め付けられる気がした。
お母さんも、最初の頃はこんなふうに心配して、手を握ってくれていたわ。
それなのに、最後は首を絞めなきゃならないほど、苦しめてしまった。
「お母様・・・お母様!」
「あらあら、レティーナ、どうしたの?ふふっ。なんだか懐かしいわ。貴女がこんなふうに甘えてくれるなんて。記憶を失う前以来ね」
お母様は笑いながら、抱きつく私の髪を撫でてくれる。
「・・・ぅん」
私が起き上がったせいか、イヴァン様も目覚めたようだ。
「イヴァン様」
「ん。レティ?あれ?なんでベッドに・・・」
手を離さないのだからどうしようもなく、客室のベッドの二人並んで横たわっていた。
ただし、私とイヴァン様の間には多くのクッションが、まるで壁のように並べられていたが。
それが私が起き上がったことで崩れて、イヴァン様の顔に当たったようだ。
これ、絶対にお父様とラウル兄様よね?
だって、侍女や護衛が部屋の中で待機しているのよ?
ずっとじゃないだろうけど、お母様だっていてくださったのに、このクッション壁。
でも、それでも私たちの手は、無理矢理離さないでいてくれたのね。
良かったわ。
もし変なタイミングで離されて、あの空間から離れ離れとかになったらと思うと。
神様相手だから大丈夫だと思うけど、イヴァン様に何かあったら、生きていく気力がなくなってしまうわ。
28
あなたにおすすめの小説
【完結】死に戻り伯爵の妻への懺悔
日比木 陽
恋愛
「セレスティア、今度こそ君を幸せに…―――」
自身の執着により、妻を不遇の死に追いやった後悔を抱える伯爵・ウィリアム。
妻の死を嘆き悲しんだその翌日、目覚めた先に若い頃――名実ともに夫婦だった頃――の妻がいて…――。
本編完結。
完結後、妻視点投稿中。
第15回恋愛小説大賞にエントリーしております。
ご投票頂けたら励みになります。
ムーンライトさんにも投稿しています。
(表紙:@roukoworks)
歴史から消された皇女〜2人の皇女の願いが叶うまで終われない〜
珠宮さくら
恋愛
ファバン大国の皇女として生まれた娘がいた。
1人は生まれる前から期待され、生まれた後も皇女として周りの思惑の中で過ごすことになり、もう1人は皇女として認められることなく、街で暮らしていた。
彼女たちの運命は、生まれる前から人々の祈りと感謝と願いによって縛られていたが、彼らの願いよりも、もっと強い願いをかけていたのは、その2人の皇女たちだった。
愛する人は、貴方だけ
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
下町で暮らすケイトは母と二人暮らし。ところが母は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。亡くなる直前に母はケイトの父親がアークライト公爵だと告白した。
天涯孤独になったケイトの元にアークライト公爵家から使者がやって来て、ケイトは公爵家に引き取られた。
公爵家には三歳年上のブライアンがいた。跡継ぎがいないため遠縁から引き取られたというブライアン。彼はケイトに冷たい態度を取る。
平民上がりゆえに令嬢たちからは無視されているがケイトは気にしない。最初は冷たかったブライアン、第二王子アーサー、公爵令嬢ミレーヌ、幼馴染カイルとの交友を深めていく。
やがて戦争の足音が聞こえ、若者の青春を奪っていく。ケイトも無関係ではいられなかった……。
【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)
【完結】彼を幸せにする十の方法
玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。
フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。
婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。
しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。
婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。
婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。
チョイス伯爵家のお嬢さま
cyaru
恋愛
チョイス伯爵家のご令嬢には迂闊に人に言えない加護があります。
ポンタ王国はその昔、精霊に愛されし加護の国と呼ばれておりましたがそれももう昔の話。
今では普通の王国ですが、伯爵家に生まれたご令嬢は数百年ぶりに加護持ちでした。
産まれた時は誰にも気が付かなかった【営んだ相手がタグとなって確認できる】トンデモナイ加護でした。
4歳で決まった侯爵令息との婚約は苦痛ばかり。
そんな時、令嬢の言葉が引き金になって令嬢の両親である伯爵夫妻は離婚。
婚約も解消となってしまいます。
元伯爵夫人は娘を連れて実家のある領地に引きこもりました。
5年後、王太子殿下の側近となった元婚約者の侯爵令息は視察に来た伯爵領でご令嬢とと再会します。
さて・・・どうなる?
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
今更ですか?結構です。
みん
恋愛
完結後に、“置き場”に後日談を投稿しています。
エルダイン辺境伯の長女フェリシティは、自国であるコルネリア王国の第一王子メルヴィルの5人居る婚約者候補の1人である。その婚約者候補5人の中でも幼い頃から仲が良かった為、フェリシティが婚約者になると思われていたが──。
え?今更ですか?誰もがそれを望んでいるとは思わないで下さい──と、フェリシティはニッコリ微笑んだ。
相変わらずのゆるふわ設定なので、優しく見てもらえると助かります。
[完結]私を巻き込まないで下さい
シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。
魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。
でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。
その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。
ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。
え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。
平凡で普通の生活がしたいの。
私を巻き込まないで下さい!
恋愛要素は、中盤以降から出てきます
9月28日 本編完結
10月4日 番外編完結
長い間、お付き合い頂きありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる