虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

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最終章

最終話:幸せになるために(前編)

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 目が覚めると、王宮にある客室だった。

 王宮に運ばれたなら何故私室じゃないのかと思ったら、私の手がイヴァン様の手を離さなかったのですって。

 いくら婚約しているからって、未婚の男女が、私室のベッドで一緒というわけにはいかないわよね。

 メルモン男爵令嬢は、周囲にいた子息令嬢が呼んだ教師と警備の騎士によって取り押さえられたのだとか。

 それはそうよね。
彼女が叫び、私がみんなに離れるように言った後に、私とイヴァン様が倒れたんだもの。

 メルモン様が何かしたのだと、周囲は思うのは当たり前だわ。

 実際は、私が神様に呼ばれただけなのだけど、メルモン様から出たあの黒い靄はなんだったのかしら。

「・・・ッ!レティーナ!良かった。目が覚めたのね」

 私の右手は、イヴァン様と繋がったまま。
 そして、左手を握ってくれていたのはお母様。

「お母様」

「学園で倒れたと聞いて・・・心配したわ。レティーナもアストニア様も目覚めなくて」

「ご心配をおかけして、申し訳ございません」

「ふふっ。親が娘の心配をするのは当たり前よ。権利を奪わないでちょうだい。でも、本当に良かったわ」

 お母様の優しい言葉に、胸がギュッと締め付けられる気がした。

 お母さんも、最初の頃はこんなふうに心配して、手を握ってくれていたわ。

 それなのに、最後は首を絞めなきゃならないほど、苦しめてしまった。

「お母様・・・お母様!」

「あらあら、レティーナ、どうしたの?ふふっ。なんだか懐かしいわ。貴女がこんなふうに甘えてくれるなんて。記憶を失う前以来ね」

 お母様は笑いながら、抱きつく私の髪を撫でてくれる。

「・・・ぅん」

 私が起き上がったせいか、イヴァン様も目覚めたようだ。

「イヴァン様」

「ん。レティ?あれ?なんでベッドに・・・」

 手を離さないのだからどうしようもなく、客室のベッドの二人並んで横たわっていた。

 ただし、私とイヴァン様の間には多くのクッションが、まるで壁のように並べられていたが。

 それが私が起き上がったことで崩れて、イヴァン様の顔に当たったようだ。

 これ、絶対にお父様とラウル兄様よね?
 だって、侍女や護衛が部屋の中で待機しているのよ?

 ずっとじゃないだろうけど、お母様だっていてくださったのに、このクッション壁。

 でも、それでも私たちの手は、無理矢理離さないでいてくれたのね。

 良かったわ。
もし変なタイミングで離されて、あの空間から離れ離れとかになったらと思うと。

 神様相手だから大丈夫だと思うけど、イヴァン様に何かあったら、生きていく気力がなくなってしまうわ。


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