推ししか勝たん!〜悪役令嬢?なにそれ、美味しいの?〜

みおな

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悪役令嬢、推しを宥める

 メイソンとエイミは、固まったまま動けずにいた。

 分かるわ。
カイルから溢れ出てる冷気は、私に向けられていないと理解っていても、怯えてしまいそうになるもの。

「ねぇ・・・僕の大事なシアに何言ってくれてんの?そんなに死にたいのなら、僕が今ここで殺してあげようか?」

「お、おい、カイル。殺傷沙汰は駄目だぞ。お前を罰しなければならなくなるだろ」

「証拠を残さなきゃいいんじゃない?」

 いやいやいやいや。駄目でしょ。
オスカーもダミアンも、それならいっかみたいな顔しちゃ駄目だから。

 ちゃんとカイルを止めてくれないと。

「カイル様、犯罪は駄目ですわ。私を犯罪者のにするおつもりですの?」

「うん。僕が直接手を下すのは駄目だね。ええと・・・」

「メロディ様とマリアンヌ様、エリザベス様を悲しませる選択も駄目ですわよ」

「・・・」

 私が前もって言うと、カイルはピタリと口を閉じた。

 やっぱり、ダミアンかオスカー、もしくはお兄様に殺らせるつもりだったわね?

「っていうか、陛下に言えば?そしたら炭鉱にでも娼館にでも送ってくれるんじゃないの?もしくはアデライン公爵かローレンス公爵に言ったら、処刑方法考えつくんじゃないの?」

「確かに、最愛の娘を罵倒したと知ったら、アデライン公爵閣下が鉄槌を下しそうだけど」

 やーめーてー。
お父様を犯罪者にしないで!

「オスカー様、ローレンス様。おやめになって。アナスタシア様の顔色が悪くなられてますわ。陛下におっしゃればよろしいではないですか。二人ともまだ若くて働かせ甲斐がありましてよ」

「ダミアン殿下。アナスタシア様のためにも、国王陛下にお話して下さい」

 マリアンヌとメロディが、男性陣を注意してくれている。

 なんかお兄様もだけど、婚約者にメロメロだから、彼女たちが殺れ!と言ったらやりかねないなぁ。

 まぁ、それはカイルもだけど。

「お二人は、合法的に裁いて下さいませね?処刑ではなく、自分たちが何故こんなことになっているのか、よぉーく考えていただきたいの」

「シアは優しいなぁ。こんな、頭の中身が可愛いヤツらなんて、学ぶこともしないだろうに。まぁ、いいよ。他ならぬシアの願いだからね。ダミアン、陛下に話してよ。二度と顔を見ずに済む場所で、死ぬまで働けるとこに送ってって」

「そういうのは、アデライン公爵の方が得意そうだけど・・・あー、わかった!分かった!父上に話すって」

 ダミアンはすぐに学園駐在の騎士を呼んで、二人を拘束させた。

 王宮まで移送されるらしい。

 うーん。もう二度と会うこともなさそうだし、一言言っとくかな。

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