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変態王子Side 侍女と従者の恋物語①
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「ねぇ、マイリー。そういえば、貴方の恋のお相手とはどうなったの?」
今日も変わらず美味しいお茶を淹れてくれる大好きなマイリーに、ふと疑問をぶつけてみた。以前、マイリーからお慕いしている方が居る事は聞いていたのだけど、あれから何か進展はあったのだろうか。マイリーは「結婚なんてしません」なんて言っていたけど、あたしとしてはマイリーにも女性としての幸せを掴んで欲しいと思っている。
――ガチャン、とマイリーにしては珍しく動揺した様にティーポットを落しかけた。
「大丈夫、マイリー?」
「はっ、はい! 失礼致しました、大丈夫です」
マイリーの顔が少し赤くなっている。
「……マイリー、お茶は後でいいからこっちに来てここに座ってよ」
あたしはソファーの隣りの席をぽんぽん、と軽く叩いてマイリーを呼び寄せる。マイリーは少し困った顔をしながらも、大人しくあたしの横へと腰かけた。
「……何かあった?」
「はぁ……あの、お嬢様。デペッシュ卿をご存知で?」
「もちろんよ、殿下の従者の方でしょ?」
「はい…………実は、デートに誘われてしまいまして……」
ぽっ、と頬を赤らめてマイリーが呟いた。
「えっ、えっ、もしかしてマイリーのお慕いしている方ってデペッシュ卿なの?」
マイリーがコクリと頷く。
「分不相応だと思って心に秘めていたんですけど、何故か最近お誘いして頂く様になりまして……とても幸せなんですけれど……」
両手で顔を覆いながら、熱のこもったため息を漏らす。デペッシュ卿かぁ~そうよね、元々お兄様達と殿下は仲が良いのもある上にあたしが殿下の婚約者となってからマイリーはデペッシュ卿と会う機会も更に増えただろうし、素敵な方だもの。恋心が芽生えても不思議じゃないわ。
「いいじゃない! お似合いだと思うわよ、あたし断然応援しちゃう!」
「お、お嬢様……」
「マイリーは素敵なレディだもの、デペッシュ卿が好きになっちゃうのも当たり前よ」
照れるマイリーがとても可愛らしくて、あたしは自分の事の様にワクワクしてきた。彼は確か元々は伯爵家の三男だった筈。今は伯爵家から子爵位を譲り受けていると聞いた事があるわ。マイリーだって元は子爵家の令嬢だったもの。デペッシュ卿と一緒になれば安心だわ。
「ですがお嬢様……困った事がありまして」
「どうしたの?」
「デートにコッソリとアルスト殿下がついてこられるのです」
「え?」
デペッシュ卿とマイリーのデートに何故殿下がついて来るのだろう。
「あ、デペッシュ卿の事を心配して……」
「違いますよ、面白がってついて来られるんですよ。初デートの時はあからさまに傍をウロウロされておりましたし。それ以降も何やら変装して陰から覗いておられるんです」
「あら……まぁ……」
「出来たらデペッシュ様と二人きりで過ごしたいのですけれど、どうしても殿下のお姿がチラチラしますので何だか落ち着かなくて……だからお嬢様、今度は殿下を引き留めておいて頂けないでしょうか?」
マイリーからの切実な願いを聞いて、あたしは首を縦に振るしかなかった。大丈夫かな……あたしに殿下を止めれるかしら……。
今日も変わらず美味しいお茶を淹れてくれる大好きなマイリーに、ふと疑問をぶつけてみた。以前、マイリーからお慕いしている方が居る事は聞いていたのだけど、あれから何か進展はあったのだろうか。マイリーは「結婚なんてしません」なんて言っていたけど、あたしとしてはマイリーにも女性としての幸せを掴んで欲しいと思っている。
――ガチャン、とマイリーにしては珍しく動揺した様にティーポットを落しかけた。
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両手で顔を覆いながら、熱のこもったため息を漏らす。デペッシュ卿かぁ~そうよね、元々お兄様達と殿下は仲が良いのもある上にあたしが殿下の婚約者となってからマイリーはデペッシュ卿と会う機会も更に増えただろうし、素敵な方だもの。恋心が芽生えても不思議じゃないわ。
「いいじゃない! お似合いだと思うわよ、あたし断然応援しちゃう!」
「お、お嬢様……」
「マイリーは素敵なレディだもの、デペッシュ卿が好きになっちゃうのも当たり前よ」
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