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第二章
アーサー殿下との面会
「ようこそ、おいで下さいました。さぁ、こちらへどうぞティアナ嬢」
王宮の中にある応接室の一つへと案内されると、既にアーサー殿下が待っていてくれた。軽く挨拶を交わして促されるままソファーへと腰を下ろす。メイドの手によってテーブルには熱々のダージリンティーが用意された。
「お時間頂き、有難う御座います殿下」
「いえ、ティアナ嬢の頼みなら幾らでも時間を作りますよ」
「有難う御座います」
アーサー殿下とは幼い頃からの顔馴染みだ。未来の義弟という事もあって普通に友人として仲良くさせて貰っている。アルスト殿下達の捜索にも尽力されているのであろう、どことなく顔に疲れが滲んでいる気がする。そういうあたしも毎日不安で眠れない夜を過ごしているので、きっと目の下に隈が出来ている事に気付かれているかもしれない。マイリ―に上手く化粧で隠しては貰ってるだけれど。
「それで、お願いがあるとか?」
「はい」
紅茶を頂いて一息ついた所で、早速本題へと話は及んだ。
「アルスト殿下と兄達の件は存じております」
「そうですか……」
「そして何処に居るのかも、友人のお陰で見当がついております」
「えっ……」
アーサー殿下が驚いた表情を見せた。王家や我がローゼン家の暗部までもが総動員で行方を追っているのに未だに消息が掴めていないのだ。それなのに、たかが公爵家の令嬢が行方を知っているというのだから驚かない訳がないだろう。
「ただ居場所は分かりますが、そこは特殊な扉に鍵が掛かっていて……ある人物の協力が必要なのです。今日はその許可を頂きたく参りました」
「許可、ですか。それは王家の許可が必要な人物という事なのですね?」
「はい」
暫し沈黙が流れる。王家の許可が必要な人物となると、そう容易く即答する訳にもいかないだろう。
「……どなたか、お聞きしても?」
「ミンスロッティ・パチェット。元パチェット男爵家の令嬢だった者です」
あの事件があってからパチェット男爵家は取り潰しとなっていて今は存在しない。元パチェット男爵とその家族達は貴族籍を剝奪され、平民となり王家監視の元で炭鉱で働かされていると聞いている。ミンスロッティは聖女の力があった為、修道院送りとなり国の為に毎日祈りを捧げて聖女の仕事を全うしていた。
「これはまた……意外な人物の名前が出ましたね」
アーサー殿下はゆっくりと紅茶を口へ運びながら考えを巡らせている様だ。あたしはただ黙ってその返答を待つ。
「聖女の力が必要な扉……という事なのですね」
「はい」
あたしだって出来る事ならあの人の力なんて借りたくはない。けど、大切な人達の為だ。どんな嫌な相手にだって頭を下げるだろう。
「――分かりました。この私が責任を持ち、許可致しましょう。詳しく話を聞かせて下さい」
「はいっ、有難う御座います!」
こうしてアーサー殿下からの正式な許可を貰い、ミンスロッティを伴ってバハム邸へと向かう事が決定した。決行は明後日の満月の夜だ。
王宮の中にある応接室の一つへと案内されると、既にアーサー殿下が待っていてくれた。軽く挨拶を交わして促されるままソファーへと腰を下ろす。メイドの手によってテーブルには熱々のダージリンティーが用意された。
「お時間頂き、有難う御座います殿下」
「いえ、ティアナ嬢の頼みなら幾らでも時間を作りますよ」
「有難う御座います」
アーサー殿下とは幼い頃からの顔馴染みだ。未来の義弟という事もあって普通に友人として仲良くさせて貰っている。アルスト殿下達の捜索にも尽力されているのであろう、どことなく顔に疲れが滲んでいる気がする。そういうあたしも毎日不安で眠れない夜を過ごしているので、きっと目の下に隈が出来ている事に気付かれているかもしれない。マイリ―に上手く化粧で隠しては貰ってるだけれど。
「それで、お願いがあるとか?」
「はい」
紅茶を頂いて一息ついた所で、早速本題へと話は及んだ。
「アルスト殿下と兄達の件は存じております」
「そうですか……」
「そして何処に居るのかも、友人のお陰で見当がついております」
「えっ……」
アーサー殿下が驚いた表情を見せた。王家や我がローゼン家の暗部までもが総動員で行方を追っているのに未だに消息が掴めていないのだ。それなのに、たかが公爵家の令嬢が行方を知っているというのだから驚かない訳がないだろう。
「ただ居場所は分かりますが、そこは特殊な扉に鍵が掛かっていて……ある人物の協力が必要なのです。今日はその許可を頂きたく参りました」
「許可、ですか。それは王家の許可が必要な人物という事なのですね?」
「はい」
暫し沈黙が流れる。王家の許可が必要な人物となると、そう容易く即答する訳にもいかないだろう。
「……どなたか、お聞きしても?」
「ミンスロッティ・パチェット。元パチェット男爵家の令嬢だった者です」
あの事件があってからパチェット男爵家は取り潰しとなっていて今は存在しない。元パチェット男爵とその家族達は貴族籍を剝奪され、平民となり王家監視の元で炭鉱で働かされていると聞いている。ミンスロッティは聖女の力があった為、修道院送りとなり国の為に毎日祈りを捧げて聖女の仕事を全うしていた。
「これはまた……意外な人物の名前が出ましたね」
アーサー殿下はゆっくりと紅茶を口へ運びながら考えを巡らせている様だ。あたしはただ黙ってその返答を待つ。
「聖女の力が必要な扉……という事なのですね」
「はい」
あたしだって出来る事ならあの人の力なんて借りたくはない。けど、大切な人達の為だ。どんな嫌な相手にだって頭を下げるだろう。
「――分かりました。この私が責任を持ち、許可致しましょう。詳しく話を聞かせて下さい」
「はいっ、有難う御座います!」
こうしてアーサー殿下からの正式な許可を貰い、ミンスロッティを伴ってバハム邸へと向かう事が決定した。決行は明後日の満月の夜だ。
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