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しおりを挟む吹雪は、流夜のやろうとしていることが大体わかっている。
流夜は、自分のルーツを潰す気だ。
自分の歩いて来た道を辿りなおして、もう一度自分を作るつもりでいる。
「……俺と降渡はともかく、お前は実家が天龍だろう」
「きょうだいの多い末っ子なんて、二、三年帰らなくても何も言われないよ」
「帰れよ」
吹雪は四人きょうだいの末っ子だった。
容姿は、一番上の姉によく似ていると言われる。
流夜たちには、吹雪は姉よりも、叔母である愛子に似ていると言われるけど。
「……じいさんの墓参りにでも行くか」
流夜と降渡は、龍生が引き取ったと公言されているが、実際の育ての親は龍生の祖父だ。
早くに連れ合いを亡くして、孫は龍生だけ。
龍生が中学で在義のところへ下宿するようになってからは一人で天龍に住んでいた。
そこへ龍生が放り込んだ身寄りを失くした子どもたち。
流夜と降渡には先輩が何人もいる。逢ったことはないけど。流夜と降渡が最後の子どもだった。
「……吹雪、在義さんが天龍の出身だったって知ってたか?」
「在義さんが? え、そうなの?」
在義が天龍出身? 聞いたことのない話だ。
天龍出身の龍生と幼馴染とは聞いていたけど、幼馴染を名乗るのに年齢は決まっていない。
「天龍に『華取』って家があって、こちらの家は分家だと聞いた」
「あー、……それなら知ってるけど……」
あの、曰くつきの家か。
在義の家が分家とは知っていたけど、流夜の言いようでは在義は本家出身ということなのだろう。
「なんだ? その反応」
「いやー……天龍の『華取』は知ってるんだけどね? なんか……納得しちゃった」
だから、在義はああなのか、と。
「納得? 何か知ってるんだな?」
この様子では、天龍の華取本家が、一族ごと亡いなった理由を流夜は知らないのだろう。
「うん。……華取ってのは陰陽術系の一族。それが全滅したのは、次期当主とされていた嫡男に火を放たれて、一族ごと、家ごと、本家ごと――燃やし尽くされたからなんだ」
「……息子が、一族殺しをしたのか?」
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