暴走娘×ど天然?-六花の恋4-【完】

桜月真澄

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五 今日はお出かけ! です!

side羽咲6

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うう~っ! こうしているだけで十分すぎるほどなのに……!

「い、一緒にてくれるだけでご褒美になっているので……これ以上望むとバチあたりそう……」

本気で私、今日が命日だと思ってるから。煉獄の炎に焼かれても平常心で成仏できそう。

「このくらいでいいの?」

斜めに見下ろしてくる総真くんは、不思議そうな顔だ。

でも、全然不思議なことじゃない。

「……大好きな人と手を繋いで歩けるなんて、前世の私はどれだけ徳を積んだのか思うほどです……」

「徳……」

総真くんが間の抜けた顔になってしまった。かわいい。

それから、うん、とひとつ肯いた。

「じゃあ俺がエスコートさせてもらおうかな」

え。

「今日はうーに楽しんでもらいたいから」

にこっと笑う総真くん。

……もうこれで十分すぎるということが、どうして伝わらないんだろうか……。

なんか泣きたくなってきた……。

幸せすぎて。

総真くんは次から次へと、私を惑わす気でもあるみたいに思えてしまう。

手のひらの上で遊ばれているようだけど、そんな人生も悪くない! むしろ望むところ!

「あ、あの!」

声を張り上げると、総真くんは「どした?」と軽く首を傾げた。

純粋でキレイな総真くんの目は輝くようでまっすぐに見ることが出来なくて、自分の足元を見てしまう。

でも、それでやっと口にすることができた。

「お、お任せするって言ったそばからなんだけど……」

「うん?」

「もう、少し……このまま歩いてても……いい、かな……?」

総真くんが今、私の隣にいて、私と総真くんの人がいないという現実を……もう少しだけ、独占してみたい……。

きゅっと、総真くんの握った手に力がこもった。

「うん。俺もそうしたかった。少し歩こうか」

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