暴走娘×ど天然?-六花の恋4-【完】

桜月真澄

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五 今日はお出かけ! です!

side羽咲31

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「いいよ。言って? うーの声、聞きたい」

私の声? ……ううん、私の心の声だよ? 勝手でワガママな声で、総真くんには重荷かもしれない……。

言わない、というように唇を噛んだ私を見て、総真くんは困った顔になった。

「俺、うーの可愛い声聞きたいんだけどなあ……」

「………」

「うーが俺のこと好きだって知って、すごい嬉しかったんだけどなあ……」

「……っ」

「うーが喋ってくれないなら、俺もううーと話できなくなっちゃうのかなあ……?」

「……っっっ! できる! できます!」

負けた。ひょっこりと惚れた弱みが顔を出した……。

叫んだ私を見て、総真くんは満足げに肯いた。

「うん。じゃあ、話して? うーのこと、もっと知りたいんだ。うーがしてほしいこととかあったら、たくさん聞きたい」

「……………いたい」

「うん? ――っ?」

聞こえなかったようで訊き返してきた総真くんの胸ぐらをつかんでしまった。

なんかもうヤケになっていた。

「私が総真くんの一番傍にいたい!」

それが、私がずっとほしくて、これからもほしいものだ。

今まで総真くんの近くにいられても、玲くんやお兄ちゃんがいたから、《一番傍》は私だけのものになったことはないから。

たぶん、恋人と呼ばれる存在くらいにならないと、ゆるされないものだと思う……。

「いいよ」

「……へっ?」

「ってか、俺の一番傍はずっとうーだよ?」

「え? あ、あの……え?」

私の理解が追いつかないでいると、総真くんは、まだ胸元をつかんでいる私の手に自分の手を重ねて来た。

「俺としては、ずっと一番傍にいたのはうーだと思ってた。うーは違った?」

そうだったの……!?

「ち、違ったもなんも、お兄ちゃんとか玲くんとか景お兄ちゃんとか、ずっと一緒だったから……男子同士の方が話も合うでしょ? 私、水都ちゃんと一緒にみんなのこと見てることが多かったから……」

私の答えに、総真くんは何度か瞬いた。……総真くんはそうじゃなかったのかな?

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