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一 突撃
side作之助6
しおりを挟む藤沢さんが目指しているのは、先にいる者としておすすめできない選択肢だ。
――そう、選択肢があるうちに引き返した方がいい。だって、
「……なんでそんなことわかるんですか」
藤沢さんは不満いっぱいの顔で言ってくる。俺がため息をつくと、肩をびくっと跳ねさせた。
「俺が後悔してるからわかるんだ」
……何度も思う。あのとき、ああしていなかったら、って。
「コガサクくんが?」
今度藤沢さんは、目を見開いている。
俺の言葉を不思議に思ったのだろうか。そりゃそうか。後悔してるくせに今も不良扱いされることやってるんだもんな。
「あのとき、あんな奴らの挑発にのって喧嘩してなかったら、とか、例え殴られてもやり返してなかったら、とか。色々考えるよ。……そうしたら今頃、普通の友達とか出来ていたんじゃないか、って……」
俺は良くない意味で見た目だけで目立つから、不良みたいなことをする奴らから目をつけられやすかった。
それにいちいち相手をしていたらこのザマだ。友達なんて今までいやしない。
……友達と言えるかはわからないけど、昔隣の家で仲良くしてくれていた奴がいただけだ。
「……わかりました」
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