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一 突撃
side作之助21
しおりを挟む……なんだろう、気持ちをあったかくさせるのがうまい人だ。
なんでこんな人が、友達がいないって嘆いているんだろう……。
「……藤沢さんはさ、」
「はい?」
「きっとできるよ、友達。この学校で」
「………」
驚いた顔をされた。
でも俺も真剣に言っているから、それ以上言葉を重ねるのはやめた。
あまり繰り返してもしつこいと思われるだけだろうし。
「あ、………あはははっ、そ、そうですかね~」
急に下手な芝居みたいな返事をされた。
俺の言葉を本気だと取らなかったのか、本気だと取ったから誤魔化しにきたのか……。
まあいい。今は……少しだけ、お互いちょうどいい距離でいるか。
藤沢さんの自己評価があがれば、友達なんてすぐ出来るだろうし。
俺のせいで藤沢さんの評判に傷をつけないよう、そこは気を付けよう。
……今は、風も心地いいから。
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