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三 嫉妬
side水都14
しおりを挟む……ううん。
「それも、ある。わたしが玲くんに振られるのは、わたしが生まれる前から決まってたことだから。……でもやっぱり、羽咲ちゃんの隣にいるのがわたしじゃなくて、総真くんが当たり前な世界は……怖くて……怖くて、怖くて……。羽咲ちゃんは総真くんのことがずっと大好きだったから、応援してたし、離れることも出来た。総真くんが恨めしいのは嘘じゃないけど、自分の中で割り切れた。そうしたら今度は作之助だった」
「……俺?」
作之助は、なんでそこで自分が? みたいな顔で瞬いた。
そうだよ。作之助だよ。
「さ、作之助はわたしにとって初めて出来た友達だから、特別大事なの。ほかの人とは比べられない。なのに総真くんと仲良くなっちゃって……羽咲ちゃんと一緒にいた頃から心の隅にあった恐怖心がよみがえった。いつか羽咲ちゃんは、わたしの隣からいなくなっちゃうんだ、って……。それが、作之助にも、適用? 当てはまって? しまって……そ、総真くんに、作之助をとらないでって挑戦状つきつけるつもりだったの」
「…………」
「……バカって言っていいよ。バカなことした自覚あるから」
ぶすくれた顔で言うと、作之助は片手で口元を覆った。
とんでもない罵詈雑言が出そうだったから慌てて隠したとか!? え、なんて声をかければ――、と悩んでいるうちに、作之助の両肩が震え出した。
「え……作之助?」
「ごめ……馬鹿にしてるわけじゃないよ。ただ……いやごめん、これは笑うって……っ」
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