上 下
124 / 216
三 嫉妬

side作之助7

しおりを挟む

水都さんに訊いてもいいんだけど、総真と友達になったことで水都さんの地雷踏んだばかりだし、心配をかけたくないと言うか……。

そういや由羽のことはスルーしてたな、水都さん。

あれ? 俺由羽とも友達になったよって言わなかったか……? 憶えていない……。

まあ、水都さんと由羽が幼馴染ならいずれ知られることだ。

次は姫担ぎで連れ出せばいいんだろうか。

とりあえず由羽に連絡取ってみよう。

由羽は一見クールだけど表情豊かな総真とは反対で、パッと見完璧王子系だったけど大体無表情だった。

落ち着いていると言うか、大人だなあって感じがした。

苦いコーヒーみたいな。

玲哉は大人を超越した存在にガキの頃から思っている。もはや人間じゃないと思っている。

連絡……あ、昨日の水都さんの暴走の報告でもしておくか。

妹の司さんから聞いているだろうけど、ほかにメッセージを送るネタが思いつかない……。

コミュ障だからゆるしてほしい。

歩きスマホは駄目なので、路肩に足を停めて通行の邪魔にならないような位置に立った。

カバンのポケットから取り出して……えーと、由羽は……あった。

真っ新な、名前だけが載っている画面が映し出される。

初っ端だからなあ、なんて書き始めよう。まずは挨拶かな。時間が今だしおはようでいいか――

「あ、いたいた。コガサクー」

しおりを挟む

処理中です...