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三 嫉妬
side作之助24
しおりを挟むあ。……しまった。またやらかしちまった……今朝山手さんに言われたばかりなのに……。
山手さんのお怒りの言葉を思い出して慌てて言った。
「ごめん、今のはナシ」
「うん」
水都さんは子供みたいにこくりと肯く。
ほ……そんなに怒っていなかったみたいだ。よかった。
水都さんが歩き出したので、俺も並んで歩く。
「でもそれを抜きにしても、最初に連れていく友達が男の俺でいいの? 父様的には女子の友達が出来たと思ってるんじゃない?」
普通はそうじゃないかな。
男女混合のグループはあるけど、いきなり野郎一人を紹介されても不安になるだけじゃ……。
俺の言葉を聞いた水都さんは、うーんとうなりながら軽く中空を見た。
「大丈夫だと思うけどなあ。父様自身、女性の友達いるし」
「そうなの?」
「うん。羽咲ちゃんのお母様と父様が幼馴染で割と仲良かったから、羽咲ちゃんのお母様のお友達とは、父様も友達なの。羽咲ちゃんのお母様と父様は兄妹みたいな感じって聞いてる」
へー。……あの由羽のお母様で司さんのお母様……。
どっちだ。どっち似なんだ。気になって仕方ない。
黙々と考えていると、また「作之助」と呼ばれた。
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