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一 休日は図書館で
side千波4
しおりを挟むじぶんよう? 変わった言い回しする人だな。
「あえて言うなら友達用で……。明らかに両想いなのに、どっちも自覚してなくて……」
わたしの返事に、男の子は小首を傾げた。
「……そういうの、周りが口出すとややこしくならない?」
うん、わかってます。
「それもわかりますが、放っておけないんです。初めての親友の大事なことだから」
那也と王子には、絶対に幸せになってほしい。
恋愛捨ててるわたしに出来ることなんてないかもしれないけど、何か二人のきっかけを作れたら……。
たぶん、学内で那也と王子に一番近いのは、わたしか、那也の弟のマナくんだから。
「……相変わらず優しいね」
男の子が、ぼそっと何か言った。「え?」とわたしが顔をあげると、「なんでもないよ」と言われてしまった。
「あの……失礼ですけど誰かと間違えていませんか?」
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