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偽りのヒート

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「っこれはこれは…早々にめでたいことで。ヒートの前兆…でしょうか?我々は香りにあてられるといけないので祝言はお開きにして後は若い2人に任せましょう」
透の父は慌てて話をでっちあげその場のものを退室させ、自分自身もそそくさと逃げていった。
久成はとくに驚くでもなく透を抱きあげ、寝室へと運んだ
「この子は…もしかして」
抱きあげた感触が女のそれとは違い、義父がヒートが来たというわりには数分経っても何も香らず何かがおかしい。
久成はおそるおそる布団へと透を下ろし、帯を解き、着物と襦袢をはだけさせた
そこには平たい胸とやや小ぶりの紛うことなき雄の象徴がついていた
「男の…子?」
股間へと手を伸ばすとまったく濡れている様子はなく
「ヒートも起きていない…これはいったい」
しばらくすると透が目を覚ました
服がはだけさせられているのを悟り、慌てて透は前を合わせて隠した
「み…見た?」
「見た。君はいったい誰?」
「お…オレは…」
「記憶では馨さんは女の子だったはずだけど?」
いろいろと言い訳が思い浮かんだがオレはすぐさま謝った。
「ごめん。馨はオレの双子のねーちゃんでオレは透。愛に生きるってメモ残していなくなっちゃって仕方なく」
「そうか分かった」
「怒んないの?」
「驚きはしたが…はなから形だけのつもりだったし。俺は女より男の方が好きでね…」
「え?男が好きって…」
「そ。女も抱けはするけど、いまいち燃えなくてね…君が男でむしろ好都合。君、Ωなんだろ?」
「うん…まだ発情期迎えてないけど一応」
「じゃあ妊娠するまでの少しだけ我慢してほしい。別に俺を好きになる必要はない」
「どう言う?」
「跡取りができればそれでいい。君の家は高遠家から援助を受けれる。取引だ」
「え?」
「やはりΩだな。意図が分からないか?俺はこの結婚にはまるで興味がない。だから君が馨だろうと透だろうとどうでもいい。ただ、親は跡取りを望む…だから産んでさえくれれば何も問題はない」
「そんな…子どもがかわいそうだろっ」
「堅く考えるなよ。気持ちのいいセックスをして子どもを作ってただ産むだけだ。そうしたらお互い自由だ」
「誰か好きな人がいるの?」
「そうだ。今回の件もひどく落ち込んでいる」
「じゃあその人に…」
「できたら苦労はしない。相手はαだ」
「α同士で?」
「幼馴染でね」
「エッチできるの?」
「なんだ?興味ある?」
「い…痛そうじゃん。痛くない?」
「挿れられたことは無いから分からないが…気持ちいいそうだ」
「怖いな…」
「お前はΩなんだからヒートに入れば勝手に濡れる。痛いわけがない」
「でもまだ発情期来てない。いつ来るのかも分かんない。抱くんでしょ?今から」
「抱かれたいか?」
「だって初夜なんでしょ?何もしなかったら疑われる」
「たしかにそうだな…ヒートが来た体になっているし…」
久成は指を噛み、出血させると布団に拭った
「何してる?」
「これで騙されるはずだ」
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