6 / 8
第1章~落ちこぼれと芋虫~
落ちこぼれに希望を
しおりを挟む
「瀬芹さん、とりあえず私にあまり関わらないでください。」
い私はその翡翠の瞳に向かって言った。
「どうして?」
「私はあなたの探してるアリスじゃないし、あまり関わりすぎるとあなたに迷惑かけるかもだし」
セキはキョトンとした顔をして
「そんなの関係ないよ、決めるのは俺。それにさっきの知った上でほっとくの出来ないから」
「いや、そういう偽善要らないんで。可哀想だと思うならほっといてください!」
急に自分の肩に経験したことのない男の手に掴まれる力強い重さがかかる。セキに自分の両肩を掴まれ、逃げ出すことが出来なくなった。
「可哀想とか偽善の気持ちじゃない!……から。」
「じゃあ何でですか?」
経験したことの無い恐怖を隠すかのように素っ気なく返す。
「だから、それは……。」
しどろもどろに返事に困るセキの顔は真っ赤でまるで林檎のようだった。
「とりあえず、俺は君を1人にしたくないんだ。ほんとに偽善じゃないから。隣にいさせてほし、いだけ」
真っ赤な顔と嘘のないまっすぐなその翡翠に私は何故か心打たれたような気持ちになった。
1人にしたくない、今まで言われたことのないその言葉は、いや、今まで偽善と同情心からしか言われなかったその言葉に込められた別の気持ちは私にとっての光のようだった。
「とりあえず、離してもらってもいいですか?」
「あ、ごめん。」
焦って手を肩から離す。
真剣な顔をしたり、赤くなったり、焦ったり、コロコロ変わる表情が何故か面白くてつい笑いが零れた。
「なんで笑うの!?」
「いや、何となくです。ふふっ。」
「てかさっきから敬語やめてよ、なんかもぞもぞする。」
「もぞもぞするのはあなたの方じゃないの?芋虫だし。」
「馬鹿にしてる!?」
「ごめん、冗談」
中庭にはさっきとは違う明るい笑い声が響いた。
________________________________
「もしもし、時計兎?」
その日の放課後、俺は部屋で昔からの腐れ縁のような仲の兎に電話をかける。
「いい加減、時計兎はやめてください。ちゃんとユキトって名前があるから。」
「はいはい、てかアリスはいなかったっぽい、けど」
「そうだったんだ、けど?」
「めちゃくちゃ可愛い子がいた!!」
「は?」
兎から間抜けな声がもれた。
「あのさ、隣の席なんだけど!アリスっていって、金髪のサラサラロングで小柄だけど目ぱっちりでおっきくってちょう可愛い!!」
「ちょっと落ち着いて?」
「それで、俺その子がアリスだったら嬉しいなー、名前アリスだし、って思ってアリスか聞こうとか思ったんだけど、かくかくしかじかでちょっと違ってたらしいんだけど、てかアリスの肩めちゃくちゃ細い!折れるかと思った!守ってあげたくなる。でさ、笑った顔とかもう天使だから!!もう、一目惚れ!!!」
「お願いだから黙って?」
そして俺の天使についての話はその後3時間にわたって行われた。
い私はその翡翠の瞳に向かって言った。
「どうして?」
「私はあなたの探してるアリスじゃないし、あまり関わりすぎるとあなたに迷惑かけるかもだし」
セキはキョトンとした顔をして
「そんなの関係ないよ、決めるのは俺。それにさっきの知った上でほっとくの出来ないから」
「いや、そういう偽善要らないんで。可哀想だと思うならほっといてください!」
急に自分の肩に経験したことのない男の手に掴まれる力強い重さがかかる。セキに自分の両肩を掴まれ、逃げ出すことが出来なくなった。
「可哀想とか偽善の気持ちじゃない!……から。」
「じゃあ何でですか?」
経験したことの無い恐怖を隠すかのように素っ気なく返す。
「だから、それは……。」
しどろもどろに返事に困るセキの顔は真っ赤でまるで林檎のようだった。
「とりあえず、俺は君を1人にしたくないんだ。ほんとに偽善じゃないから。隣にいさせてほし、いだけ」
真っ赤な顔と嘘のないまっすぐなその翡翠に私は何故か心打たれたような気持ちになった。
1人にしたくない、今まで言われたことのないその言葉は、いや、今まで偽善と同情心からしか言われなかったその言葉に込められた別の気持ちは私にとっての光のようだった。
「とりあえず、離してもらってもいいですか?」
「あ、ごめん。」
焦って手を肩から離す。
真剣な顔をしたり、赤くなったり、焦ったり、コロコロ変わる表情が何故か面白くてつい笑いが零れた。
「なんで笑うの!?」
「いや、何となくです。ふふっ。」
「てかさっきから敬語やめてよ、なんかもぞもぞする。」
「もぞもぞするのはあなたの方じゃないの?芋虫だし。」
「馬鹿にしてる!?」
「ごめん、冗談」
中庭にはさっきとは違う明るい笑い声が響いた。
________________________________
「もしもし、時計兎?」
その日の放課後、俺は部屋で昔からの腐れ縁のような仲の兎に電話をかける。
「いい加減、時計兎はやめてください。ちゃんとユキトって名前があるから。」
「はいはい、てかアリスはいなかったっぽい、けど」
「そうだったんだ、けど?」
「めちゃくちゃ可愛い子がいた!!」
「は?」
兎から間抜けな声がもれた。
「あのさ、隣の席なんだけど!アリスっていって、金髪のサラサラロングで小柄だけど目ぱっちりでおっきくってちょう可愛い!!」
「ちょっと落ち着いて?」
「それで、俺その子がアリスだったら嬉しいなー、名前アリスだし、って思ってアリスか聞こうとか思ったんだけど、かくかくしかじかでちょっと違ってたらしいんだけど、てかアリスの肩めちゃくちゃ細い!折れるかと思った!守ってあげたくなる。でさ、笑った顔とかもう天使だから!!もう、一目惚れ!!!」
「お願いだから黙って?」
そして俺の天使についての話はその後3時間にわたって行われた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
大賢者アリアナの大冒険~もふもふパラダイス~
akechi
ファンタジー
実の親に殺されそうになっていた赤子は竜族の長に助けられて、そのまま竜の里で育てられた。アリアナと名付けられたその可愛いらしい女の子は持ち前の好奇心旺盛さを発揮して、様々な種族と出会い、交流を深めていくお話です。
【転生皇女は冷酷な皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!】のスピンオフです👍️アレクシアの前世のお話です🙋
※コメディ寄りです
本当の外れスキルのスロー生活物語
転定妙用
ファンタジー
「箱庭環境操作」という外れスキルしかないエバンズ公爵家の長男オズワルドは、跡継ぎの座を追われて、辺境の小さな土地を与えられて・・・。しかし、そのスキルは実は・・・ということも、成り上がれるものでもなく・・・、スローライフすることしかできないものだった。これは、実は屑スキルが最強スキルというものではなく、成り上がるというものでもなく、まあ、一応追放?ということで辺境で、色々なことが降りかかりつつ、何とか本当にスローライフする物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる