7 / 8
第2章~落ちこぼれの覚醒の時!?~
落ちこぼれとForest Elfの強制軍編成試験
しおりを挟む
転校生と仲良く?なってから数日が過ぎた。
私にとってこの日以上に嫌な日はないと言える日がやって来た。
それは──Forest Elf、この国で行われる他の国との戦争のための軍編成の強制試験──。
この国は他の国に比べると戦力が足りていない。つまり、力のある人材を常に求めている。今のところは、赤ずきんや白雪姫の能力保持者がいるらしいが、他の国にはそんな主人公ランクの能力保持者が普通に5,6人はいるらしい。
要はそのために全ての子供達を毎年同じ日に集め、トーナメント戦で勝敗をつけ、編成するんだそうだ。私?もちろん毎回一回戦敗退だよ?一番酷かったときには身体中あちこちボロボロになった病院に入院したこともあるくらい。
そんなわけで毎年私はこの日が嫌いだ。
ベッドから気の重さと眠気でだるい体を起こして着替える。
白のロゴの入ったTシャツの上に空色の薄い長袖のパーカーに袖を通して、動きやすいショートパンツを身につける。
一応相手から逃げ回るために食事は軽くする。
「じゃあ、行ってきます。」
いつの日か逝ってきますになりそうだけれど。
________________________________
試験会場に着くとセキが入り口に立っていた。
セキはやはり芋虫の能力だと言うのが分かる装飾の入ったキセルに深緑色のフードマントを羽織っていた。よく見ると模様がまるでアゲハ蝶の幼虫のようになっている。苗字は瀬芹でセセリチョウのくせに。
セキは私に気づいて近づいてきた。
「あ、アリスおはよう」
「……おはよ」
「大丈夫!?顔死んでる!!」
「大丈夫だよ、今年は一体何本骨折るだけで済むか予想してたとこ。」
それを聞いたセキは
「大丈夫だよ、何かあったら俺が止めるよ。」
そう笑って言ってくれた。そして、小さくやったやつ全員血祭りにあげてやる、と呟きが聞こえたような気もした。
「ありがと、まあ私もそれなりに頑張るけど。」
なんせ今日の相手は一番ひどい怪我になった年の相手だから。
入り口に貼られたトーナメント表の自分の対戦相手を見て、気を落とした。
相手は白雪姫の魔法の鏡の能力保持者、つまりはそこそこのランクの人間だ。名前はカレン=グラス。多分、顔は普通くらいだったけれど、性格は最低だった気がする。前に武器である鏡での攻撃で足を動けなくしてからその後ぼこぼこにされたから。
私は今日ちゃんと生きて帰れるようにお守りである金色の鍵のペンダントを握りしめて、信じていない神に祈った。
頭に軽く何かがのる感触がした。
「アリス、大丈夫だから」
セキが私のリボンのついた金髪を撫でながらそう言った。
「そうだね」
私は頭を撫でるセキの手を両手で握りしめた。
私にとってこの日以上に嫌な日はないと言える日がやって来た。
それは──Forest Elf、この国で行われる他の国との戦争のための軍編成の強制試験──。
この国は他の国に比べると戦力が足りていない。つまり、力のある人材を常に求めている。今のところは、赤ずきんや白雪姫の能力保持者がいるらしいが、他の国にはそんな主人公ランクの能力保持者が普通に5,6人はいるらしい。
要はそのために全ての子供達を毎年同じ日に集め、トーナメント戦で勝敗をつけ、編成するんだそうだ。私?もちろん毎回一回戦敗退だよ?一番酷かったときには身体中あちこちボロボロになった病院に入院したこともあるくらい。
そんなわけで毎年私はこの日が嫌いだ。
ベッドから気の重さと眠気でだるい体を起こして着替える。
白のロゴの入ったTシャツの上に空色の薄い長袖のパーカーに袖を通して、動きやすいショートパンツを身につける。
一応相手から逃げ回るために食事は軽くする。
「じゃあ、行ってきます。」
いつの日か逝ってきますになりそうだけれど。
________________________________
試験会場に着くとセキが入り口に立っていた。
セキはやはり芋虫の能力だと言うのが分かる装飾の入ったキセルに深緑色のフードマントを羽織っていた。よく見ると模様がまるでアゲハ蝶の幼虫のようになっている。苗字は瀬芹でセセリチョウのくせに。
セキは私に気づいて近づいてきた。
「あ、アリスおはよう」
「……おはよ」
「大丈夫!?顔死んでる!!」
「大丈夫だよ、今年は一体何本骨折るだけで済むか予想してたとこ。」
それを聞いたセキは
「大丈夫だよ、何かあったら俺が止めるよ。」
そう笑って言ってくれた。そして、小さくやったやつ全員血祭りにあげてやる、と呟きが聞こえたような気もした。
「ありがと、まあ私もそれなりに頑張るけど。」
なんせ今日の相手は一番ひどい怪我になった年の相手だから。
入り口に貼られたトーナメント表の自分の対戦相手を見て、気を落とした。
相手は白雪姫の魔法の鏡の能力保持者、つまりはそこそこのランクの人間だ。名前はカレン=グラス。多分、顔は普通くらいだったけれど、性格は最低だった気がする。前に武器である鏡での攻撃で足を動けなくしてからその後ぼこぼこにされたから。
私は今日ちゃんと生きて帰れるようにお守りである金色の鍵のペンダントを握りしめて、信じていない神に祈った。
頭に軽く何かがのる感触がした。
「アリス、大丈夫だから」
セキが私のリボンのついた金髪を撫でながらそう言った。
「そうだね」
私は頭を撫でるセキの手を両手で握りしめた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
大賢者アリアナの大冒険~もふもふパラダイス~
akechi
ファンタジー
実の親に殺されそうになっていた赤子は竜族の長に助けられて、そのまま竜の里で育てられた。アリアナと名付けられたその可愛いらしい女の子は持ち前の好奇心旺盛さを発揮して、様々な種族と出会い、交流を深めていくお話です。
【転生皇女は冷酷な皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!】のスピンオフです👍️アレクシアの前世のお話です🙋
※コメディ寄りです
本当の外れスキルのスロー生活物語
転定妙用
ファンタジー
「箱庭環境操作」という外れスキルしかないエバンズ公爵家の長男オズワルドは、跡継ぎの座を追われて、辺境の小さな土地を与えられて・・・。しかし、そのスキルは実は・・・ということも、成り上がれるものでもなく・・・、スローライフすることしかできないものだった。これは、実は屑スキルが最強スキルというものではなく、成り上がるというものでもなく、まあ、一応追放?ということで辺境で、色々なことが降りかかりつつ、何とか本当にスローライフする物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる