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強欲な姉
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両親と姉は、何も知らずに我が家に輿入れして来た婚約者を、笑顔で出迎えている。
彼が持って来た持参金は、婚姻する迄は手を付ける事が出来ない。
きっと、機嫌を取って、前借りしようと企んでいるのでしょうね。
お姉様も、私の婚約者だと言うのに、猫なで声で甘えているわ。
確かに姉は、綺麗な人だとは思います。
毎日丁寧に手入れされている金色の髪も、碧眼もお姫様みたいだけれど、それだけなのよ。
姉と遊びたがる令息は沢山いるけれど、婚約の話になると、ちっとも進まないのですもの。
姉が勘違いをして、何を高望みしているのかは、知らないけれど…
高位令息達が望むのは、上品で教養がある、淑やかな令嬢なの。
贅沢で遊び好きな癖に、教養も無いお姉様なんて、相手にされていないのです。
あと男爵家と言うのも、高位令息から見たら、入り婿先から除外される様です。
多分、その事を知らないのでしょうね。
パーティで声を掛けられたら、簡単に付いて行くのですもの。
婿入りしたいと来る釣書は、何処も同じ男爵家の令息ばかりで、お写真を見ただけでお姉様は断ってしまうの。
だから彼は、我が家には勿体ない位の、良い縁談でしたのよ。
お姉様が断って下さったお陰で、私は婚約者を得る事が出来たから、そこはとても感謝しているわ。
それにしても…
お父様達が出て行った後も、お姉様は部屋に残って何時迄べったりと張り付いているのかしら?
「お姉様、アルバート様は、私の婚約者なのです。幾ら姉でも、その様な振る舞いはご遠慮ください。アルバート様が困っておりますわ」
「やだぁ。焼きもち?私に取られちゃうって、思っているんでしょう。可哀想だけれど、貴方の見た目では、私に目移りされても仕方がないのよ」
確かに私は、瞳の色はお姉様と同じだけれど、茶髪で冴えない顔立ちです。
けれど、彼は入り婿として男爵家へ来たのですから、パーティで声を掛けて来る遊び目的の令息達と一緒にしないで欲しいのです。
「そ、その様な事はありません。お義姉様は綺麗な方だと、思いますが…」
「ほら、御覧なさい。聞いたでしょう、シェリル、残念だったわね。アルバート、私にプレゼントを渡す権利を、あげますわ。そうね…今流行りのドレスを4~5着、仕立てさせてあげるわ」
「何を言っているの?今流行りのドレスって、一着幾らすると思っているのよ…」
私は実姉の言動に、呆れてそれ以上言葉が出ませんでした。
お姉様は上機嫌で、部屋を出て行きました。
言葉を遮られたアルバート様が、困惑されてしまったのは、仕方の無い事ですね。
「シェリル様、申し訳ありません。僕が言葉足らずなばかりに…」
「アルバート様、こちらこそ申し訳ありません。姉の言葉は聞き流して頂けないでしょうか?」
「ですが…ドレスを頼まれてしまいました…貴族とは、婚約者でも無い方にでも、身に着ける物をプレゼントするのでしょうか?マナーも分からず、不躾な質問をしてしまい、すみません」
「いいえ、不躾なのは姉の方です。貴族でも、ドレスを仕立てるのは、婚約者にだけですわ。例え婚約者の姉妹だとしても、高価なプレゼントは送りません。不貞を疑われてしまいますもの」
「それは困ります!僕は、シェリル様の婚約者として、此処に来たのです。不貞を疑われる様な事は、絶対に致しません。僕は、どうしたら良いのでしょう」
「本当にすみません。姉には私から話をしておきますから、アルバート様は何もしなくて大丈夫ですよ」
「ありがとうございます。頼りにならない男で、すみません…」
アルバート様が悪い訳ではないのに、シュンとしてしまって、可哀想だわ。
お姉様ったら、初日からこんな騒ぎを起こすなんて、私は気が重くなりました。
彼が持って来た持参金は、婚姻する迄は手を付ける事が出来ない。
きっと、機嫌を取って、前借りしようと企んでいるのでしょうね。
お姉様も、私の婚約者だと言うのに、猫なで声で甘えているわ。
確かに姉は、綺麗な人だとは思います。
毎日丁寧に手入れされている金色の髪も、碧眼もお姫様みたいだけれど、それだけなのよ。
姉と遊びたがる令息は沢山いるけれど、婚約の話になると、ちっとも進まないのですもの。
姉が勘違いをして、何を高望みしているのかは、知らないけれど…
高位令息達が望むのは、上品で教養がある、淑やかな令嬢なの。
贅沢で遊び好きな癖に、教養も無いお姉様なんて、相手にされていないのです。
あと男爵家と言うのも、高位令息から見たら、入り婿先から除外される様です。
多分、その事を知らないのでしょうね。
パーティで声を掛けられたら、簡単に付いて行くのですもの。
婿入りしたいと来る釣書は、何処も同じ男爵家の令息ばかりで、お写真を見ただけでお姉様は断ってしまうの。
だから彼は、我が家には勿体ない位の、良い縁談でしたのよ。
お姉様が断って下さったお陰で、私は婚約者を得る事が出来たから、そこはとても感謝しているわ。
それにしても…
お父様達が出て行った後も、お姉様は部屋に残って何時迄べったりと張り付いているのかしら?
「お姉様、アルバート様は、私の婚約者なのです。幾ら姉でも、その様な振る舞いはご遠慮ください。アルバート様が困っておりますわ」
「やだぁ。焼きもち?私に取られちゃうって、思っているんでしょう。可哀想だけれど、貴方の見た目では、私に目移りされても仕方がないのよ」
確かに私は、瞳の色はお姉様と同じだけれど、茶髪で冴えない顔立ちです。
けれど、彼は入り婿として男爵家へ来たのですから、パーティで声を掛けて来る遊び目的の令息達と一緒にしないで欲しいのです。
「そ、その様な事はありません。お義姉様は綺麗な方だと、思いますが…」
「ほら、御覧なさい。聞いたでしょう、シェリル、残念だったわね。アルバート、私にプレゼントを渡す権利を、あげますわ。そうね…今流行りのドレスを4~5着、仕立てさせてあげるわ」
「何を言っているの?今流行りのドレスって、一着幾らすると思っているのよ…」
私は実姉の言動に、呆れてそれ以上言葉が出ませんでした。
お姉様は上機嫌で、部屋を出て行きました。
言葉を遮られたアルバート様が、困惑されてしまったのは、仕方の無い事ですね。
「シェリル様、申し訳ありません。僕が言葉足らずなばかりに…」
「アルバート様、こちらこそ申し訳ありません。姉の言葉は聞き流して頂けないでしょうか?」
「ですが…ドレスを頼まれてしまいました…貴族とは、婚約者でも無い方にでも、身に着ける物をプレゼントするのでしょうか?マナーも分からず、不躾な質問をしてしまい、すみません」
「いいえ、不躾なのは姉の方です。貴族でも、ドレスを仕立てるのは、婚約者にだけですわ。例え婚約者の姉妹だとしても、高価なプレゼントは送りません。不貞を疑われてしまいますもの」
「それは困ります!僕は、シェリル様の婚約者として、此処に来たのです。不貞を疑われる様な事は、絶対に致しません。僕は、どうしたら良いのでしょう」
「本当にすみません。姉には私から話をしておきますから、アルバート様は何もしなくて大丈夫ですよ」
「ありがとうございます。頼りにならない男で、すみません…」
アルバート様が悪い訳ではないのに、シュンとしてしまって、可哀想だわ。
お姉様ったら、初日からこんな騒ぎを起こすなんて、私は気が重くなりました。
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