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ハロルドの限界(ハロルド視点)
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私の心は、限界に近かった。
初夜の日に間違いを犯してしまった事を、キャロラインは酷く怒っている様だ。
メリーから受け取った手紙には、声も聞きたくないと書いてあった。
直接謝りたいとメリーに伝えたのだが、顔も見たくないらしく客間を転々としていて、何処に居るのかすら教えてくれないのだ。
そしてキャロラインの事は、メリー以外には聞くなとも書かれていた。
メイド長と侍女長が彼女の世話を手伝っている様だが、彼女たちも固く口を閉じていて、一切キャロラインの事を話そうとはしないのだ。
同じ屋敷に住んでいるのに、会えないのはおかしいだろうと手紙を書いたのだが、暫くはそっとしておいて欲しいと返事が来た。
それだけでは無い。
キャロラインの為に用意していた続き部屋を、メリーに使わせてあげて欲しいとまで書いてあった。
あの部屋には、輿入れの時に送られて来た、調度品やドレスが置いてある。
キャロラインは伯爵家の両親が用意した物は、一切必要無いと言っているのだ。
婚約者であった時から手紙一通を出すにしても、父親から許可が下りないと出せないと言っていた。
侍女たちは監視役で、本当の気持ちを伝えられるのはメリーしか居ないと、嘆いていたのだ。
封蝋がされている手紙は全て偽りで、メリーが持って来た手紙に本心をしたためていると書いてあった。
結婚後も伯爵からは、日を追う毎に届く手紙も多くなっている。
キャロラインも返事を書いてはいる様だが、面会は頑なに拒絶しているのだ。
私は妻になるキャロラインの為に続き部屋を空けているので、メリーには使わせたくはないと断ったのだが、願いを叶えてくれないのならば実家に戻ると返事が来た。
頑なに面会を断り窮屈だと嫌っていた伯爵邸よりも、侯爵邸は居心地が悪いと言う事なのだろうか?
そんな馬鹿な事があるのだろうかと感じてはいたが、キャロラインを手放したくはないので、仕方なくメリーに続き部屋を明け渡したのだ。
その途端、メリーはまるで女主人にでもなったかの様に、着飾った。
キャロラインのドレスを纏い、キャロラインの装身具を身に着けているメリーを、私は直視出来なかった。
しかし食事までメリーと一緒に摂る様にと、手紙に書いて寄こしたのだ。
流石にあり得ないだろうと抗議の手紙を出したのだが、私が他にも女性を侍らせていないかの確認をしたいと言われてしまっては、断れないではないか。
一体何時まで、メリーを女主人の様に扱わなければいけないのだ?
メリーの機嫌を損ねない様に、食事の時間だけではなく、お茶の時間までも楽しく過ごして欲しいと書いてある。
侯爵邸の使用人たちは、愛妾であるメリーを大切にして、正妻であるキャロラインを邪魔にしていると思い始めていた。
その為か、メリーを奥様、若しくはメリー様と呼んでいる者も出て来たのだ。
流石に此処まで来たら、私も我慢の限界に達していた。
いくらキャロラインの機嫌を取る為とは言え、愛妾であるメリーを優先する事に限界を感じたのだ。
これ以上彼女の我儘を聞く位なら、いっそのこと実家に戻ってお互いに頭を冷やした方が良いと思ったのだ。
キャロライン様の為と言いながらネットリとした視線を向け、甘ったるい声で擦り寄って来るメリーにも、嫌気が差していた。
初夜の日に間違いを犯してしまった事を、キャロラインは酷く怒っている様だ。
メリーから受け取った手紙には、声も聞きたくないと書いてあった。
直接謝りたいとメリーに伝えたのだが、顔も見たくないらしく客間を転々としていて、何処に居るのかすら教えてくれないのだ。
そしてキャロラインの事は、メリー以外には聞くなとも書かれていた。
メイド長と侍女長が彼女の世話を手伝っている様だが、彼女たちも固く口を閉じていて、一切キャロラインの事を話そうとはしないのだ。
同じ屋敷に住んでいるのに、会えないのはおかしいだろうと手紙を書いたのだが、暫くはそっとしておいて欲しいと返事が来た。
それだけでは無い。
キャロラインの為に用意していた続き部屋を、メリーに使わせてあげて欲しいとまで書いてあった。
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侍女たちは監視役で、本当の気持ちを伝えられるのはメリーしか居ないと、嘆いていたのだ。
封蝋がされている手紙は全て偽りで、メリーが持って来た手紙に本心をしたためていると書いてあった。
結婚後も伯爵からは、日を追う毎に届く手紙も多くなっている。
キャロラインも返事を書いてはいる様だが、面会は頑なに拒絶しているのだ。
私は妻になるキャロラインの為に続き部屋を空けているので、メリーには使わせたくはないと断ったのだが、願いを叶えてくれないのならば実家に戻ると返事が来た。
頑なに面会を断り窮屈だと嫌っていた伯爵邸よりも、侯爵邸は居心地が悪いと言う事なのだろうか?
そんな馬鹿な事があるのだろうかと感じてはいたが、キャロラインを手放したくはないので、仕方なくメリーに続き部屋を明け渡したのだ。
その途端、メリーはまるで女主人にでもなったかの様に、着飾った。
キャロラインのドレスを纏い、キャロラインの装身具を身に着けているメリーを、私は直視出来なかった。
しかし食事までメリーと一緒に摂る様にと、手紙に書いて寄こしたのだ。
流石にあり得ないだろうと抗議の手紙を出したのだが、私が他にも女性を侍らせていないかの確認をしたいと言われてしまっては、断れないではないか。
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これ以上彼女の我儘を聞く位なら、いっそのこと実家に戻ってお互いに頭を冷やした方が良いと思ったのだ。
キャロライン様の為と言いながらネットリとした視線を向け、甘ったるい声で擦り寄って来るメリーにも、嫌気が差していた。
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