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第一王子との婚約
帝国から嫁いで来た皇族の血を引く令嬢が、離縁して母国へ帰ってしまった事に慌てた王家は、友好の証が途切れない様キャサリンの娘と第一王子アルフレッドとの婚姻を進める事にした。
こうしてマルゲリーターが六歳になったとき、王家から公爵家に正式な婚約の打診があったのだ。
「アマンダ!遂に王家から婚約の打診が来たぞ。アルフレッド殿下と歳の近い令嬢の中で、マルゲリーターが選ばれたのだ。婚約者候補ではなく、正式な婚約者としてだ」
「やったわ、どんなにこの日を待ちわびたか。もちろん断ったりなどしないでしょうね?」
「当たり前だろう。この為にキャサリンを孕ませたのだからな。私たちは、未来の王妃の親になるのだ。マルゲリーターも喜ぶだろう」
公爵は待ってましたとばかりにこの話に飛び付き、何も考えずに意気揚々と了承したのだ。
そして王宮にて、国王の前で正式な婚約者としての書類に署名をしてしまったのである。
国王も満足したのか、書類を眺めて饒舌に公爵へと話しかけてきた。
「オルターナ公爵。これでアルフレッドとマルゲリーターとの婚約は、正式なものとなった。翌月からはアルフレッドとの親睦を深める為の茶会も行われるだろう。十歳になれば、妃教育も始まる。態々言う事でも無いが、公爵令嬢としては勿論だが、皇帝の縁者としても恥ずかしくはない様に教育を施しておくように」
国王の意味が理解出来なかったオルターナ公爵は、思わず聞き返してしまった。
「皇帝の縁者でございますか?」
「そうだ。キャサリンは、お前の不貞で出戻ってしまったからな、ここで巻き返さなければならぬ。ルーカスは既にアルフレッドの側近として素晴らしい才覚を発揮し、アルフレッドとの仲も良い事から、将来を楽しみにしておるのだ。アルフレッドの治世を助け、共に良い国を作る為に、真血を注いでくれる事だろう。そこへマルゲリーターが妃として嫁いで来るのだからな、帝国との絆も盤石となるであろう」
国王は帝国との友好を途絶えさせない為に、キャサリンの血を引く娘を婚約者に選んだのだと知った公爵は、背筋が凍り付く思いだった。
この一年アマンダはマルゲリーターを連れて、数え切れない程の茶会やパーティへ出かけており、公爵邸でも茶会やパーティを開いていたのだ。
今更孤児院からキャサリンの娘を連れて来たとしても、二人の娘の説明を付ける事等出来る筈も無いのである。
何より、アマンダもマルゲリーターも、納得はしないだろう。
今は上手く誤魔化したとしても、将来マルゲリーターの産んだ子が、アマンダの家系に似ていたらと思うと気が気ではない。
既に手遅れで、後戻りが出来ない状況に陥ってしまったと後悔しても遅かったのである。
公爵は、今頃になって己の仕出かした事の重大性を、知るのだった。
顔色を悪くしながら王宮から戻って来た公爵を、満面の笑みでアマンダとマルゲリーターは出迎えた。
「お父様、私は王妃になるのでしょう。王子様の婚約者になったのよね?そうでしょう」
「ああ…そうだね」
「やった~お母様、私王妃になるのよ。凄いでしょう、この国で一番偉い人になるの」
「良かったわね、マルゲリーター。お母様も嬉しいわ」
「アマンダ、話がある」
公爵は、アマンダを私室に連れて行き、人払いをして事の顛末を告げた。
「それで、何か問題でもあるの?」
「問題しか無いだろう!マルゲリーターは、キャサリンの娘ではないのだぞ」
「当たり前じゃない。あんな下衆な女の娘なんて、要らないわ」
「そんな事を言っているのではない!王家は皇族の血筋を望んでおり、アマンダの血筋を望んではいないのだ!マルゲリーターの産んだ子が、お前に似ていたらどう説明をする気だ!」
「そんな事、私に関係ないじゃない。王家に嫁いでしまえば、追い出される事なんてないわよ。生まれてくる子供は王族の血を引いているのだから、何も問題なんて起きないわ」
「そんな事を言っているのではない。庶子を嫡子だと偽った事が、明るみになってしまうと言っているのだ」
「だから何?あの子が世継ぎを産むのなんて、ずっと先の話でしょう。その頃には誰もあの下衆女の事なんて忘れているわよ」
公爵は、一体誰と何の話をしているのかと、不思議に思った。
ここまで会話が成り立たないと、一層清々しくさえ感じるものだと、おかしなところで感心してしまったのである。
この女に何を言っても無駄なのだと、匙を投げるのも早かった。
願わくば、マルゲリーターがアルフレッド殿下によく似た子だけを産んで欲しいと、祈るのだった。
ルーカスは、いつもの様に王宮を訪ねていた。
「ごきげんよう、ルーカス。私の婚約が、無事に整ったよ。残念ながら、相手は君が毛嫌いしている、マルゲリーターに決まってしまった」
「そんな…彼奴は王妃になれる器では無いと、何度も言っただろう」
「父上には話をしたよ。でもね、マルゲリーターは、キャサリンの娘だろう。父上はどうしても、皇族の血筋を王家に入れたいらしい。教養は、家庭教師を付ける事で何とでもなるだろうが、血筋だけはどうにもならない」
ルーカスは、この事実を知って愕然とした。
暫し悩んだが、親友でもありこの国の第一王子でもあるアルフレッドに、別邸に居た女の子の存在を告げた。
しかしマルゲリーターが公爵の娘である事は、誰が見ても明らか過ぎるほど父娘はよく似ていた。
逆にルーカスの方は驚くほどキャサリンに似ており、生まれた時に公爵の面影があったから大事にはならなかったが、今のルーカスの方が不貞の子と言われても不思議ではなかったのだ。
王家が望んでいるのは帝国の血を引く娘であり、公爵家の娘ではない事を理解していても、こんな状況でマルゲリーターがキャサリンの娘ではないと証明する事は難しい。
まして別邸にいた女の子がどこに居るのか、生きていているのかすらも分からない以上、ルーカスの記憶だけでは証拠にはならない。
アルフレッドが第一王子だとしても、公爵家にあらぬ罪を被せる様な真似は出来る筈も無く、時だけが無情に過ぎていったのだ。
そしてマルゲリーターの王子妃教育が始まったのだが、元々勉強嫌いで辛抱できない性質の所為か、歳の割に公爵令嬢としての基本すら身に付いていなかった。
その事に驚愕した教育係は公爵夫妻に訴えたのだが、マルゲリーターを溺愛している彼らには聞き入れてもらう事が難しく、皆早々に見切りを付けて辞めて行ってしまう始末。
それでも兄であるルーカスが優秀で、世継ぎとしてもアルフレッドの側近としての信頼も厚く、妹の尻拭い位はするだろうと楽観視していたのだ。
既に尻拭い云々言えるレベルではないと言う事を、公爵夫妻は気付いてもいないのである。
マルゲリーターは非常に面倒臭い性格でもある為、使用人たちが一切彼女に逆らわない事も、公爵夫妻の判断を鈍らせる材料になっていた。
それが顕著に現れたのは、十五歳になり王立学園に入る為の試験を受けた時だった。
成績の良い者から順番にクラスが決められて行くのだが、誰もがそこに入ると疑っていなかった、入って当たり前だと思われていた成績優秀者クラスにマルゲリーターは入る事が出来なかったのだ。
それどころか王立学園の試験に落ちた事を知らせる通知が公爵邸に届いた時は、何かの間違いではないかと疑った位だ。
しかし王立学園の試験は厳しく行われる為、不正をする事など出来る筈も無く、まして公爵令嬢の答案に細工をする事も不可能であった。
何よりマルゲリーターの教育を担当していた者たちが、口を揃えて学力が足りないと言っていたのだから、その時点で気付くべき事だったのだ。
しかし今更気付いたところで公爵家と言えども、国が運営する学園の試験結果を捻じ曲げる事は出来ない。
この時になって初めてマルゲリーターの出来が悪いと、前代未聞の最悪な結果に頭を抱えても、遅かったのである。
こうしてマルゲリーターが六歳になったとき、王家から公爵家に正式な婚約の打診があったのだ。
「アマンダ!遂に王家から婚約の打診が来たぞ。アルフレッド殿下と歳の近い令嬢の中で、マルゲリーターが選ばれたのだ。婚約者候補ではなく、正式な婚約者としてだ」
「やったわ、どんなにこの日を待ちわびたか。もちろん断ったりなどしないでしょうね?」
「当たり前だろう。この為にキャサリンを孕ませたのだからな。私たちは、未来の王妃の親になるのだ。マルゲリーターも喜ぶだろう」
公爵は待ってましたとばかりにこの話に飛び付き、何も考えずに意気揚々と了承したのだ。
そして王宮にて、国王の前で正式な婚約者としての書類に署名をしてしまったのである。
国王も満足したのか、書類を眺めて饒舌に公爵へと話しかけてきた。
「オルターナ公爵。これでアルフレッドとマルゲリーターとの婚約は、正式なものとなった。翌月からはアルフレッドとの親睦を深める為の茶会も行われるだろう。十歳になれば、妃教育も始まる。態々言う事でも無いが、公爵令嬢としては勿論だが、皇帝の縁者としても恥ずかしくはない様に教育を施しておくように」
国王の意味が理解出来なかったオルターナ公爵は、思わず聞き返してしまった。
「皇帝の縁者でございますか?」
「そうだ。キャサリンは、お前の不貞で出戻ってしまったからな、ここで巻き返さなければならぬ。ルーカスは既にアルフレッドの側近として素晴らしい才覚を発揮し、アルフレッドとの仲も良い事から、将来を楽しみにしておるのだ。アルフレッドの治世を助け、共に良い国を作る為に、真血を注いでくれる事だろう。そこへマルゲリーターが妃として嫁いで来るのだからな、帝国との絆も盤石となるであろう」
国王は帝国との友好を途絶えさせない為に、キャサリンの血を引く娘を婚約者に選んだのだと知った公爵は、背筋が凍り付く思いだった。
この一年アマンダはマルゲリーターを連れて、数え切れない程の茶会やパーティへ出かけており、公爵邸でも茶会やパーティを開いていたのだ。
今更孤児院からキャサリンの娘を連れて来たとしても、二人の娘の説明を付ける事等出来る筈も無いのである。
何より、アマンダもマルゲリーターも、納得はしないだろう。
今は上手く誤魔化したとしても、将来マルゲリーターの産んだ子が、アマンダの家系に似ていたらと思うと気が気ではない。
既に手遅れで、後戻りが出来ない状況に陥ってしまったと後悔しても遅かったのである。
公爵は、今頃になって己の仕出かした事の重大性を、知るのだった。
顔色を悪くしながら王宮から戻って来た公爵を、満面の笑みでアマンダとマルゲリーターは出迎えた。
「お父様、私は王妃になるのでしょう。王子様の婚約者になったのよね?そうでしょう」
「ああ…そうだね」
「やった~お母様、私王妃になるのよ。凄いでしょう、この国で一番偉い人になるの」
「良かったわね、マルゲリーター。お母様も嬉しいわ」
「アマンダ、話がある」
公爵は、アマンダを私室に連れて行き、人払いをして事の顛末を告げた。
「それで、何か問題でもあるの?」
「問題しか無いだろう!マルゲリーターは、キャサリンの娘ではないのだぞ」
「当たり前じゃない。あんな下衆な女の娘なんて、要らないわ」
「そんな事を言っているのではない!王家は皇族の血筋を望んでおり、アマンダの血筋を望んではいないのだ!マルゲリーターの産んだ子が、お前に似ていたらどう説明をする気だ!」
「そんな事、私に関係ないじゃない。王家に嫁いでしまえば、追い出される事なんてないわよ。生まれてくる子供は王族の血を引いているのだから、何も問題なんて起きないわ」
「そんな事を言っているのではない。庶子を嫡子だと偽った事が、明るみになってしまうと言っているのだ」
「だから何?あの子が世継ぎを産むのなんて、ずっと先の話でしょう。その頃には誰もあの下衆女の事なんて忘れているわよ」
公爵は、一体誰と何の話をしているのかと、不思議に思った。
ここまで会話が成り立たないと、一層清々しくさえ感じるものだと、おかしなところで感心してしまったのである。
この女に何を言っても無駄なのだと、匙を投げるのも早かった。
願わくば、マルゲリーターがアルフレッド殿下によく似た子だけを産んで欲しいと、祈るのだった。
ルーカスは、いつもの様に王宮を訪ねていた。
「ごきげんよう、ルーカス。私の婚約が、無事に整ったよ。残念ながら、相手は君が毛嫌いしている、マルゲリーターに決まってしまった」
「そんな…彼奴は王妃になれる器では無いと、何度も言っただろう」
「父上には話をしたよ。でもね、マルゲリーターは、キャサリンの娘だろう。父上はどうしても、皇族の血筋を王家に入れたいらしい。教養は、家庭教師を付ける事で何とでもなるだろうが、血筋だけはどうにもならない」
ルーカスは、この事実を知って愕然とした。
暫し悩んだが、親友でもありこの国の第一王子でもあるアルフレッドに、別邸に居た女の子の存在を告げた。
しかしマルゲリーターが公爵の娘である事は、誰が見ても明らか過ぎるほど父娘はよく似ていた。
逆にルーカスの方は驚くほどキャサリンに似ており、生まれた時に公爵の面影があったから大事にはならなかったが、今のルーカスの方が不貞の子と言われても不思議ではなかったのだ。
王家が望んでいるのは帝国の血を引く娘であり、公爵家の娘ではない事を理解していても、こんな状況でマルゲリーターがキャサリンの娘ではないと証明する事は難しい。
まして別邸にいた女の子がどこに居るのか、生きていているのかすらも分からない以上、ルーカスの記憶だけでは証拠にはならない。
アルフレッドが第一王子だとしても、公爵家にあらぬ罪を被せる様な真似は出来る筈も無く、時だけが無情に過ぎていったのだ。
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その事に驚愕した教育係は公爵夫妻に訴えたのだが、マルゲリーターを溺愛している彼らには聞き入れてもらう事が難しく、皆早々に見切りを付けて辞めて行ってしまう始末。
それでも兄であるルーカスが優秀で、世継ぎとしてもアルフレッドの側近としての信頼も厚く、妹の尻拭い位はするだろうと楽観視していたのだ。
既に尻拭い云々言えるレベルではないと言う事を、公爵夫妻は気付いてもいないのである。
マルゲリーターは非常に面倒臭い性格でもある為、使用人たちが一切彼女に逆らわない事も、公爵夫妻の判断を鈍らせる材料になっていた。
それが顕著に現れたのは、十五歳になり王立学園に入る為の試験を受けた時だった。
成績の良い者から順番にクラスが決められて行くのだが、誰もがそこに入ると疑っていなかった、入って当たり前だと思われていた成績優秀者クラスにマルゲリーターは入る事が出来なかったのだ。
それどころか王立学園の試験に落ちた事を知らせる通知が公爵邸に届いた時は、何かの間違いではないかと疑った位だ。
しかし王立学園の試験は厳しく行われる為、不正をする事など出来る筈も無く、まして公爵令嬢の答案に細工をする事も不可能であった。
何よりマルゲリーターの教育を担当していた者たちが、口を揃えて学力が足りないと言っていたのだから、その時点で気付くべき事だったのだ。
しかし今更気付いたところで公爵家と言えども、国が運営する学園の試験結果を捻じ曲げる事は出来ない。
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