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幼い日の思い出
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ルーカスは、初めて別邸でエレインに会った日の事を思い出していた。
物心がついた頃から母と妹は体調が悪く別邸で療養していると父から聞かされており、病が移ると大変だからと言われ近づく事さえ禁じられていたのである。
どんなに寂しくとも母には会わせてもらえず、次期公爵として厳しく躾けられ、毎日くたくたになるまで勉強と剣術に明け暮れていたのだ。
そんな時、使用人たちの立ち話を聞いてしまう。
『お嬢様の新しい靴は、出来上がったでしょうか?もう今までの靴は小さくなってしまったので、大人の靴を履いているのですよ』
『そんな事を申されましても…旦那様には伝えておりますので、新しい靴が出来上がり次第、別邸にお持ちするとしかお答え出来ません』
『旦那様はお嬢様がいらっしゃる事を、お忘れなのですね。奥様の事も放置されたままですし、そんなにアマンダが忘れられないのであれば、奥様に求婚なんてしなければ良かったのよ。お嬢様も、少しは奥様に似てくだされば可愛かったでしょうに、旦那様にそっくりだなんて…お可哀想だわ』
ルーカスにとって、青天の霹靂であった。
母と妹は、病に伏せていたのではないのかと、思うのと同時に会ってみたくなったのだ。
使用人が本邸に出入りしているのなら、ルーカスが少しくらい見に行ったとしても、病は移らないはずだと考えたのである。
それからは居ても立っても居られなくなり、休憩時間になると別邸を覗きに行く様になった。
そんなある日、何時もの様に別邸近くまで来ると、質素だが趣のある庭で体型に合わないドレスを纏った幼い女の子を見つけた。
一人でつまらなそうに、自身の小さな両手を空に翳して眺めていたのだ。
ルーカスが声を掛けようかと迷っていると、中から使用人が出て来て女の子は別邸の中へと入ってしまった。
『妹?』
ルーカスは思わず呟いていた。
父親と同じ髪色の小さな女の子の事が気になって、何度も一人で別邸を覗きに行ったのだが、いつもつまらなそうに一人で居た。
『一緒に遊んでくれるお友達はいないのかな』
いつも遠くから見ていたが、妹は病を患っている様にも見えなくて、勇気を出し声をかけたのだ。
『ごきげんよう。僕はルーカス、君の名前を教えてくれるかな?』
それが初めて妹に掛けた言葉だった。
突然現れた少年を見て驚いたのか、目を真ん丸に見開いた女の子は、すぐに返事を返してくれた。
『ごきげんよう、おにいさま。わたくしは、マルゲリーターと、もうします。おあいできて、うれしいです』
たどたどしい言葉で、満面の笑みを浮かべて拙いカーテシーを見せてくれた女の子は、間違いなくルーカスを兄と呼んだ。
蜂蜜の様な琥珀色の美しい瞳は、肖像画の中で微笑む母親と同じ色だった。
そしてルーカスの瞳とも同じ色だった為、やはり妹なのだと瞬時に理解出来た。
『マルゲリーターは、お友達がいないのかな?病気は治ったのかい』
『わたくしは、げんきです。でも、とおくへいくと、しかられてしまうのです』
そこで別邸の中から使用人が出てくる気配がした為、ルーカスは慌てて本邸へと戻ってきたのだ。
その翌日もルーカスは、別邸へ妹に会いに行った。
昨日は母親の事を聞けなかったので、今日は様子を尋ねてみたいと思っていたのだ。
『母上のご病気は、まだ良くならないの?』
『は・は・う・え?ええと…それはどなたのおなまえですか、おにいさま』
幼い妹は、まだ言葉を覚えたてだと言う事を、失念していた。
『ごめんね。僕が間違えてしまった様だ。お母様のご病気は、まだ治らないのかな?僕もお母様にお会いしたいよ』
『おかあさまは、ごびょうきではありません。おにいさまに、おあいしたいと、もうしていました』
『本当に?病気ではないのなら、僕もお母様に会えるだろうか』
『きっと、およろこびに、なりますわ』
妹は小さな手でルーカスの手を握り、別邸の中へ入り、母の居る部屋へと案内してくれたのだ。
本邸に比べると小さいが、それでも広い屋敷である事に変わりは無く随分と奥まで歩いて来たが、すれ違う者はなく使用人の数が足りていない事が見て取れる。
それでも置かれている調度品はどれも本邸にある物よりも豪華で素晴らしい物ばかりだった。
掃除も行き届いている様で、幼いルーカスでも目を輝かせて見入ってしまう程である。
『おかあさまは、ししゅうがおすきなのです。いつもここで、ししゅうをしているのです』
日当たりの良い部屋の扉は開かれており、中から数人の女性の声が聞こえて来た。
ルーカスが扉の横に立つと、肖像画の中で微笑んでいた女性が、部屋の奥の窓辺で椅子に腰かけている。
こちらに気付いていない様で、侍女たちと刺繍枠を覗いて話し込んでいた。
ルーカスがその光景に見惚れていると、マルゲリーターが開かれた扉をコンコンと二度叩き、訪問を告げたのだ。
しかし振り返った侍女の誰もが、マルゲリーターではなくルーカスを凝視していた。
母はルーカスの姿を目に移すと、持っていた刺繍枠をサイドテーブルに置き、駆け寄って来る。
そしてとても優しく微笑み、強く抱きしめてくれた。
幼い頃の記憶が蘇ってくる、母の優しい温もりであった。
『愛しい私のルーカス。どんなに会いたかったか、夢ではないのね。もっとよく顔を見せてちょうだい、随分と大きくなったわね。ルーカス、愛しているわ』
そう言って、ルーカスが会いに来た事を、とても喜んでくれたのだ。
母の部屋に招かれたのはルーカスだけで、気が付くとマルゲリーターの姿はなかった。
妹が、母の部屋に入る事を許されていない等、ルーカスは想像も出来なかったのである。
その為気を利かせて、母と二人きりの時間を作ってくれたのだと、勘違いをしたのであった。
侍女が用意した茶葉で、母が淹れてくれたお茶は特別な味がして、とても美味しかった。
菓子を摘まみながら他愛のないおしゃべりを楽しんでいる光景を、マルゲリーターが羨ましそうに窓からのぞき見ている事を、背を向けて座っているルーカスの視界には入っていない。
『五歳の誕生日に、お父様が何をプレゼントして下さったか、貴方は覚えているのかしら?』
思いがけない母の問いかけに、ルーカスはしばし沈黙していた。
『父上は、毎年誕生日に図鑑をプレゼントしてくださいます。五歳の誕生日は、動物図鑑でした。母上から頂いた刺繍のハンカチは、全て僕の宝物です』
そう言ってルーカスは、ポケットから一枚のハンカチを取り出した。
そのハンカチを見て、キャサリンは嬉しそうに微笑み、またルーカスを抱きしめたのだった。
その時キャサリンが、とても寂しそうな表情をしていたのを、ルーカスは知る由もない。
『ここへ来る事を、誰かに伝えて来たのかしら』
楽しい時間を過ごしている事で、ここが別邸だった事をすっかり失念していたルーカスは、本邸で騒ぎになっているのではないかと青ざめた。
『困った子ね。きっと心配して、貴方を探しているわ。もう黙ってここへ来てはいけませんよ。分かりましたか』
『はい、母上。今日は帰りますが、また来ても良いですか?』
『勿論よ。いつでも遊びにいらっしゃい』
キャサリンは、優しく抱きしめた後で、額にキスを落とし愛する息子との別れを惜しんだ。
ルーカスも、母の頬にキスをして、名残惜しそうに本邸へ向かって走って行った。
本邸では思った以上に騒ぎになっており、公爵に呼び出されどこで何をしていたのかを聞かれたのだ。
ルーカスは母親の病気が治った事を、父親も本邸の使用人たちも知らないのではないかと、勘違いをしてしまった。
妹も病気ではなく元気だと教えてあげたら、家族一緒に本邸で暮らせると思い、公爵に別邸での事を話してしまったのだ。
父親に強く叱られたルーカスは、四六時中監視が付くようになってしまい、二度と別邸に近付く事が出来なくなってしまったのである。
もう二度と会う事はないだろうと諦めていた妹、あの時は確かにマルゲリーターと名乗っていたのに、今はエレインと名乗っている。
名前も違い、髪も茶色ではなく金色になっていたが、瞳は幼い頃に見た蜂蜜の様な琥珀色だった。
間違いなく別邸で会った妹だと確信したが、お兄様とは言ってもらえず幼い頃の記憶も残っていない様で、ルーカスは途方に暮れた。
母親が帝国へ帰る途中で妹を捨てたとは思えなかったが、誰かが何かの目的の為に妹を犠牲にした事だけは分かった。
急激に、父親と後妻に対する憎悪が湧いてくる。
あの男は、浮気相手を孕ませただけでは満足せずに、庶子を嫡子と偽る為に妹を捨てたのだと確信したのだ。
そしてこの事実は早い段階で、必ず王家に知られる事となるだろう。
『せっかく生き別れになった妹と再会出来たというのに…』
「最悪だ…」
親友でもあるアルフレッドの治世を共に支え合っていこうと誓っていたのに、親の仕出かした失態でルーカスの人生を奪われる事にも、怒りを感じていたのだった。
しかしルーカスの力だけでは、どうにもならない事もある。
今見つけたばかりの幸せな時間を、少しでも長く享受したい。
その為に出来る事があれば、何だってやってみせようと、ルーカスは考えペンを走らせた。
エレインとの幸せな未来を掴む為の算段が、必ず上手くいくとは限らない。
せめて王家から沙汰が下るまでの短い間だけでも、可愛い妹との時間を大切に過ごしたいと願ったのだ。
物心がついた頃から母と妹は体調が悪く別邸で療養していると父から聞かされており、病が移ると大変だからと言われ近づく事さえ禁じられていたのである。
どんなに寂しくとも母には会わせてもらえず、次期公爵として厳しく躾けられ、毎日くたくたになるまで勉強と剣術に明け暮れていたのだ。
そんな時、使用人たちの立ち話を聞いてしまう。
『お嬢様の新しい靴は、出来上がったでしょうか?もう今までの靴は小さくなってしまったので、大人の靴を履いているのですよ』
『そんな事を申されましても…旦那様には伝えておりますので、新しい靴が出来上がり次第、別邸にお持ちするとしかお答え出来ません』
『旦那様はお嬢様がいらっしゃる事を、お忘れなのですね。奥様の事も放置されたままですし、そんなにアマンダが忘れられないのであれば、奥様に求婚なんてしなければ良かったのよ。お嬢様も、少しは奥様に似てくだされば可愛かったでしょうに、旦那様にそっくりだなんて…お可哀想だわ』
ルーカスにとって、青天の霹靂であった。
母と妹は、病に伏せていたのではないのかと、思うのと同時に会ってみたくなったのだ。
使用人が本邸に出入りしているのなら、ルーカスが少しくらい見に行ったとしても、病は移らないはずだと考えたのである。
それからは居ても立っても居られなくなり、休憩時間になると別邸を覗きに行く様になった。
そんなある日、何時もの様に別邸近くまで来ると、質素だが趣のある庭で体型に合わないドレスを纏った幼い女の子を見つけた。
一人でつまらなそうに、自身の小さな両手を空に翳して眺めていたのだ。
ルーカスが声を掛けようかと迷っていると、中から使用人が出て来て女の子は別邸の中へと入ってしまった。
『妹?』
ルーカスは思わず呟いていた。
父親と同じ髪色の小さな女の子の事が気になって、何度も一人で別邸を覗きに行ったのだが、いつもつまらなそうに一人で居た。
『一緒に遊んでくれるお友達はいないのかな』
いつも遠くから見ていたが、妹は病を患っている様にも見えなくて、勇気を出し声をかけたのだ。
『ごきげんよう。僕はルーカス、君の名前を教えてくれるかな?』
それが初めて妹に掛けた言葉だった。
突然現れた少年を見て驚いたのか、目を真ん丸に見開いた女の子は、すぐに返事を返してくれた。
『ごきげんよう、おにいさま。わたくしは、マルゲリーターと、もうします。おあいできて、うれしいです』
たどたどしい言葉で、満面の笑みを浮かべて拙いカーテシーを見せてくれた女の子は、間違いなくルーカスを兄と呼んだ。
蜂蜜の様な琥珀色の美しい瞳は、肖像画の中で微笑む母親と同じ色だった。
そしてルーカスの瞳とも同じ色だった為、やはり妹なのだと瞬時に理解出来た。
『マルゲリーターは、お友達がいないのかな?病気は治ったのかい』
『わたくしは、げんきです。でも、とおくへいくと、しかられてしまうのです』
そこで別邸の中から使用人が出てくる気配がした為、ルーカスは慌てて本邸へと戻ってきたのだ。
その翌日もルーカスは、別邸へ妹に会いに行った。
昨日は母親の事を聞けなかったので、今日は様子を尋ねてみたいと思っていたのだ。
『母上のご病気は、まだ良くならないの?』
『は・は・う・え?ええと…それはどなたのおなまえですか、おにいさま』
幼い妹は、まだ言葉を覚えたてだと言う事を、失念していた。
『ごめんね。僕が間違えてしまった様だ。お母様のご病気は、まだ治らないのかな?僕もお母様にお会いしたいよ』
『おかあさまは、ごびょうきではありません。おにいさまに、おあいしたいと、もうしていました』
『本当に?病気ではないのなら、僕もお母様に会えるだろうか』
『きっと、およろこびに、なりますわ』
妹は小さな手でルーカスの手を握り、別邸の中へ入り、母の居る部屋へと案内してくれたのだ。
本邸に比べると小さいが、それでも広い屋敷である事に変わりは無く随分と奥まで歩いて来たが、すれ違う者はなく使用人の数が足りていない事が見て取れる。
それでも置かれている調度品はどれも本邸にある物よりも豪華で素晴らしい物ばかりだった。
掃除も行き届いている様で、幼いルーカスでも目を輝かせて見入ってしまう程である。
『おかあさまは、ししゅうがおすきなのです。いつもここで、ししゅうをしているのです』
日当たりの良い部屋の扉は開かれており、中から数人の女性の声が聞こえて来た。
ルーカスが扉の横に立つと、肖像画の中で微笑んでいた女性が、部屋の奥の窓辺で椅子に腰かけている。
こちらに気付いていない様で、侍女たちと刺繍枠を覗いて話し込んでいた。
ルーカスがその光景に見惚れていると、マルゲリーターが開かれた扉をコンコンと二度叩き、訪問を告げたのだ。
しかし振り返った侍女の誰もが、マルゲリーターではなくルーカスを凝視していた。
母はルーカスの姿を目に移すと、持っていた刺繍枠をサイドテーブルに置き、駆け寄って来る。
そしてとても優しく微笑み、強く抱きしめてくれた。
幼い頃の記憶が蘇ってくる、母の優しい温もりであった。
『愛しい私のルーカス。どんなに会いたかったか、夢ではないのね。もっとよく顔を見せてちょうだい、随分と大きくなったわね。ルーカス、愛しているわ』
そう言って、ルーカスが会いに来た事を、とても喜んでくれたのだ。
母の部屋に招かれたのはルーカスだけで、気が付くとマルゲリーターの姿はなかった。
妹が、母の部屋に入る事を許されていない等、ルーカスは想像も出来なかったのである。
その為気を利かせて、母と二人きりの時間を作ってくれたのだと、勘違いをしたのであった。
侍女が用意した茶葉で、母が淹れてくれたお茶は特別な味がして、とても美味しかった。
菓子を摘まみながら他愛のないおしゃべりを楽しんでいる光景を、マルゲリーターが羨ましそうに窓からのぞき見ている事を、背を向けて座っているルーカスの視界には入っていない。
『五歳の誕生日に、お父様が何をプレゼントして下さったか、貴方は覚えているのかしら?』
思いがけない母の問いかけに、ルーカスはしばし沈黙していた。
『父上は、毎年誕生日に図鑑をプレゼントしてくださいます。五歳の誕生日は、動物図鑑でした。母上から頂いた刺繍のハンカチは、全て僕の宝物です』
そう言ってルーカスは、ポケットから一枚のハンカチを取り出した。
そのハンカチを見て、キャサリンは嬉しそうに微笑み、またルーカスを抱きしめたのだった。
その時キャサリンが、とても寂しそうな表情をしていたのを、ルーカスは知る由もない。
『ここへ来る事を、誰かに伝えて来たのかしら』
楽しい時間を過ごしている事で、ここが別邸だった事をすっかり失念していたルーカスは、本邸で騒ぎになっているのではないかと青ざめた。
『困った子ね。きっと心配して、貴方を探しているわ。もう黙ってここへ来てはいけませんよ。分かりましたか』
『はい、母上。今日は帰りますが、また来ても良いですか?』
『勿論よ。いつでも遊びにいらっしゃい』
キャサリンは、優しく抱きしめた後で、額にキスを落とし愛する息子との別れを惜しんだ。
ルーカスも、母の頬にキスをして、名残惜しそうに本邸へ向かって走って行った。
本邸では思った以上に騒ぎになっており、公爵に呼び出されどこで何をしていたのかを聞かれたのだ。
ルーカスは母親の病気が治った事を、父親も本邸の使用人たちも知らないのではないかと、勘違いをしてしまった。
妹も病気ではなく元気だと教えてあげたら、家族一緒に本邸で暮らせると思い、公爵に別邸での事を話してしまったのだ。
父親に強く叱られたルーカスは、四六時中監視が付くようになってしまい、二度と別邸に近付く事が出来なくなってしまったのである。
もう二度と会う事はないだろうと諦めていた妹、あの時は確かにマルゲリーターと名乗っていたのに、今はエレインと名乗っている。
名前も違い、髪も茶色ではなく金色になっていたが、瞳は幼い頃に見た蜂蜜の様な琥珀色だった。
間違いなく別邸で会った妹だと確信したが、お兄様とは言ってもらえず幼い頃の記憶も残っていない様で、ルーカスは途方に暮れた。
母親が帝国へ帰る途中で妹を捨てたとは思えなかったが、誰かが何かの目的の為に妹を犠牲にした事だけは分かった。
急激に、父親と後妻に対する憎悪が湧いてくる。
あの男は、浮気相手を孕ませただけでは満足せずに、庶子を嫡子と偽る為に妹を捨てたのだと確信したのだ。
そしてこの事実は早い段階で、必ず王家に知られる事となるだろう。
『せっかく生き別れになった妹と再会出来たというのに…』
「最悪だ…」
親友でもあるアルフレッドの治世を共に支え合っていこうと誓っていたのに、親の仕出かした失態でルーカスの人生を奪われる事にも、怒りを感じていたのだった。
しかしルーカスの力だけでは、どうにもならない事もある。
今見つけたばかりの幸せな時間を、少しでも長く享受したい。
その為に出来る事があれば、何だってやってみせようと、ルーカスは考えペンを走らせた。
エレインとの幸せな未来を掴む為の算段が、必ず上手くいくとは限らない。
せめて王家から沙汰が下るまでの短い間だけでも、可愛い妹との時間を大切に過ごしたいと願ったのだ。
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