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国王生誕祭
王宮までの道のりはとても賑やかで、年に一度のお祭りに、国民も皆祝賀ムードに包まれていた。
生誕祭で行われる王宮での祝賀会に招待されるのは、高位貴族と周辺諸国の代表者だけである。
弱小国家の国王の誕生日に、大陸の覇者である帝国から皇帝が祝いに駆け付けて来る事は無く、代理人が国王への祝辞を持って参加するのが定例となっていた。
毎年各国で行われている国王の誕生日に出向いて行く程、皇帝も皇族も暇ではないのだ。
しかし幾ら弱小国家と言っても、一国の王である事に変わりはなく、全ての国が代理人を立てている訳でもない。
弱小国家同士更なる友好を深めようと、王族自ら祝いに来るのは珍しくはない。
強国からも、国王の友人である王族が、祝辞を持って来ている。
代理人とて、それなりの地位を持っている者も多く、王都の警備はより一層強化されていた。
お祭り騒ぎで浮かれている王都民の中に、普段は余り見かける事も出来ない近衛騎士も見回っている。
物々しい雰囲気の街中を通り抜け、王宮へ着くと案内人が既に待ち受けていた。
「お待ちしておりました。オルターナ公爵、アマンダ公爵夫人、マルゲリーター公爵令嬢。ホールへとご案内致します」
「…よろしく頼む」
シルベスは、聞き間違えたかと思い一瞬返答が遅れてしまった。
案内人は、招待客が来ると、休憩室へと連れて行くのである。
高位貴族の中でも、オルターナ公爵家は専用の休憩室を用意されているのだから、本来ならばそこへ案内される筈なのだ。
訝しく思ったシルベスは、胸ポケットから懐中時計を取り出して時間を確認した。
公爵家の馬車は街中を優先的に走り抜ける事が出来る為、道が混雑していようと関係が無く、時間通りに王宮へ到着していたのだ。
しかし今年は遅刻常習犯のマルゲリーターが一緒に付いて来た為、公爵邸を出る時間が遅かった事を失念していたのだ。
休憩室でお茶を飲む時間も無く、祝賀会が行われるホールへと、真っ直ぐに案内されてしまった。
「信じられないわ。パウダールームで、化粧直しも出来ないなんて。どうしてこんな愚図に育ってしまったのかしら。きっと、顔だけではなく、中身まで旦那様に似てしまったのね」
アマンダは、都合の悪い事は全て他人の所為にする癖が治らない。
シルベスは、またひとつ溜息を付いた。
『マルゲリーターの性格は、アマンダとそっくりではないか』
心では思っていても、声に出したら喧嘩になってしまう事が分かり切っているので、黙って聞き流すのであった。
シルベスはアマンダをエスコートしており、ルーカスもいない為マルゲリーターは、仕方なく一人で歩いている。
王族としか参加した事が無かったマルゲリーターにとって、今年の祝賀会は思った以上に屈辱的で、馬車の中で感じていた喜びは一切無くなっていた。
「お兄様はどうしたのよっ。私を放置して、パーティに遅刻だなんて、可笑しいでしょう。どうして私にはエスコートも無いのよ」
後ろでブツブツと文句を言っているマルゲリーターの言葉に、シルベスもアマンダでさえ答えるつもりは無かった。
ルーカスがエスコートをしてくれると思っていたのだが、一向に姿を現さない事にも苛立ちを覚え、親指の爪を引っ切り無しに噛んでいる。
自然と足音も大きくなり、先頭を歩いている案内人だけではなく、警備の為に立っている近衛騎士たちでさえ顔を顰めていた。
あまりにも耳障りな足音に、思わずシルベスが注意をしたのだが、静かになるのはその時だけだった。
十五歳にもなって、基本的なマナーさえ身に付いていない娘を、これ程鬱陶しく思った事もなかったのである。
ホールの前まで来ると一旦止まる様に指示され、公爵夫妻は案内人の指示に従った。
後ろを付いて来ていたマルゲリーターは、急に止まった事でシルベスにぶつかってしまい、不満を口に出す。
「ちょっと、お父様。急に止まらないでよ、痛いじゃない。鼻をぶつけてしまったわ」
鼻を押さえていると、オルターナ公爵夫妻とマルゲリーターの入場を知らせる声が響き渡った。
「オルターナ公爵夫妻、マルゲリーター・オルターナ公爵令嬢のご入場です」
それを聞いた、ホール内にいた貴族たちが、一斉に注目する。
その瞬間マルゲリーターは、今まで感じた事もない悦楽を覚えた。
「皆私を見ているわ。当たり前よね、私は高貴な血筋でアル様の婚約者なんだもの。きっと羨ましいと思っているのよ」
先程までの苛立ちは消えた様で、鼻高々に下品な足取りでホールの奥へと進むマルゲリーターを羨ましいと思って見ている者は誰もいないのだが、それに気付く訳が無い。
オルターナ公爵家は、貴族家の中で最も爵位が高く、同じ公爵家同士でも最上位に君臨している。
つまり、オルターナ公爵家が入場して来るのを、皆が待っていたのだった。
全ての貴族家の入場が終わった事で、ホールの扉は閉められ王族の入場が始まった。
『危うく王族を待たせるところだった』
まだ祝賀会は始まってもいないのに、シルベスは時間ギリギリになってしまった事で、額に嫌な汗をかいている。
そんな父親とは対照的に、マルゲリーターは大階段の上に注目が移った事で、再び不満を抱いた。
「皆私を見ていたのに、出て来るのが早過ぎるのよ。どうして、せっかちな人しかいないのよ」
自分が遅くなったとは、一切思っていないところが凄いと、逆にシルベスは感心するのだった。
次々と王族が、配偶者や婚約者と一緒に大階段を下りて来る。
去年まではアルフレッドにエスコートをされながら、王族と一緒に大階段から出て来て、ホールの中にいる貴族たちを見下していたのだ。
その時の優越感を思い出したマルゲリーターは、悔しさの余り奥歯がギリギリと鳴る程噛みしめていると、アルフレッドが一人で下りて来るのを見つけた。
彼が誰もエスコートをしていなかったのを見て、胸を撫で下ろすのと同時に、更なる怒りが湧いて来る。
「やっぱり、私たちを引き裂こうとしてる人がいるのよ」
娘の独り言は、シルベスの耳にも届いていたが、注意する事すら億劫になっていたその時だった。
「アル様~わた………」
アルフレッドに駆け寄ろうとしたマルゲリーターを、既のところで口を塞ぎ取り押さえる事が出来た事で、シルベスは首の皮が繋がったのを感じたのである。
『愚か者が。許可も無く王族に向かって行くとは、首を落とされたいのか。大人しく出来ないのならば、今直ぐ娼館に売り飛ばしてやるぞ』
小声ではあったが、確実に怒っていると分かる声音で父親から睨み付けられたマルゲリーターは、アルフレッドが侮蔑の眼差しを向けている事に気付いていなかった。
「どうして、そんな酷い事が言えるの」
周りにいた貴族たちは、珍獣でも見る様な視線を向けているのだが、シルベスはそれを咎める余裕すら無くしているのだ。
マルゲリーターは父親から酷い言葉を聞かされて泣きそうになったが、周りから注目を浴びている事に気付き、王族より目立っていると勘違いした事で直ぐに笑顔を取り戻していた。
国王夫妻が下りて来て謁見台に置かれている玉座に座ると、控えていた近隣諸国の代表者が国力関係無く肩書の高い者から順に紹介され挨拶が行われる。
肩書が同列の場合はアルファベット順に祝辞を述べて行き、最期に帝国からの代表者が出て来たところで、会場が一気にどよめいた。
マルゲリーターも、見間違いではないのかと、何度も目を瞬かせている。
「お…お兄さ…ま…」
両親を見るとシルベスは無表情で、アマンダは悔しさを露わにして隠そうともしていなかった。
壇上には帝国の代表者と一緒に、エレインをエスコートしているルーカスの姿があったのだ。
生誕祭で行われる王宮での祝賀会に招待されるのは、高位貴族と周辺諸国の代表者だけである。
弱小国家の国王の誕生日に、大陸の覇者である帝国から皇帝が祝いに駆け付けて来る事は無く、代理人が国王への祝辞を持って参加するのが定例となっていた。
毎年各国で行われている国王の誕生日に出向いて行く程、皇帝も皇族も暇ではないのだ。
しかし幾ら弱小国家と言っても、一国の王である事に変わりはなく、全ての国が代理人を立てている訳でもない。
弱小国家同士更なる友好を深めようと、王族自ら祝いに来るのは珍しくはない。
強国からも、国王の友人である王族が、祝辞を持って来ている。
代理人とて、それなりの地位を持っている者も多く、王都の警備はより一層強化されていた。
お祭り騒ぎで浮かれている王都民の中に、普段は余り見かける事も出来ない近衛騎士も見回っている。
物々しい雰囲気の街中を通り抜け、王宮へ着くと案内人が既に待ち受けていた。
「お待ちしておりました。オルターナ公爵、アマンダ公爵夫人、マルゲリーター公爵令嬢。ホールへとご案内致します」
「…よろしく頼む」
シルベスは、聞き間違えたかと思い一瞬返答が遅れてしまった。
案内人は、招待客が来ると、休憩室へと連れて行くのである。
高位貴族の中でも、オルターナ公爵家は専用の休憩室を用意されているのだから、本来ならばそこへ案内される筈なのだ。
訝しく思ったシルベスは、胸ポケットから懐中時計を取り出して時間を確認した。
公爵家の馬車は街中を優先的に走り抜ける事が出来る為、道が混雑していようと関係が無く、時間通りに王宮へ到着していたのだ。
しかし今年は遅刻常習犯のマルゲリーターが一緒に付いて来た為、公爵邸を出る時間が遅かった事を失念していたのだ。
休憩室でお茶を飲む時間も無く、祝賀会が行われるホールへと、真っ直ぐに案内されてしまった。
「信じられないわ。パウダールームで、化粧直しも出来ないなんて。どうしてこんな愚図に育ってしまったのかしら。きっと、顔だけではなく、中身まで旦那様に似てしまったのね」
アマンダは、都合の悪い事は全て他人の所為にする癖が治らない。
シルベスは、またひとつ溜息を付いた。
『マルゲリーターの性格は、アマンダとそっくりではないか』
心では思っていても、声に出したら喧嘩になってしまう事が分かり切っているので、黙って聞き流すのであった。
シルベスはアマンダをエスコートしており、ルーカスもいない為マルゲリーターは、仕方なく一人で歩いている。
王族としか参加した事が無かったマルゲリーターにとって、今年の祝賀会は思った以上に屈辱的で、馬車の中で感じていた喜びは一切無くなっていた。
「お兄様はどうしたのよっ。私を放置して、パーティに遅刻だなんて、可笑しいでしょう。どうして私にはエスコートも無いのよ」
後ろでブツブツと文句を言っているマルゲリーターの言葉に、シルベスもアマンダでさえ答えるつもりは無かった。
ルーカスがエスコートをしてくれると思っていたのだが、一向に姿を現さない事にも苛立ちを覚え、親指の爪を引っ切り無しに噛んでいる。
自然と足音も大きくなり、先頭を歩いている案内人だけではなく、警備の為に立っている近衛騎士たちでさえ顔を顰めていた。
あまりにも耳障りな足音に、思わずシルベスが注意をしたのだが、静かになるのはその時だけだった。
十五歳にもなって、基本的なマナーさえ身に付いていない娘を、これ程鬱陶しく思った事もなかったのである。
ホールの前まで来ると一旦止まる様に指示され、公爵夫妻は案内人の指示に従った。
後ろを付いて来ていたマルゲリーターは、急に止まった事でシルベスにぶつかってしまい、不満を口に出す。
「ちょっと、お父様。急に止まらないでよ、痛いじゃない。鼻をぶつけてしまったわ」
鼻を押さえていると、オルターナ公爵夫妻とマルゲリーターの入場を知らせる声が響き渡った。
「オルターナ公爵夫妻、マルゲリーター・オルターナ公爵令嬢のご入場です」
それを聞いた、ホール内にいた貴族たちが、一斉に注目する。
その瞬間マルゲリーターは、今まで感じた事もない悦楽を覚えた。
「皆私を見ているわ。当たり前よね、私は高貴な血筋でアル様の婚約者なんだもの。きっと羨ましいと思っているのよ」
先程までの苛立ちは消えた様で、鼻高々に下品な足取りでホールの奥へと進むマルゲリーターを羨ましいと思って見ている者は誰もいないのだが、それに気付く訳が無い。
オルターナ公爵家は、貴族家の中で最も爵位が高く、同じ公爵家同士でも最上位に君臨している。
つまり、オルターナ公爵家が入場して来るのを、皆が待っていたのだった。
全ての貴族家の入場が終わった事で、ホールの扉は閉められ王族の入場が始まった。
『危うく王族を待たせるところだった』
まだ祝賀会は始まってもいないのに、シルベスは時間ギリギリになってしまった事で、額に嫌な汗をかいている。
そんな父親とは対照的に、マルゲリーターは大階段の上に注目が移った事で、再び不満を抱いた。
「皆私を見ていたのに、出て来るのが早過ぎるのよ。どうして、せっかちな人しかいないのよ」
自分が遅くなったとは、一切思っていないところが凄いと、逆にシルベスは感心するのだった。
次々と王族が、配偶者や婚約者と一緒に大階段を下りて来る。
去年まではアルフレッドにエスコートをされながら、王族と一緒に大階段から出て来て、ホールの中にいる貴族たちを見下していたのだ。
その時の優越感を思い出したマルゲリーターは、悔しさの余り奥歯がギリギリと鳴る程噛みしめていると、アルフレッドが一人で下りて来るのを見つけた。
彼が誰もエスコートをしていなかったのを見て、胸を撫で下ろすのと同時に、更なる怒りが湧いて来る。
「やっぱり、私たちを引き裂こうとしてる人がいるのよ」
娘の独り言は、シルベスの耳にも届いていたが、注意する事すら億劫になっていたその時だった。
「アル様~わた………」
アルフレッドに駆け寄ろうとしたマルゲリーターを、既のところで口を塞ぎ取り押さえる事が出来た事で、シルベスは首の皮が繋がったのを感じたのである。
『愚か者が。許可も無く王族に向かって行くとは、首を落とされたいのか。大人しく出来ないのならば、今直ぐ娼館に売り飛ばしてやるぞ』
小声ではあったが、確実に怒っていると分かる声音で父親から睨み付けられたマルゲリーターは、アルフレッドが侮蔑の眼差しを向けている事に気付いていなかった。
「どうして、そんな酷い事が言えるの」
周りにいた貴族たちは、珍獣でも見る様な視線を向けているのだが、シルベスはそれを咎める余裕すら無くしているのだ。
マルゲリーターは父親から酷い言葉を聞かされて泣きそうになったが、周りから注目を浴びている事に気付き、王族より目立っていると勘違いした事で直ぐに笑顔を取り戻していた。
国王夫妻が下りて来て謁見台に置かれている玉座に座ると、控えていた近隣諸国の代表者が国力関係無く肩書の高い者から順に紹介され挨拶が行われる。
肩書が同列の場合はアルファベット順に祝辞を述べて行き、最期に帝国からの代表者が出て来たところで、会場が一気にどよめいた。
マルゲリーターも、見間違いではないのかと、何度も目を瞬かせている。
「お…お兄さ…ま…」
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