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第六章 研究施設
84.部屋の中で目にしたもの
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それからの日々は、その殆どが検査の毎日だった。
人でありながら魔導を扱えるリックとアジェラ。魔導は扱えないものの、人と狼の血が混じっている睦月。龍神の血と人の血を持つリレイヌ。
彼ら、彼女らは、研究対象としては十分な程に貴重な存在だった。それ故か、一部貴族から多額の支援金が出され、それは施設の運営に大きく貢献を果たした。
「あ、電気ついてる……」
昨日まで明かりを灯す事無く、ただそこにあるだけだった電球に光が灯ってるのを見つけ、アジェラが思わず呟いた。
その隣、リックが「支援金のお陰だろうな」と腕を組み、不満そうに眉を寄せている。
「支援金……いくら出たんでしょうね」
「さあな」
「……そういえば、リレイヌ様と睦月は何処にいるんでしょうね。今朝方から見ておりませんが……」
「知るか。僕に聞くな」
「……(どうしよう。会話が続かない……)」
ほとほと困り果てるアジェラ。
彼は前を進みいくリックを視界、ふと横に視線を移した。そこには軽く開かれた扉があり、どうしてかは分からないが、なぜか入った方が良いのではないかと、彼は思う。
「……? おい、何をしている」
立ち止まり、扉を見つめるアジェラに、リックは問うた。そんなリックに、アジェラはぽつりと言う。
「……この中に、なにかある」
「は?」
「……」
アジェラは扉の中へ。真っ白なそれを押し開き入っていく彼に、リックは不審そうな顔をしたあとそっと彼の後を追う。
「おい、一体この中に何があると……」
言いながら部屋に入ったリックは、部屋の奥にある机の前で立ち止まっているアジェラを見て足を止めた。アジェラはただ何も言わずに、机──その上に存在する何かを見ている。
「……何をしているんだ」
どこか呆れ混じりに問うリック。そんな彼に、しかしアジェラはうんともすんとも言わない。
リックは不審気に彼を見た。なにか様子がおかしいと、そう考えるリックに、アジェラはゆっくりと振り返り、こう告げる。
「……イケニエ」
「え?」
「……ふふっ、あははははっ」
突如笑いだした彼は、そのまま逃げるように部屋を飛び出す。残されたリックは訝しげに眉間に皺を寄せながら机の方へ。アジェラが見ていたそこを覗き込み、沈黙。目にしたあるものを見て、「ハッ」と渇いた笑いをこぼす。
「──嘘つきどもめ」
吐き捨てられた言葉。
忌々しいと嫌悪すら滲むそれは、部屋の中にそっと溶けて消えていった……。
人でありながら魔導を扱えるリックとアジェラ。魔導は扱えないものの、人と狼の血が混じっている睦月。龍神の血と人の血を持つリレイヌ。
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彼は前を進みいくリックを視界、ふと横に視線を移した。そこには軽く開かれた扉があり、どうしてかは分からないが、なぜか入った方が良いのではないかと、彼は思う。
「……? おい、何をしている」
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「……この中に、なにかある」
「は?」
「……」
アジェラは扉の中へ。真っ白なそれを押し開き入っていく彼に、リックは不審そうな顔をしたあとそっと彼の後を追う。
「おい、一体この中に何があると……」
言いながら部屋に入ったリックは、部屋の奥にある机の前で立ち止まっているアジェラを見て足を止めた。アジェラはただ何も言わずに、机──その上に存在する何かを見ている。
「……何をしているんだ」
どこか呆れ混じりに問うリック。そんな彼に、しかしアジェラはうんともすんとも言わない。
リックは不審気に彼を見た。なにか様子がおかしいと、そう考えるリックに、アジェラはゆっくりと振り返り、こう告げる。
「……イケニエ」
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「……ふふっ、あははははっ」
突如笑いだした彼は、そのまま逃げるように部屋を飛び出す。残されたリックは訝しげに眉間に皺を寄せながら机の方へ。アジェラが見ていたそこを覗き込み、沈黙。目にしたあるものを見て、「ハッ」と渇いた笑いをこぼす。
「──嘘つきどもめ」
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