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ep.8 二度目の初夜、伊吹くんの本心 ★
4.★
「じゃあ、なんで契約結婚だなんて……」
回りくどい手法を使ったのか?
「あんなに酷い振り方をしたんだ。嫌われても、憎まれても当然だろう。それを『今でも君のことを愛しているから結婚して欲しい』なんて言っても、聞き入れてもらえないだろう?」
――そんなことはないけど。きっと許してしまう。
榛名の場合、そう思ってしまうけれど、伊吹の言うことは一理ある。
「だけど、どれほど嫌われても、どうしても君を手に入れたかった。ようやく君を守れるだけの力を手に入れたんだ。何がなんでも君を迎えに行きたかった」
そのために考えついたのは、決して榛名を逃さないための契約結婚だった――
たしかに、感情で「愛してる」と伝えても、信じてもらえないかもしれない。
だけど、契約で縛りつけてしまえば確実に結婚できる。
(私は、自分で思っていたよりもずっと、伊吹くんに愛してもらっていたんだ)
全身の力が解けていくと共に、心のわだかまりも、今ゆっくりと溶けようとしていた。
「全部、素直に話してくれれば良かったのに」
でも、それをしないのが興津伊吹、しいては若宮伊吹なのだとわかってきた。
「……ごめん。そうだよな。はるちゃんなら信じてくれた。きっと待っていてくれた……」
「そうだよ。伊吹くんと想い合えていたのなら、たとえ伊吹くんの仕事が忙しくて何年会えなくても、私はずっと待っていられた」
まだ20歳そこそこだった伊吹は、若くて未熟だったゆえ、真面目であったがゆえに「もう、これしか道はない」と思い詰めてしまったのだ。
「はるちゃん……。俺は謝って許してもらおうなんて虫の良いことは考えていない」
伊吹は榛名の身体をそっと起き上がらせて、しっかりと強く抱きしめた。
「だから責任を持って、俺が必ず君を幸せにする。でもそれは責任を取るためだけじゃない。俺がこの手で君を幸せにしたいからだ」
「伊吹くん……」
「そして、君のそばにいられることが、俺の何よりの幸せなんだ」
伊吹に抱きしめられた腕の中は温かく、榛名の目からは涙があふれた。
「はるちゃん、泣いているのか?」
伊吹が心配そうに榛名の顔をのぞき込む。
「これは、幸せだからだよ」
榛名がそう言って微笑むと、伊吹は安堵の笑みを浮かべた。それは、榛名が好きだった、あの懐かしい可愛い笑顔だった。
2人は見つめ合い、ようやく気持ちが通じ合ったキスをした。
抱き合ったまま、再びベッドで重なり合う。
「はるちゃん、君にはキャリアプランやライフプランがあると思う。だが俺は、本当の意味で、君のすべてと結ばれたい。責任は取る」
伊吹のその言葉に、榛名はコクンとうなずいて答えた。
「あぁ……っ」
大きな生身の伊吹の昂ぶりが、めいっぱいに貫いて内壁を抉るように進んで行く。
榛名の入口は蜜をあふれさせ、精一杯に広げて伊吹の昂ぶりを飲み込んでいく。
「はるちゃん、すごく良いよ……。あの頃も、今も、いつも初めての時と変わらない最高の心地で、たまらない」
伊吹の昂ぶりが何度も奥をつき、榛名のそこは初めての時と変わらぬ感触でキツく、そして甘く絡みついて締めつける。
押し寄せる快感に息も絶え絶えになっていると、伊吹の大きな手の平が榛名の頬を包む。
そして艶っぽい表情と声で、「愛してる」と告げられると、緊張していた身体が解れ、その分さらなる快感の波がやって来くる。それを必死で堪えた。
「はるちゃん、我慢しないで。感じるまま、素直な反応を見せて欲しい」
(もう、素直になってもいいんだ)
朦朧とする意識の中で、榛名は心の望むまま、伊吹に抱き着いて甘い声を上げた。
2人で同時に高みにのぼりつめた瞬間、榛名の最奥に熱い飛沫が濁流のように注がれた。
抱き合って眠りに就いた榛名は、静岡にいた頃の夢を見ていた。
榛名が1人暮らしをしていた静岡市のアパートで、伊吹に抱きしめられて眠っている幸せな夢だった。
これまでも同じ夢を見たことはあったけれど、朝起きて「夢だった」とガッカリするばかりだった。
けれど今は違う。伊吹の温かさを実感できる。きっと朝起きても伊吹はちゃんとここにいる。
榛名は素直に甘えて、伊吹の胸にさらに抱きついたのだった。
回りくどい手法を使ったのか?
「あんなに酷い振り方をしたんだ。嫌われても、憎まれても当然だろう。それを『今でも君のことを愛しているから結婚して欲しい』なんて言っても、聞き入れてもらえないだろう?」
――そんなことはないけど。きっと許してしまう。
榛名の場合、そう思ってしまうけれど、伊吹の言うことは一理ある。
「だけど、どれほど嫌われても、どうしても君を手に入れたかった。ようやく君を守れるだけの力を手に入れたんだ。何がなんでも君を迎えに行きたかった」
そのために考えついたのは、決して榛名を逃さないための契約結婚だった――
たしかに、感情で「愛してる」と伝えても、信じてもらえないかもしれない。
だけど、契約で縛りつけてしまえば確実に結婚できる。
(私は、自分で思っていたよりもずっと、伊吹くんに愛してもらっていたんだ)
全身の力が解けていくと共に、心のわだかまりも、今ゆっくりと溶けようとしていた。
「全部、素直に話してくれれば良かったのに」
でも、それをしないのが興津伊吹、しいては若宮伊吹なのだとわかってきた。
「……ごめん。そうだよな。はるちゃんなら信じてくれた。きっと待っていてくれた……」
「そうだよ。伊吹くんと想い合えていたのなら、たとえ伊吹くんの仕事が忙しくて何年会えなくても、私はずっと待っていられた」
まだ20歳そこそこだった伊吹は、若くて未熟だったゆえ、真面目であったがゆえに「もう、これしか道はない」と思い詰めてしまったのだ。
「はるちゃん……。俺は謝って許してもらおうなんて虫の良いことは考えていない」
伊吹は榛名の身体をそっと起き上がらせて、しっかりと強く抱きしめた。
「だから責任を持って、俺が必ず君を幸せにする。でもそれは責任を取るためだけじゃない。俺がこの手で君を幸せにしたいからだ」
「伊吹くん……」
「そして、君のそばにいられることが、俺の何よりの幸せなんだ」
伊吹に抱きしめられた腕の中は温かく、榛名の目からは涙があふれた。
「はるちゃん、泣いているのか?」
伊吹が心配そうに榛名の顔をのぞき込む。
「これは、幸せだからだよ」
榛名がそう言って微笑むと、伊吹は安堵の笑みを浮かべた。それは、榛名が好きだった、あの懐かしい可愛い笑顔だった。
2人は見つめ合い、ようやく気持ちが通じ合ったキスをした。
抱き合ったまま、再びベッドで重なり合う。
「はるちゃん、君にはキャリアプランやライフプランがあると思う。だが俺は、本当の意味で、君のすべてと結ばれたい。責任は取る」
伊吹のその言葉に、榛名はコクンとうなずいて答えた。
「あぁ……っ」
大きな生身の伊吹の昂ぶりが、めいっぱいに貫いて内壁を抉るように進んで行く。
榛名の入口は蜜をあふれさせ、精一杯に広げて伊吹の昂ぶりを飲み込んでいく。
「はるちゃん、すごく良いよ……。あの頃も、今も、いつも初めての時と変わらない最高の心地で、たまらない」
伊吹の昂ぶりが何度も奥をつき、榛名のそこは初めての時と変わらぬ感触でキツく、そして甘く絡みついて締めつける。
押し寄せる快感に息も絶え絶えになっていると、伊吹の大きな手の平が榛名の頬を包む。
そして艶っぽい表情と声で、「愛してる」と告げられると、緊張していた身体が解れ、その分さらなる快感の波がやって来くる。それを必死で堪えた。
「はるちゃん、我慢しないで。感じるまま、素直な反応を見せて欲しい」
(もう、素直になってもいいんだ)
朦朧とする意識の中で、榛名は心の望むまま、伊吹に抱き着いて甘い声を上げた。
2人で同時に高みにのぼりつめた瞬間、榛名の最奥に熱い飛沫が濁流のように注がれた。
抱き合って眠りに就いた榛名は、静岡にいた頃の夢を見ていた。
榛名が1人暮らしをしていた静岡市のアパートで、伊吹に抱きしめられて眠っている幸せな夢だった。
これまでも同じ夢を見たことはあったけれど、朝起きて「夢だった」とガッカリするばかりだった。
けれど今は違う。伊吹の温かさを実感できる。きっと朝起きても伊吹はちゃんとここにいる。
榛名は素直に甘えて、伊吹の胸にさらに抱きついたのだった。
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