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41.ショタっ娘のお祭りデビュー(27)
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「あらあらご両人、お熱いんだねぇ」
「あ、あははは。からかわないでくださいよ、お姉さん」
「さ。僕ちゃんはどの下敷きが欲しいの? 今あるのは『ソードフィッシュ婆さん』と『合身メカクライザー』、あとは『魔法少女プリティクッキー』だけど」
「プリティクッキーの妖精ちゃんくださーい!」
いくつものアニメの下敷きを並べて見せてくれるお姉さんに対して、ミオは晴れやかな表情で即答した。
ちなみに『ソードフィッシュ婆さん』とは、少年誌で連載している漫画の事で、やたら口の尖ったお婆さんが、破茶滅茶な行動を起こして周囲を巻き込むギャグ作品らしい。
あえて「らしい」と表現した理由は、俺もミオからそういう漫画があると聞かされただけであって、原作を読んだ事が無いからである。
その漫画は『合身メカクライザー』と違ってアニメ化もされていないそうなので、俺たち二人が婆さんの活躍を見る日は、まだ先の話になるだろう。
「僕ちゃん。あ、僕ちゃんばっかりじゃ変だね。お名前、何て言うの?」
「ミオだよー」
「ミオちゃんなんだ、いい名前だね。あたしは佳苗。よろしくね! はいこれ」
「ありがとう、佳苗お姉さん!」
射的屋の佳苗お姉さんから下敷きを受け取ったミオは、念願が叶ってとても嬉しそうだ。
なかなか目標に当てられなくて、申し訳無さで泣き出した時は慌ててしまったが、何とかアシストできて良かった。
「おめでとうミオちゃん。弾はまだあるみたいだから、最後まで遊んでいってね」
「あ! えっと……」
お菓子の箱と下敷きをしっかりと抱きかかえたミオは、ちょっと遠慮がちな表情を見せる。
ミオとしては、また狙いが外れてしまう事を心配しているのかも知れないが、三百円ですでに二つの景品を獲得しているんだから、成果としては充分すぎるくらいなんだけどな。
「残りはお兄ちゃんにやって欲しいんだけど、いいですか?」
「もちろん! って事でお兄さん、ご指名だよっ」
「え。俺?」
「うん。お兄ちゃんが射的で撃つところ、横で見ていたいの。ダメ?」
「ダ、ダメじゃないよ。よーし、それじゃあひとつ、いいところを見せるとするか」
「ありがとう。頑張ってね、お兄ちゃん!」
「あ、あははは。からかわないでくださいよ、お姉さん」
「さ。僕ちゃんはどの下敷きが欲しいの? 今あるのは『ソードフィッシュ婆さん』と『合身メカクライザー』、あとは『魔法少女プリティクッキー』だけど」
「プリティクッキーの妖精ちゃんくださーい!」
いくつものアニメの下敷きを並べて見せてくれるお姉さんに対して、ミオは晴れやかな表情で即答した。
ちなみに『ソードフィッシュ婆さん』とは、少年誌で連載している漫画の事で、やたら口の尖ったお婆さんが、破茶滅茶な行動を起こして周囲を巻き込むギャグ作品らしい。
あえて「らしい」と表現した理由は、俺もミオからそういう漫画があると聞かされただけであって、原作を読んだ事が無いからである。
その漫画は『合身メカクライザー』と違ってアニメ化もされていないそうなので、俺たち二人が婆さんの活躍を見る日は、まだ先の話になるだろう。
「僕ちゃん。あ、僕ちゃんばっかりじゃ変だね。お名前、何て言うの?」
「ミオだよー」
「ミオちゃんなんだ、いい名前だね。あたしは佳苗。よろしくね! はいこれ」
「ありがとう、佳苗お姉さん!」
射的屋の佳苗お姉さんから下敷きを受け取ったミオは、念願が叶ってとても嬉しそうだ。
なかなか目標に当てられなくて、申し訳無さで泣き出した時は慌ててしまったが、何とかアシストできて良かった。
「おめでとうミオちゃん。弾はまだあるみたいだから、最後まで遊んでいってね」
「あ! えっと……」
お菓子の箱と下敷きをしっかりと抱きかかえたミオは、ちょっと遠慮がちな表情を見せる。
ミオとしては、また狙いが外れてしまう事を心配しているのかも知れないが、三百円ですでに二つの景品を獲得しているんだから、成果としては充分すぎるくらいなんだけどな。
「残りはお兄ちゃんにやって欲しいんだけど、いいですか?」
「もちろん! って事でお兄さん、ご指名だよっ」
「え。俺?」
「うん。お兄ちゃんが射的で撃つところ、横で見ていたいの。ダメ?」
「ダ、ダメじゃないよ。よーし、それじゃあひとつ、いいところを見せるとするか」
「ありがとう。頑張ってね、お兄ちゃん!」
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