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第五話 なんでもするから……私のこと好きにしていいから……かわいいって言って!
しおりを挟む「レイラ? おいで?」
そして彼女は俺の胸にぴょんと飛び込んできてくれた。
俺は彼女を膝の上に抱き抱えるように座らせる。
彼女は頭を俺の胸にくっつけるような姿勢になった。俺に抱かれる彼女はどこか幸せそうだ。
息を吸い込むと、彼女のシャンプーの匂いが脳髄に染み渡る。甘ったるくてどこか科学的なその匂いが俺の感覚を狂わせる。
彼女は俺の胴に手を回す。俺も応えるように彼女の腰に手を回す。
くびれを抱え込むように彼女を抱く。
彼女は、俺の方を向いた。目には炎がともり、俺に向けてフェロモンを全身から放つ。
「ゆう君……私がして欲しいこと……わかる?」
「おい……俺を舐めるなよ? レイラがしてほしいことなんて全部手にとるようにわかるさ……そこは信頼してくれていい……」
レイラは、ぱぁっと嬉しそうな表情になり、
「ヤって?」
囁くようにそう言った。
俺は彼女のアゴを右手でクイと上げさせて、強引にキスをした。
すると彼女は、
「……んっ!」
とくぐもった声をあげる。
俺の唇をピッタリと彼女の唇に押し付ける。一ミリたりとも皮膚に伝わる感触を逃したくない。彼女はされるがままに俺に体を預ける。
そして、俺は唇を離した。
「ゆうくん……私がしてほしいこと……たくさんして?」
「いいよ……レイラが大好きなアレしてあげる……」
俺は男の義務を果たすことにした。この状況で女が求めることは一つしかない。俺はゴソゴソと右手を動かし、彼女のズボンをゆっくりと……
その時だった。
「きゃあああっ! な、な、な、何するのよっ! えっちぃっ!」
「えっ?」
彼女のその意外な反応に俺は戸惑う。
「なんでパンツ下ろそうとするのよ?」
「なんでって……俺にセ○クスをヤラれたいんじゃないの?」
「ち、ちがう! 私は耳元でたくさん褒めて欲しかったの!」
「あ、そっちね。そっちのパターンね。わかった。じゃあ気を取り直して……」
俺は再び右手をゴソゴソとさせる。
「話聞いてたっ? なんで頑なに私の下を脱がそうとするのよっ?」
「じょ、冗談だよ!」
俺はレイラに、
「こっちにお尻向けて?」
すると彼女は、
「へ? へええええっ?」
またもや顔を真っ赤にして、俺専用(!)の照れたかわいい表情を見せる。
「褒めてもらうのになんでお尻触らせないといけないのよ?」
「いや尻を撫でるんじゃなくって……」
「そ、そんなに私とセ○クスがしたいの……?」
彼女は俺にさらに赤らんだ顔を見せる。頬も耳も充血して真っ赤。
恥ずかしそうに、だが恋人(俺)に求められて同時に嬉しそうだ。
「…………」
俺はそんな様子を黙って観察する。
「そこまでしたいのなら……別に……私は……今からヤラせてあげたっていいけど……」
その言葉が聞きたかった。それが聞ければ満足だ。
俺は、
「いや、俺はバックハグしながら、耳元で褒めてあげようかなと……」
「なんで紛らわしい言い方するのよーーーっ! 絶対わざとでしょ!」
彼女は俺の頬をきゅむとつねる。
「私があわあわ困っている様子を見て内心ニヤニヤしているんでしょ!」
「いや、そんなことは……」
そんなことは……ある!
彼女はさらに俺をつねる。
「私が耳まで真っ赤になって、えっちオッケー出すとこ見たくてわざと勘違いするような言い方したんでしょ!」
「ち、違うよ! 違うってば!」
…………正解。
「もうゆうくんの意地悪っ! 知らない! 今度からもうおっぱい触らせてあげません!」
「それは困るっ! ごめん! お詫びにいつもの百倍褒めて、さらに大好きって言ってあげるから!」
レイラはラブコメヒロインのようにジト目でこちらを見つめる。疑いの目だ。
「ほ、本当に?」
「本当だよ? おいで?」
レイラは尻をこっちに向けて突き出す。
(うわっ! セクシー!)
だが飛びつきたい欲求を抑えこむ。
「レイラ座って?」
「ん……!」
彼女は俺の膝の上にちょこんと座ってきた。
俺は、彼女を受け入れる。後ろから彼女の体を力一杯抱きしめて、
「毎日こうやってイチャイチャしてくれてありがと……いつもレイラのことだけ考えているよ……大好き……」
「ん……嬉しい……もっと言って?」
「レイラ好き……大好き……かわいいよ? 最高の女だよ?」
「もっと……何回も言って? もっとちょうだい……」
俺はさらに後ろからぎゅうと彼女を包み込みながら、
「もうレイラがいないと生きていけないよ……これからもずっと一緒にいてください……」
そして、彼女の耳に口をピッタリと寄せて、
「大好き……!」
するとその言葉が彼女にクリティカルヒットしたらしい。
嬉しそうな表情になって、さっきの何倍も顔を赤くしながら、
「私の体になんでも好きなことしていいから……もっと大好きって言って!」
『私の体……好きにしていいよ?』へ続く。
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