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第二十三話 制服姿の女子高生となまセ○クスし放題だと嬉しい?(あなたのために着てるんだからね! 感謝しなさいよ!)

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ぎゅうううううう!
と俺たちは抱き合う。ピッタリくっついたまま。互いを強く求め合いながら。抱っこする。

レイラは俺の耳元で、
「制服着たままベッドでイチャイチャしよ? なんでもさせてあげる……!」

そして、俺たちは一生で一番甘い時間を過ごす。一生で一番いちゃつく。


彼女との制服イチャラブは一生の思い出だ。脳内で永久保存。一瞬を永遠に海馬の奥底に仕舞い込む。死ぬ最後の瞬間まで、この思い出は輝き続けるだろう。

辛いことがあっても、めげても、この思い出を思い出しまた立ち直れるはずだ。

イチャイチャイチャイチャイチャした。
脳までとろけそうなほど甘い時間を過ごした。時間の制限もない。時間に追われることもない。ただ幸せになった。

俺は隣で俺に引っ付くレイラに、
「レイラ……ちゅき!」
「もう甘えん坊なんだからぁ……でも私もゆう君だいしゅき!」

彼女と俺は、一心同体。一つの生き物が体を二つに分けているみたいだ。
そして、元に戻ろうとするようにピッタリと、くっつく。

「レイラ可愛いぃ……超可愛い……大好き……」
「あ! さっきの約束まだしてもらってない! 耳元で百回大好き言って!」

「もう絶対に、百回以上言ってるだろ?」

レイラは頬を膨らませながら、
「むぅぅ~~! なら追加で百回言いなさいっ!」
「わ、わかった! わかりました! レイラ様には敵いません!」

俺はレイラの下僕だ。奴隷だ。服従する犬だ。

「レイラ好き……だぁい好き……だ~い好き……!」
レイラはホクホク顔になりながら、気持ちよさそうだ。

「んふっ! うれしい……もっと?」
「大好き! 大好き!」

「いやん……うれしいな。私も好きだよ? 大好きなんだからね!」
俺は彼女の頭をさすさすとさすってあげる。柔らかい銀髪がもっと触ってと言ってくる。

猫がもっと触ってほしいにゃと体を擦り寄せてくるみたいに懐いてくる。

「ゆう君……制服とって?」
ベッドの周囲には、彼女の制服が脱ぎ散らかされている。

スカート、シャツ、リボン、ニーソが散乱しメチャクチャだ。
「……やだっ!」
俺は彼女に抱きついた。

「もう……もう一回戦するの? せっかく制服着たのに、すぐ脱がされちゃった」
「なら着たままする?」

「こら! えっちなんだから!」 
彼女は俺の頬をぎゅうううっとつまむ。
「痛い痛い痛い! えっひれごめんなはい!」

彼女は俺の頬をビヨーンと引っ張りながら、
「でも……したいならいいよ?」

「本当? ならこのまま子供作って結婚する?」
「それは飛躍しすぎっ!」

「ねえ……制服って夏休みの間中このロッジに置いてあるんだよね?」
「え? う、うん……」

「それならっ! これから毎日制服脱が……着せ放題?」
「あっ! いま、脱がせ放題って言おうとした!」

「言ってない! 断じて言ってない!」
「私の耳は誤魔化されませんからね! このえっち彼氏!」

レイラは俺の頬をむぎゅっとつまむ。彼女は俺の頬をつまむのが好きらしい。
「痛い痛い! えっちでごめんなさい! えっちな僕が悪かったです!」

「ふふん! わかればよろしい!」
彼女は俺のほっぺから指を離した。

「レイラ様には敵いません! 僕レイラお姉さんに服従する!」
「こら! 私は、変態金持ち貴族じゃありません!」

「でも……変態でしょ?」
レイラは思い当たる節でもあるのか、途端に顔を真っ赤にさせた。

「へ、へ、変態じゃないもん! ゆうくんがしたがるから付き合ってあげているだけ! 変態はゆう君でしょうがっ!」

レイラは再び俺の頬をムニムニとつまむ。
「痛いー! 降参! 降参っ!」

ここはイチャイチャパラダイスだ。
俺たちにとって広い場所や、豪華な屋敷は必要ない。

ただ一つダブルベッドがあれば十分。
そこで愛し合い、一緒に寝て、マッサージされて、キスして、死ぬまでイチャついてられる。

毎日気持ちいいし、毎日楽しい。

ストレスゼロ。胸の中には開放感と爽快感だけが鎮座している。
快感で脳はバグりまくり、沸騰トリップ。

幸せすぎて、脳内の回路がもうぐちゃぐちゃ。不幸や不安を感じる部分は、死んだんじゃないかと思うほど使われていない。
もう長いことそういう気持ちになってない。


脳の可塑性。
脳は使えば使うほど、成長する。どんな年齢、どんな人でも、どんな状況からでも脳内は描き変わるのだ。俺にはよくわからなかったが、スタンフォードだかハーバードだかのお偉い人が言っていた。

どんな人でも一切の例外なく人は変われる。
変わる方法は、一つ。新しい考えを何度も使うこと。

例えば、幸せになりたいのなら、幸せだと感じまくればいい。毎日起きて、幸せだと感じれば、幸せを感じる回路が太く丈夫になっていく。

反対に使わない回路は弱く、痩せ細っていく。だから不安はもう感じない。
彼女との褒め褒めイチャラブ幸せ生活が、俺の脳内を書き換えてくれたのだ。

幸福を全身に浴び続け、五感をフルで使い愛情を感じた。
毎日気持ちいいことをして、快感神経を敏感にした。

毎日褒められて、自己肯定感が上がった。
毎日大好きって言われて、自己承認欲求が満たされた。

以前の俺とは比べものにならないくらい幸せになった。
これは全て彼女のおかげだ。俺に男としての自信をくれて、愛情をくれて、自尊心を取り戻させてくれた。

彼女がいなかったら、ここまで幸せになんてなれっこない。


「ねえ……レイラは俺いや……いつか誰かと結婚したい?」
「んーっ? いま俺とって言おうとした?」
「してない……ただ雑談で、レイラには結婚願望あるのかなって?」


「私は…………ゆうくんと結婚したいよ?」


そういうと、彼女は鼻の先をゆっくりと俺の鼻に近づけてきた。
キスをおねだりしているのだ。
(可愛い!)

ラブコメだとヒロインが、
『言わなくてもわかるでしょ? このどんか~ん!』
と男に言い放つ。

だが現実では、言わないとわからないことの方が多い。
他人の気持ちなんて確かめる術はない。

「レイラ?」
「ゆう君……何?」
「世界で一番好き……」

俺はそういうと、彼女に胸いっぱいのキスを送った。
ベッドの上で沈黙が絡み合う。俺たちの体表を質量のない時が滑り落ちる。

肌の上を温度のない炎が舐める。
無音の雷が、耳を焼く。

脳内では、漆黒の夜空を花火が汚す。
エンドルフィンがじゃぶじゃぶドバドバ溢れて止められない。

世界中のどこを探しても見つからないくらい激しい幸福が、十二指腸に染み渡った。

そして、レイラは満足してくれたのか、唇をゆっくり離した。
俺が目を開けると…………レイラはよほど嬉しかったのか、顔を真っ赤にさせていた。

「み、見ないでよ!」
だが俺は彼女の顔をガン見した。
「か、可愛い……!」

「見ないでってば!」
だが俺は彼女の顔をガン見し続ける。

(イチャつくの楽しい!)

「もー! 見ないでって言っているのに!」
レイラは右手を俺のほっぺに伸ばす。

(うっ! またほっぺつねられる!)
俺は条件反射で目を閉じた。

だがほっぺはつねられなかった。

そして、彼女は俺の耳元に唇を寄せると、
「……私も大好きだよ?」
甘ったるくそう囁いてくれた。
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