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第三十話 【過去編】 褒め上手な彼女とえっちやり放題の天国生活始めませんか? 

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ロッジに来てから三ヶ月が経った。
その間、毎日彼女といちゃついている。
朝も昼も夜もしたいことをして、人生を謳歌しているのだ。

こんな幸せな思いをしたのは生まれて初めて。
俺は横で寝息を立てる彼女を見つめながら、このえっちし放題生活の始まりを思い出した。


あれは三ヶ月前。俺たちが付き合い始めて一ヶ月が経った時だ。


[三ヶ月前]

俺たちは公園のベンチにいた。レイラと俺は隣り合って座っている。
学校が夏休みになる前の公園デートの真っ最中のこと。

俺は彼女からの提案に驚いて、彼女の言葉を繰り返した。
【い、一緒に暮らそう?】
【うん……私たち付き合ってからもう一ヶ月も経つでしょ……だからそろそろ】

【それってつまり一緒にご飯を食べたり、一緒にお風呂に入ったり、一緒にトイレに入ったりしたいってことだよな?】
【そこまでしません! って言うかカップルって普通トイレも一緒なの?】

【うん! 俺の生まれた国だとそれが普通だ! 常識だぞ!】
【そ、そうなんだ……私てっきりトイレは別かと……】

【全くこれだから何も知らない処女は……! こんなんじゃこの先、初体験する時……】
その瞬間、俺の体は眩い電流に貫かれた。

大事なことを確認していない。しまったこれだから俺ってやつは……
俺は童貞だ。一度も女性と同衾したことがない真性の童貞。正真正銘のピュアボーイ。

【あの……レイラちゃん? 一緒に暮らすってことは、一緒に寝るってことだよね?】

レイラは俺の方を見て、顔を真っ赤にさせる。首元も胸元も耳の先まで真っ赤になる。

そして、あわわわと口をモゴモゴ動かしてから。
【寝るとこは別に決まっているでしょ!】
と、大声で言い、俺はやっぱり一生童貞のままなのか、と考えながら肩を落とすと思っていた。
だが現実はこうだった。

レイラは俺の方を見て、顔を真っ赤にさせる。熱った顔のまま俺の目をまっすぐに見て、
【私と一緒に寝るの……やだ?】

俺の頭の中で革命のファンファーレが鳴り響いた。

頭が銃弾で撃ち抜かれるような衝撃と共に、理性が吹っ飛んだ。
【嫌なわけないだろ! でも意味わかっている? カップルが一緒に寝るってどういうことかわかっている?】

これあれだ。オチが読めたぞ。どうせ一緒に抱っこして眠りたいってことだ。
○○○○とか、○○○○○とか、○○○とかをしたいってことじゃないんだ。
そうに決まっている。

だがレイラは、俺の袖を可愛くキュッと握りながら、
【うん……意味わかっているよ……】

いや、慌てるな! いつもこういう状況にはなっていた。だけどことごとく勘違いだったり、不運が邪魔したりして結局童貞を貫いて来たじゃないか?

もう童貞は卒業できないと諦めたあの日のことを思いだせ! もう人生には期待しない。
童貞とはこれからも付き合って生きていく。ウィズ○○○ならぬウィズ童貞の人生だと思っていた。

【あの……俺の勘違いだと嫌な思いさせちゃうかもしれないから……きっとそんなわけないと思うんだけど……あの……】

俺はしどろもどろになりながら全身で童貞を表現する。

レイラは、【もうっ!】とむすっとすると、俺の耳にピッタリ口を寄せて、恥ずかしいのか小声で囁くように、
【えっちなことしたいんでしょ? させてあげる……!】

その瞬間、頭の中に核兵器が落ちた。原爆はキノコ雲を産み落としながら放射能の風を拡散させる。
童貞にとっては刺激があまりにも強すぎた。

【本当にいいの? 無理してない? いいよ、嫌だったら正直に言って、だいたい俺なんかと……】

彼女は自信なさげな俺を見て、
責めるでもなく、優しく、
【ゆうくんがいいの……それに……私だってセ○クスしたいの……】

今度は、俺の顔が真っ赤になっていくのを感じた。
首元も、耳の先まで真っ赤になる。

こんなにストレートに女性からの好意を受け取ったのは初めてだ。
あまりにもまっすぐにぶつけられた彼女の思いを、受け止められずにこぼしてしまいそう。

そして、彼女は俺の右手に自らの左手を絡ませてきた。女の方からこんなに積極的に求められる日が来るとは思っていなかった。

【ゆうくんは、私とえっちしたくないの? 私じゃダメ?】

【お、俺も……レイラちゃんとがいい……】

俺は童貞なりに勇気を振り絞り、やっとの思いで声を振り絞った。

【ふふ……じゃあ決まりね……!】
彼女は恋人らしく俺に頭をもたれさせてきた。俺の心臓はバクバク。血管が張り巡らされた迷路を血潮が駆け巡る。

呼吸のリズムは崩れ、背筋に汗が滲む。

だが手のひらにだけ汗をかかないようにと祈った。
彼女の手のひらを握っている手をキュッと握ると、同じくらいの強さで握り返してくれた。


童貞卒業まで残り七日。

=====


そして、俺たちは一緒に暮らすロッジを決めた。

ロッジは二階建てで、湖に面している立地のいいものにした。
山奥でアクセスはとても悪いが、言い換えれば誰からも邪魔されないと言うことになる。

家具は何もなく、専用のレンタル店で一緒に見ることになった。

レンタル店に着くと、俺たちは真っ先にベッドを見に行った。手を繋いで、お互い言葉を交わすことなくまっすぐにベッドが置いてある一角に行く。

これから二人が童貞と処女をプレゼントし合う場所だ。一生の思い出になるに違いない。

俺はこういうのは女性が希望するものがいいと思い、
【レイラちゃんはどれがいい? お金ならもちろん全部俺が出すから好きなやつでいいよ?】

レイラは顔を熱らせてる。頬を焼く微熱が、彼女が今何を考えているかを示す。
きっとベッドの上でのことを想像してくれているのだろう。

【私はあのベッドがいい……】

レイラが指さしたのは、小ぶりな白いベッドだ。
清潔感はあるが本当に小さい。
【もっと大きいやつでもいいよ? 遠慮しないで】

彼女は俺の腕をぎゅっと恋人らしく抱きしめて、
【ううん……くっついて寝たいの……だから狭い方がいい……あのベッドの上でぎゅうってして?】

【わかったじゃあこの……】

その時だった。なんということだろう! 
不意に床のマットが滑り、俺とレイラはベッドに倒れ込んだのだ。
決してわざとではない。断じて故意ではない。(本当だよ!)

【うわっ!】【きゃあっ!】
ギシィッ!

俺がレイラを押し倒すような形だ。
レイラは俺の体の下で顔を真っ赤にして、
【い、今この場でっ?】

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