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第三十一話 【あのような場所で性○為は困ります……ちゃんとホテルか自宅でしてください……】
しおりを挟む【ちょっと! 早く退いて! 私の体の上から降りて!】
【わかったから暴れるな! 降りるからもぞもぞしないで!】
俺は必死で彼女の上から退こうとする。
だが、ベッドがふかふかしているのと彼女が暴れるのとで身動きが取れない。
なんてことだ! これじゃあしばらくこの体勢のままってことか?
こんな状況からは早く脱したいのに! くそっ!
レイラは勘違いしたのか、
【気持ちはわかる! 気持ちはわかるけど、昼間にショッピングモールのど真ん中ではダメよ!】
【ち、ちげーよ! 滑ってこうなったん……】
【ゆうくんのえっちぃいいいいっ! どこ触っているのよっ! 早く退いてっ!】
レイラは俺の下でもがきまくる。
それを見た他の客たちが、集まってきた。
【なんだなんだ? 何やってるんだあのカップル?】
【お、おい……まじか、こんな公衆の面前で……】
【けんくん見ちゃダメよ!】
やばいやばい! なんか見せ物みたいになってきた! くそ! 一体どうやったらこの状況から脱出できるのか? 俺にはそれがわからない!
【ちょ! 早く降りてよ! なんで両手両足を拘束するのよ? 絶対にわざとでしょ!】
【バッ! ちげーよ! 事故だよ! レイラちゃんがもがくから退けないんだよ!】
側から見ればヤバイことをしているカップルにしか見えないだろう。くそ! 非常に残念だがレイラがジタバタする以上、俺にはどうすることもできない。
無力な俺にできることは……ない。
俺たちの騒ぎを聞きつけたメガネをかけた女店員が、
【ちょっとお客様困ります! このような行為はご遠慮ください!】
【いや、店員さん! これわざとに見えます? 事故です!】
店員さんは、
【わざとにしか見えませんけどっ? あなた完全に女性に抱きついているじゃないですかっ……!】
奥から別の店員も出てきて、
【おいおい昼間から人の店で何やってんだよ……これじゃあ商売にならない……山田さんこの男の足持って、】
【おい! 何をしようってんだ! 余計なことをするな!】
【せーのでいくからな! せーー……のっ! あっ! この男、女の子にしがみついてる! ちょっと離れろっ!】
=====
その後、俺たちは店員さん三人がかりで引き剥がされた。(チッ!)
メガネをかけた女店員(山田さんだっけ?)は、
【あのような場所で性○為は困ります……ちゃんとホテルか自宅でしてください……】
【いや……だから事故……】
山田さんはキッとこちらを睨む。
【はい……申し訳ございません】
うぅ……マットで滑ったのは本当に事故なのに……
山田さんは、
【それでどうするんですか? あのベッド下見に来たんですよね?】
【ああ、あれね。音もギシギシ鳴るし、セッ……じゃなくて寝心地も良さそうだ。レンタルさせてもらいます】
山田さんは、キリとこちらを見ると、
【レンタル? ベッドの上であんなことしたのにレンタル?】
【…………買い取ります】
そんなこんなで俺たちはベッドを決めた。
その後、その他の家具も一通り見繕った。
=====
全ての家具を滞りなく揃え、俺たちは店の出口に向かう途中だ。
俺は、目の前のレイラに、
【ふう! 色々あったけど、問題なく終わったね?】
【問題なく終わったね? じゃないでしょおおっ! 早く退いてよおおっ! 私の上から降りてっ! なんですぐ女体の上に乗りたがるのっ?】
【わかった! わかった降りるって!】
俺は床に倒れたレイラの体から降りた。
【大丈夫? レイラちゃん起きれる?】
【あいたたた……】
【あの……そこの山田さんだっけ? ちょっと手伝って!】
【またあなたたちですかもういい加減にしてください……!】
俺はすっかり顔馴染みになった山田さんと共にレイラを起こした。
【もうっ! 何が問題なくよ……ハプニングしか起きてないじゃない! 今日見た家具全て買取になったのよ? ここ家具レンタル店じゃないの? 一個もレンタルできてないんですけど?】
【まあそう言うこともあるだろ……】
【ないわよ!】
山田さんは、
【あの後が使えているんで痴話喧嘩ならよそでやってもらえません?】
【あ、ごめんなさい】
そしてレジで会計になる。
山田さんは店中に聞こえるような大声で、
【洗濯機三つ買取。三つとも洗濯槽内に入る悪戯をしたため。
食洗機六個同じく買取。全て女性ものの下着を洗濯したため。
タンス二棹同じく買取。中に裸の女性が入っているとの苦情が来たため。
テーブル一台同じく買取。卓上で男女が抱き合っているとのクレームが来たため。
以上になります】
周囲の人からはクスクスと笑われる。
【あ、あのカップルだ! 全部買い取らされているぞ!】
【あの人たちさっき洗濯機の浴槽内で抱き合ってたぞ? そんなに洗濯機が好きなのか?】
【けんくん見ちゃだめ!】
うぅ……穴があったら入りたい。っていうかけんくん興味津々だな。
会計が終わると、
【合計一六〇万マニー(円と同じ単位だよ!)になります】
支払いを終えて、お世話になった山田に、
【じゃあな山田!】
【また来るわね山田!】
【もう来ないでください! っていうか山田山田って気安く呼ばないで!】
店の出口に向かうレイラは、肩を落としながら、
【もう……私知らない人にえっち女だって思われちゃった……】
【全くその通りだ】
【食卓の上で、洗濯機の中で、箪笥の中で……これじゃ痴女よ……】
【うむ! 言えてるな!】
【正真正銘の処女なのに……ど変態の淫乱女よ……】
【それなっ!】
【あんたのせいでしょおおっ! 私えっちじゃないのに!】
【いや女だってエロくなるんだぞ? 痛い痛い叩くなって!】
【私だけは別! 私は絶対えっちくありません! 絶対に……ぜーったいにえっちにはなりません!】
【そこまで言うなら……あれで確かめてみる?】
俺が指さしたのは、未来が映る水晶玉。
レンタル店の出口に置いてある客寄せギミック。
魔力を持つ者が触れると、その者の確定された未来が見えるのだ。
レイラは大声で、
【望むところよっ!】
山田は、大声で、
【早く帰ってもらえませんかっ?】
俺たちは山田を無視して、水晶玉占いをすることにした。
レイラがボーリング玉ほどの大きさのガラスに手をかざすと、チリチリした魔素が空気を震わせ始めた。
レイラは、大声で、
【見える……! 見えるわ、私の未来が……!】
水晶玉の中には、俺とレイラの未来の姿が映っているはずだ。
どのタイミング、どのシーンが映るかはアトランダム。
結婚式が見えるかな? それとも子供ができた後か?
俺は水晶玉に齧り付く彼女に、
【あの? レイラちゃん? 何か見えましたか?】
彼女は水晶玉に手を当てたまま、口をパクパクさせている。
未来の自分の姿を見た彼女は、
【はわ……はわわわ……何これ? 私何やってるの……? なんであんな体勢で……?】
彼女の顔がみるみる赤く染まっていく。
首筋はうっすらと発汗し、耳の先まで赤くなる。
目を見開いて、俺を見る。
【あの……なんでしょう?】
そして、頬をプルプル震わせながら、
【なんでしょうじゃないでしょ……この男は~~~~っ! ゆうくんのどすけべエロ変態えっちいいいいいいっ!】
彼女は一体何を見たのだろうか? 詳しく聞いてみよう!
童貞喪失まで残り三日。続く。
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