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殺人ゲームの始まり始まり

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その時だった、
「あれ? この子」
アリシアは赤ちゃんの体に刻まれた異変に気付いた。



[現在 ケン視点]

アリシアが赤ちゃんに関して気付いたことを言い終わった。
「何っ? 赤ちゃんが骨折していた?」
「ニコニコ奥さんによると落っことしちゃったらしいわ」
ニコニコ奥さんは、ニコニコおじさんの奥さんのことだろうな。

「落っことしちゃったって、赤ん坊だろ? 危ないじゃないか」
「それだけじゃないわ。体には無数の傷跡があったの」

「骨折に、傷跡か。あのおっさん何か隠しているな」

と、その時だった。狙ったかのようなタイミングで、
「きゃー誰か死んでいるわ!」
外から悲鳴が聞こえてきた。店内は火がついたようにざわめき始めた。不安は木の葉に燃え移るように一周で広がった。熱のない炎が、空気を揺らす。

「こんな夕方にか?」
と、アル。

今は、帰宅ラッシュよりちょっと後くらいの時間帯だ。もし俺が殺人を行うならもっと深夜にする。それに、すぐに死体を発見させるなんておかしい。一体なぜだ?
「とにかく行こう!」


俺たちは悲鳴の方に走っていった。
飯屋から出ると、道のど真ん中で女性が死んでいた。体の状態は口にするのもためらいたくなるほど損壊していた。自分の正体を隠したがっている殺人鬼がこんな目立つことをするか?

周囲には人だかりができていて、その中にひときわ顔の表情を崩した女性がいる。おそらくこの人が悲鳴の主だろう。

俺はその人に、
「なああんた! 犯人を見たか? 犯人はどっちにいった?」
頼む。犯人の手がかりをくれ。
「あ、あっち」
女性は震える声で暗い路地の方を指差した。
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